佐々木はる菜集英社「LEEweb」のコラム連載、時事通信社での特集記事など、海外渡航後も女性目線・ママ目線に強いライターとして国内外のトレンドや社会的な取り組みなどを幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」についての発信がライフワークで著書にkindle「今こそ！フリーランスママ入門」。ブラジル生活8か月を経て家族でアルゼンチンへ。東京出身、小学生兄妹の母。Instagram／<a href="https://www.instagram.com/halna212/?hl=ja" target="_blank" rel="noopener noreferrer">halna212</a> note／<a href="https://note.com/miraiwotsumugu/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://note.com/miraiwotsumugu</a> HP／<a href="https://miraiwotsumugu.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://miraiwotsumugu.com</a>

3月のテーマは比べてみようシリーズ「算数編」算数は計算だけではなく、数の概念や数学的思考など奥が深い教科。 （「<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-230210/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">教育のアレコレ</a>」参照）外国ではどんなふうに算数を勉強しているのか、レポートしていただきました。 それぞれの国の学習方法には、算数という教科に対する捉えかたが反映されています。 みなさんの家庭学習のヒントになるかもしれません。

ブラジルでの算数の学び方と言われたときに私がまず思い浮かべるのは、我が家の子どもたちが現地で通った「KUMON」です。実は我が家が通っている日本人学校は、家からバスで片道1時間半以上かかります。子どもたちも毎朝5:00過ぎには起床し6:20に出発するという生活で、通い始めた当初は往復だけでも一苦労！なかなか勉強時間を取ることもできない状況でした。でも放課後にブラジルの子どもたちと一緒にKUMONで学ぶようになり、熱心に温かく指導してくださる先生がたのおかげで、学力をより伸ばすことができたと感じています。もうすぐアルゼンチンへ引っ越ししてしまう我が家。 ブラジルの算数事情とともに、お世話になった感謝の気持ちを込めて、子どもたちが通っている教室の様子をご紹介したいと思います！<h2> ブラジルの学校の多くは午前か午後の2部制らしい</h2>ブラジルに来て少し経ったころのこと、小学生の子どもを持つブラジル人ママと学校について話していた際、彼女のお子さんたちはいつも午前中習い事に行き、お昼を済ませてから午後13時～18時ごろまで学校に行っていると聞き大変驚きました。ブラジルでは午前・午後の二部制、そして年齢が上がるとそこに夜間を加えた三部制で授業を行う学校が多いといいます。近年は全日制を増やそうという流れがあり、実際増えているそうですが、身近なご家庭の話を聞いていると、午前・午後どちらかに通うお子さんが多い印象です。<h2> 日本でお馴染みの「筆算」ブラジルではやり方が違う！</h2> 今回の記事のため改めて現地の学校や算数学習の特徴について伺ったところ、ブラジルの算数の教科書には絵や図がたくさん使われており、授業ではそれらを見ながら直接教科書に書き込んで問題を解くスタイルが多いそうです。ちなみに私が印象的だったのは日本と筆算のやり方が違うことで、例えば「112÷2」であれば下記のような方法で計算します。&nbsp;

日常でも長期休みでも宿題はあまり出ないそうで、子どもたちの学習レベルをもっと上げたいと考える親は、習い事や家庭教師をつけるなど様々な形で対策を取っていると話していました。<h2> 小さな子どもから90歳近い大人までが通う学びの場</h2>最初に教室で現地の子どもたちが学んでいる様子を目の当たりにしたは、勝手ながら、KUMON発祥の国出身の日本人として非常に感激しました。教室に週2回通い、家でも毎日宿題をするという日本と同じスタイルで、教科は算数・英語・ポルトガル語・日本語の4つ。やはり一番人気があるのは算数で、うちの子どもたちは算数と英語の2科目、中には3～4科目同時に勉強しているというお子さんもいます。

毎週子どもたちを待っている際に感じるのが、日本以上に幅広い世代の方が通っているということ。 自分よりも大きなリュックを一丁前に背負い、ときにはママに抱っこされて現れるまだ2歳だという女の子もいれば、日系企業に勤めており日本語学習のために通っていると話す大人の方もいます。なんと頭のトレーニングのためにと通う90歳近い方もいらっしゃるのだとか！そんなブラジルの方々が一体どんなきっかけで教室に通い始めるのか興味があったので、先生に伺ってみました。<h2> ブラジルではあまり見かけない「反復学習」が人気</h2>「通っている生徒さんから評判を聞いたと言ってくださる方が多いですが、子どもの学校の先生から『ここに通うと成績が全体的に良くなる』と勧められて入会される方もたくさんいて、嬉しく思っています。　基礎的な問題を日々繰り返し解くことで、当然ながら学力は向上します。さらに毎日机に向かう学習習慣、そしてわからない問題や新しい学びに出会ったときも、まず自分で考え答えを導き出そうと試行錯誤する姿勢が身に付きます。この習慣化のおかげで他の勉強もできるようになる生徒さんが多いのだと考えています」日本の学校では「計算ドリル」の宿題が出るなど、反復学習を重視していると感じます。でも現地の方に伺うと、ブラジルではそういった学習方法はあまり見かけないそう。保護者の方々の中には「毎日この教室の宿題をきちんとやることはとても大変。自分の子どもはすごく頑張っていると思う」と力強く話してくださる方もいました。日本とはまた違う文化の中で「毎日基礎的な問題を繰り返し解く」という学習法の意義を伝え、生徒たちに実践させるのは、きっとご苦労も多いのではないかと思いました。

我が家の子どもたちは、学校が遠い関係で教室に通うのは週1回にしているのですが、宿題の進度などを心配して先生からわざわざお電話やメールをいただいたことも数知れず。 教室でもいつも生徒ひとりひとりに声をかけ、必要に応じて保護者とも相談しながら、学習の進み具合を丁寧に見てくださる先生がたの姿勢には、頭が下がる思いです。<h2> 海外で日本の良さをあたらめて実感しました</h2>

どの国にも独自の考え方や文化があり、教育や学習方法にもそれぞれの良さがあると思います。近年、日本の教育については問題点や改善点が指摘されることも多いからこそ、日本から遠く離れたブラジルの地で、日本で昔から大切にされている反復学習のメリットや、勉強でもスポーツでも基礎的な鍛錬を日々繰り返すことの重要さを改めて実感できたことは大変印象的でした。我が子が放課後、先生がたのもとで現地の子どもたちと共に勉強できた貴重な経験に、心から感謝しています！ 今回お話を伺った先生がた我が家の子どもたちが通う教室の代表を務めるMarcel Tetsuo Ueno先生（写真・中央右）とTereza Suzue T. Ueno先生（同・中央左）。

さまざまな勉強方法がある中、日本発の学習方法を地球の反対側ブラジルで学んでいる子どもたちの姿を目の当たりにし、そのメソッドを拡げようと想いを持ってお仕事されている方々に出会えたことは、とても嬉しい出来事でした！

2023年3月のテーマ「算数の学習事情を比べてみた！」

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