佐々木はる菜集英社「LEEweb」のコラム連載、時事通信社での特集記事など、海外渡航後も女性目線・ママ目線に強いライターとして国内外のトレンドや社会的な取り組みなどを幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信がライフワークで著書にkindle「今こそ！フリーランスママ入門」。ブラジル生活8か月を経て家族でアルゼンチンへ。東京出身、小学生兄妹の母。Instagram／<a href="https://www.instagram.com/halna212/?hl=ja" target="_blank" rel="noopener noreferrer">halna212</a> note／<a href="https://note.com/miraiwotsumugu/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://note.com/miraiwotsumugu</a> HP／<a href="https://miraiwotsumugu.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://miraiwotsumugu.com</a>

グローバル化が進むなか、企業内の公用語を英語にする会社が増えたり、小学校で英語の授業が始まったり、英語教育のニーズと関心は年々高まっています。とはいえ、日本の英語教育はまだまだ「主要科目のひとつ」として、成績重視です。でも、語学はコミュニケーションのツール。 さて、海外在住ファミリーレポーターの皆さんは、お子さんにどんな語学教育をされているのでしょうか。海外各国で生活するご家庭で、バイリンガル教育をどのようにされているか聞いてみました。

現在12歳の息子と9歳の娘は、夫の海外転勤によりブラジルとアルゼンチンで2年間を過ごしてきました。 生活も、外国語を学ぶ環境も同じようにしてきたつもりですが、兄と妹では語学力も異文化との向き合い方も違いが多く、我が子ながら興味深く感じています。 &nbsp;<h2>バイリンガル現地校の授業についていけた9歳の娘</h2>日本では普通の公立小学校に通い、外国語の勉強もほとんどしておらず、どちらの国でも最初は日本人学校に通っていました。 でも今年2月、兄妹揃ってブエノスアイレスにある現地校に転校しました。午前中はスペイン語、午後は英語で授業を行うバイリンガルの私立校で、娘はいまはそれなりに授業についていくことができています。

彼女は自分で決めた勉強を毎日コツコツ続けられるタイプ。 基本的に真面目で授業でも毎日一所懸命ノートを取っています。さらに負けず嫌いな性格で、現地校では板書が筆記体だったため、自ら練習して1ヶ月程度ですぐ覚えるなど、地道な努力を重ねていました。

娘の語学力が伸びた一番の理由は、親バカながら彼女の頑張りがあったからだと思っています。 一方でまだ4年生ということで授業内容について行けた部分もあり、娘のタイプ、年齢と勉強方法や環境がうまく合致したのだと感じます。 &nbsp;<h2>海外に行ってから、どんな勉強をしたの？</h2>では具体的にどんな勉強をしたかというと、最初の赴任地ブラジルでは半年ほど現地のKUMONで英語を勉強しました。 当時は全く英語ができなかったため、イラストを見ながら本当に簡単な英単語を書いて覚えるようなレベルからのスタートでした（お世話になったブラジルのKUMONの記事は<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/contents/global-report/detail/br-haruna-230321/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">こちら</a>）。

そしてアルゼンチンへの異動を機に、オンライン英会話と多読ができるレッスンを始めました。フィリピン人の先生から週2回レッスンを受け、ほかの日はゲーム感覚で英語に親しめるアプリ教材を毎日2単元、自主的に取り組んでいました。 現地校へ入学してからは、家での英語学習はお休み。日本語も話せる日系アルゼンチン人の先生からスペイン語を習っています。 &nbsp;<h2>明るく物怖じしない性格でコミュニケーションする息子</h2>一方2歳年上の息子はというと…正直、娘ほど語学力の伸びは感じていません。現地校の授業は、もともと得意で言語が関係ない算数や体育以外は「よくわからないことも多い」といいます。 理由は明白で、長男は自主学習の部分をサボりがちでした。 娘より始めた年齢が遅いことや6年生で授業内容が難しいこともあるとは思いますが、やはり語学力は自分でどこまで真剣に取り組むかに左右されると実感しています（息子よ、赤裸々に書いてごめん…笑）。

ただ、またもや親バカですが、息子の良さは物怖じせず積極的にコミュニケーションを取れるところ。 学校でも現地のサッカースクールなどでも、外国語は大して話せないにも関わらず、いつの間にか友だちをつくっています。 現地校では初日からゲームの話で意気投合し、その週末は誕生日会へ。 日々もサッカーやら男子ならではのくだらない話などで盛り上がっており、なかなか楽しそうな様子。 クラスメイトだけでなく違う学年の子からも誕生日パーティーに誘われたり、おうちに招かれたりしていました。

それなりにコミュニケーションが取れてしまうから必死で勉強しない部分もあり、もちろん語学をもっと一所懸命学んでくれたら嬉しいのですが、海外で言葉を超えて友だちを作れた経験は大切にしてほしいと思っています。 &nbsp;<h2>海外生活で実感した「自分で決める」大切さと難しさ</h2>ブラジルもアルゼンチンも英語圏ではないため、現地校に通わせる日本人家庭は少なく、我が家の決断について周りからは非常に驚かれました。 …確かに、昔の私だったら選択しなかった道だと思います（笑） 日本にいたときの私を振り返ると、なるべく効率的に情報収集をし、周りがどうしているか聞き、その中から一番良さそうな答えを選ぶという考え方をしていました。しかし海外に来てからは何事においても「自分たちはどうしたいのか」と突き付けられることが多く、家族で何度も話し合い悩みながら答えを出す機会が増えました。お世話になった現地校は国際色豊かな学校で、アルゼンチン人以外にも欧米やロシア、中国などいろいろな国のお子さんがいる環境でした。 子どもたちが頑張っているからと、私も最初は冷や汗をかきながら、お迎え時にほかのママたちに話しかけたり、ママ会に参加したり…。 親子共に本当に貴重な経験をすることができ、この選択をして良かったと心から感謝しています。

実は、私は今回で「GLOBAL REPORT」を卒業します。 海外生活に加え、ご一緒した世界中のレポーターさんやSoda!Soda!の編集部の方々と定例オンラインミーティングでお話できたことも、私にとってかけがえのない経験でした。 皆さんの温かなお人柄と、ご自身の考えをしっかり持っている姿がかっこ良く、特に異国の地で悩んでいる時などは励まされていました。自分で考え自分で決めることは、大人でもしんどいことがあるし、不安と隣り合わせともいえます。 でもこれからもその大切さを忘れず、家族で力を合わせつつ、自分たちで選んだ道を信じて目の前の事にひとつずつ向き合っていきたいと考えています。 そして、これからも一ファンとして、「GLOBAL REPORT」を楽しみにしています。今まで本当にありがとうございました！

2024年8月のテーマ「子どもへの語学教育」

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