AKANE静岡県出身。タンゴに魅せられて35歳でブエノスアイレスにタンゴ留学。 タンゴダンサー/講師/タンゴライフアドバイザー/ライター・コラムニストとして活動。国際結婚を経て、現在は海外子育てに奮闘中。 著書kindle『<a href="https://www.amazon.co.jp/%E4%BA%BA%E7%94%9F%E3%82%92%E5%A4%89%E3%81%88%E3%82%8B%E6%B5%B7%E5%A4%96%E7%A7%BB%E4%BD%8F-vol-05-%E3%83%96%E3%82%A8%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%B9-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E7%A7%BB%E4%BD%8F%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-ebook/dp/B0916VJBCS" target="_blank" rel="noopener noreferrer">人生を変える海外移住　ブエノスアイレス編</a>』 Instagram：<a href="http://www.instagram.com/akanetanguera" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@akanetanguera</a> HP：<a href="https://akanetanguera.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://akanetanguera.com/</a>

グローバル化が進むなか、企業内の公用語を英語にする会社が増えたり、小学校で英語の授業が始まったり、英語教育のニーズと関心は年々高まっています。とはいえ、日本の英語教育はまだまだ「主要科目のひとつ」として、成績重視です。でも、語学はコミュニケーションのツール。 さて、海外在住ファミリーレポーターの皆さんは、お子さんにどんな語学教育をされているのでしょうか。海外各国で生活するご家庭で、バイリンガル教育をどのようにされているか聞いてみました。

こんにちは。アルゼンチンのAKANE（あかね）です。 今回は、海外子育ての中での難問ともいえる、言語の問題について我が家の様子を紹介していきます。<h2> 我が家の言語方針</h2>

我が家の日本語教育の方針は「日本語を諦めない」です。 妊娠中は、子育ての理想も高く、入学金がたとえ高額でも日本文科省管轄の日本人学校（日系学校とは別）に入れて完璧なバイリンガルに育てようと考えていました。 しかし、実際に立ち向かうべき言語問題や学校選びはそう簡単な話ではないことを、この4年間の子育てで痛感。「諦めない」というのは、あまり力を入れすぎずに日本語や日本文化が息子の生活の中にいつもあたりまえに存在している状況をつくっていこうというという意味であり、それが私の姿勢です。何をするにも熱しやすく冷めやすい私が、物事を習得するために学んだのは、あまり力を入れすぎず、無理のない範囲で「長期間やり続ける」こと、これが習得の一番の近道ではないかと。 息子の日本語習得もそんな気持ちで行えば、お互いに負担になりすぎず問題も最小限で抑えられるのではないかと考えています。 &nbsp;また、妊娠中に本や海外子育ての先輩の体験談を読み漁って行き着いた結論は「子どもの意思がないと、どんなに母が一生懸命日本語をがんばっても難しい」ということでした。そこで、息子に日本語習得の目的を持ってもらうことにしました。 習得してほしい理由はたくさんありますが、息子にとって切実な理由になるだろう「日本語が話せないと今後ママとはお話しできなくなるかも」という問題を共有して、お風呂や寝る前のおしゃべりの際に話題にしています。 いまは4歳ということもありママと話せなくなるのは一大事。大きく響いていました。そして、スペイン語が苦手なママにスペイン語を教えてね、という依頼もしています。 わからない単語などがあるときは、息子にどういう意味かわからない、と聞くと日本語で説明してくれます。息子にとってアウトプットする良い機会になり、私の勉強にもなります。 また、私が何度も口ずさみながらスペイン語を覚える姿勢を見せると、息子も同じように真似をして日本語を覚える際に何度も口ずさんでいます。アルゼンチンでは、お互い得意なものを相互で教え合う（"intercambio"交換）をよく行います。息子は得意になって教えてくれ、またどちらの立場も経験できる良い学習方法です。<h2> 多言語家族のコミュニケーション</h2>

我が家は、アルゼンチン人の主人と私の3人家族です。主人はスペイン語のほかに英語も堪能ですが、私は英語が学生時代から大の苦手。 留学当初のまったくスペイン語が話せなかったころから知っているよしみで、主人は私の拙いスペイン語も理解してくれます。ただ、日本語はまったく話せません。 我が家では、主人と私はスペイン語、主人と息子もスペイン語、息子と私は日本語です。 幼稚園や主人の家族などこちらの生活はすべてスペイン語での会話です。 間違いなく、息子の母語はスペイン語。幼稚園では3歳から週1回英語のクラスがあり、外部の英語の先生による授業があります。 主人が通っていた中学校では、英語で他科目を学ぶクラスもあったそう。 ということは、小学校のうちに英語はある程度できないと厳しそうですが、息子にとっては第三言語まで覚える必要があるということですね。恐ろしや。私が学生だったころは、中学生から英語の勉強を始めましたが、最近は日本でも小学校3年生から週一コマ、英語の授業が始まるようになったそうですね。 年間35時間の単位時間の設定は、息子の幼稚園では3歳から4歳と同じ時間数です。息子を見ていると、英語を学ぶことに羞恥心は全くなく、好奇心でいっぱいです。 使い方が違っていようが、友人と合言葉にしたりしてどんどん自分たちの生活や遊びに自然に取り入れています。また多言語を知ることで、地球には多くの国が存在し、私たちは共存しているということを認知するきっかけになっているようにも感じます。 私ももっと早くから勉強していたら、英語への苦手意識や海外へ出るハードルも低かったのかな、と考えると幼いうちから言語を学ぶ方針は納得できます。<h2> 息子4歳の状況</h2>

息子は、今のところはそこそこの日本語を話します。 日本育ちの環境と比較すると語彙力は少なく、2歳の終わりから3歳始めくらいの語彙力ではないかなと感じます。これは、昨年私の家族がアルゼンチンに 2週間ほど滞在し、また同年1ヶ月半ほど日本に滞在して幼稚園に 2週間通った結果です。 私の家族に会う前は、日本語を理解しても息子が日本語を話すことはありませんでした。 私の家族が話す日本語を聞いてから「日本語」という新たなコミュニケーションツールの存在に興味を持ったようで、自分で話したり「日本語ではなんというの？」と私に聞いてきます。 &nbsp;<h2>これが良かった？！我が家の日本語教育方法</h2>

どんな風に日本語を学んでいるか。というと、一時帰国時に培った日本語の記憶を忘れないようにYouTubeやAmazonキッズなどの動画の設定を日本語にしているだけ。 それでも彼に選ばせると英語やスペイン語、韓国語と興味に合わせてチャンネルが変わっていくので、たまに日本語のチャンネルをお気に入り登録したり、再生したりして日本語のチャンネルがおすすめに出てきやすい状況をっています。 また、日本語のDVDを見たり、絵本を読んだり、昔話をしたり、一緒に日本の歌を歌うのは息子も大好きです。息子は土曜日だけ日系の幼稚園に4時間ほど通っています。 ここでは、日本語も少し勉強しますが、日本文化や風習をメインで学んでいて、ひな祭りやこどもの日などのイベントを通して日本に興味を持ってもらうことを目的に設定しています。

日本語の問題集（2-3歳用）も一時帰国時に購入しましたが、ほとんどやっていません。 会話だけではなく、日本語を書くということまで視野に入れると問題集も必要になってきますね。 そこは、まだ4歳だしいいかなと後回しにしています。

<h2>私たちの日本語教育の行方</h2>

正直、私たちのやり方が合っているのかは現段階ではまったくわかりません。 自分なりに調べたり、考えたりして進めていますが、将来息子がどこまで日本語を話せるのか。それは成長してみないと判断できません。こちらで暮らす日本人ママと会話しても子どもたちの日本語習得は関心の高いワード。 あの手この手で皆さんがんばっている様子。 海外子育ての先輩ママさんの話を伺いながら、これからも自分たちに合った持続できる勉強法をゆっくり探していきたいと思います。

2024年8月のテーマ「子どもへの語学教育」

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