佐々木はる菜集英社「LEEweb」のコラム連載、時事通信社での特集記事など、海外渡航後も女性目線・ママ目線に強いライターとして国内外のトレンドや社会的な取り組みなどを幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信がライフワークで著書にkindle「今こそ！フリーランスママ入門」。ブラジル生活8か月を経て家族でアルゼンチンへ。東京出身、小学生兄妹の母。Instagram／<a href="https://www.instagram.com/halna212/?hl=ja" target="_blank" rel="noopener noreferrer">halna212</a> note／<a href="https://note.com/miraiwotsumugu/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://note.com/miraiwotsumugu</a> HP／<a href="https://miraiwotsumugu.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://miraiwotsumugu.com</a>

12月のテーマは「世界の本と読書事情」。 今年も残すところあと1ヶ月。仕事に家事、何かと気忙しい年末ですが、年末年始は家族の時間でもあります。 お子さまと本を読む時間をつくってみてはいかがでしょうか。 海外在住Soda!ファミリーレポーターのみなさんには、下は5歳から上は大学生まで、幅広い年齢のお子さまがいらっしゃいます。 各国で子育て中のみなさんに、お子さまが好きだった本や、おすすめの本を紹介してもらいました。 英語の勉強に役立つ本もありますよ。ぜひ参考にしてみてください。

我が家の11歳の息子と8歳の娘は、ともに本が大好き！その理由の一つは、赤ちゃんのころから一緒に「読み聞かせ」を続けてきたことだと信じている私…今回は、我が子たちが小さなころから現在の小学生に至るまで、夢中になってきた絵本をご紹介します。

そして、現在住んでいるアルゼンチン・ブエノスアイレスには、まるで雑誌や映画から飛び出してきたような素敵な本屋さんがいっぱい！それらの様子や現地の読み聞かせ事情もお伝えしたいと思います。 私たちが歩んできた絵本や読書の道のりが、少しでも何かの参考になれば嬉しいです。 &nbsp;<h2>我が家の子どもたちが夢中になった絵本を紹介します</h2><h3>1.くまのがっこうシリーズ</h3>

くまのがっこうに通う、12匹のくまのきょうだいのお話です。 主人公は12番目、唯一の女の子である、おてんばなジャッキー！ ジャッキーの冒険やお兄ちゃんたちとの日々など心温まる物語ばかりで、子どもたちふたりが幼稚園児だった一時期は、ほぼ毎日読んでいました。 細部までこだわりを感じる可愛らしいイラストは見ているだけでも楽しく、成長してからも自分たちでよく絵本を開いています。 &nbsp;<h3>2.こぶたのピクルス</h3>

元気なこぶたの男の子、ピクルスが主人公。 毎ページに絵はありますが文章が多めなので、幼稚園時代後半から読み始めました。 ピクルス一家の和やかなやりとりや、愉快でクスっと笑えるようなセリフなど、いつ読んでもほのぼのとした気持ちになります。 そして親目線で読むと、登場人物たちの心の動きにふと涙ぐんでしまうことも。こちらも毎日読むほど大好きになった絵本でした。 &nbsp;<h3>3.「バムとケロ」シリーズ</h3>

親子で夢中になり、スペシャルボックスまで購入したほど。 なんといっても主人公たちが魅力的なことに加え、住んでいるおうちのインテリアの素敵さ、登場するおいしそうなおやつ、そして絵本の隅々にまで「よく見るとわかる」ちょっとした遊び心がちりばめられ、繰り返し読みたくなります。 なんてことのない日常に、楽しさや幸せが溢れていると気づかせてくれる絵本だと思っています。 &nbsp;<h3>4.展覧会にも行った、レオ・レオニとエリック・カール</h3>

言わずと知れた人気の絵本たちは、私も小さいころから大切に読んできた作品ばかり。 折に触れ、私自身が子どもだったころの本にまつわるエピソードを子どもたちに伝えるなど親子三世代で楽しめたこと、そしてレオ・レオニ、エリック・カールともに子どもたちと展覧会に出かけられたことも良き想い出です！<h2>本の魅力に助けられながら、親子で読み聞かせを楽しんでいます</h2>もともと絵本や読書が好きな私でも、子育ての慌ただしい日々の中で読み聞かせの時間が上手く取れず、ときには負担に感じることもありました。 同じような悩みを周りでもよく聞くので、年齢や成長に合わせてどんなふうに読み聞かせを続けてきたかというアイデアや工夫なども、いつかまたお伝えできたら嬉しいです。私が心がけていたのが「なるべく親も楽しむこと」で、「絵本の魅力」そのものに助けてもらったことも数知れず。 その中でも下の写真の絵本は、各ページの絵に想像力が書きたてられ、家族みんなで楽しめると思います。 いまでは多くのシリーズが出るなど人気のものばかり。開くと私まで元気になるので、何度読んだかわかりません。

また兄妹ともに小学生になったころから、絵本だけでなく少し長い物語を一章ずつ読み聞かせることが増えました。「続きはまた明日～」と言うと「もっと読んで！」とせがまれることも多く、自分自身で読書するのとはまた違った魅力がある様子。 時間があるときはいまでも一緒に楽しんでいます。

<h2>ブエノスアイレスには素敵な本屋がいっぱい！</h2>街なかには昔の日本のように小さな書店がたくさんあり、ブエノスアイレスの人々は本好きな印象があります。思わず写真を撮りたくなる素敵なお店も多く、たとえば「世界で2番目に美しい本屋さん」として有名な「エル・アテネオ El Ateneo Grand Splendid」は、もともと由緒ある劇場だった歴史的建造物を改装した素晴らしい本屋さんです。&nbsp;

ほかにもカフェが併設されていたり、内装にこだわっていたりと、足を踏み入れたが最後、あっという間に時間が経ってしまいます。 子ども向けのコーナーも充実しており、親子で一緒に本を選んだり、ときには座り込んで読み聞かせをしたりする姿も見かけ、皆それぞれ素敵な時間を過ごしています。

しかし幼稚園や学校などでの読み聞かせについて聞くと、週に何回かあるという程度。「もっと増やしてほしい」と言うパパ・ママも大勢いました。ちなみに話を聞いた中に、日本人にスペイン語を教えたことのある先生がいたのですが、彼女が非常に褒めていたのが、かつて日本人家庭で見たという「音読」の宿題。 本や言葉に親しむため「アルゼンチンでも採り入れてほしい」と話していたことが印象に残っています。聞いている親の私も含め、音読の宿題が適当になりがちな我が家は、ハッとさせられました…<h2> アルゼンチンで人気の絵本は？</h2>

人気の絵本の中には海外の翻訳本も多いそうですが、アルゼンチン作家の絵本の中で印象的だったのは「Federico dice no」というシリーズ（写真左上）。「フェデリコは『ノー』と言う」というタイトルで、たとえば友だちにおもちゃを貸すのが嫌、幼稚園や小学校に行くのが嫌、など、ときに怒ったり失敗したりしながらフェデリコが成長していく物語です。 どこの国でも、子どもたちがぶつかりがちな“壁”は一緒なのだなと親近感が湧きました。<h2> ずらりと並んだ「星の王子様」ブエノスアイレスは作者のサン＝テグジュペリが一時期住んでいた街</h2>

また本屋さんに行くと必ず置かれているのが「星の王子様」で、内容の易しい絵本バージョンなどさまざまなパターンの本がありました。実はブエノスアイレスの中心地には、作者であるアントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリが一年ほど住んでいた場所があります。 現在は市の建物遺産にもなっている「Galería Güemes」という小さなショッピングセンターで、部屋を見学できると聞き足を運んだのですが、現在は残念ながらクローズド…でも、古くからの美しい建物が大切に 使われているブエノスアイレスらしい、素晴らしい場所でした！

<h2>日本の「MANGA」はここでも人気です</h2>余談ですが、アルゼンチンの日本人気は目をみはるものがあり、日本人でも驚いてしまうような量の漫画が置かれている迫力の漫画専門店を見かけます。街なかの普通の本屋さんにも「MANGA」コーナーがあり、タイトルに日本語が使われている絵本もありました！

子どもたちだけでなく大人の心も動かす力がある絵本。家族でわくわくできる素晴らしい絵本に、親子の忘れられない特別な時間をいくつもつくってもらってきました。 子どもが喜ぶ本を見つけることと同じくらい、自分が心から楽しめるものを選ぶことも大切なのかもしれません。そして、読書好きが多いと感じるブエノスアイレスと比べても、日本は本に親しむ文化が浸透していると思います。 これからも、家族で感動や楽しさを共有できる絵本や本に出会えると良いなと、楽しみにしています！

2023年12月のテーマ「世界の本と読書事情」

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