<h4>ゆかり</h4>北京駐在4年目の、4児の母です。4人目は北京で出産。 東京文京区育ち、上智大学外国語学部ロシア語学科を卒業後、静岡第一テレビに就職。 退社後日本語教師の資格を取り、ウクライナ国立ハリコフ教育大学、ATI東京日本語学校、アルファ国際学院、区立小学校などで日本語講師として勤務。 中国生活についてブログも書いているのでよろしくお願いします。 https://ameblo.jp/aosumikmama

対応力と柔軟性というテーマで中国を表現するのはなかなか難しいので、私が思う中国人の5つの大事から国民性にフォーカスしてみました。 ※TOP写真：桜が綺麗な公園

<h2>１）自己主張は大事</h2>中国では今、自撮りブームで、SNSでのリア充アピールが増えています！ 中国人はマナーが悪い、うるさいといったイメージがあるかもしれません。 実は中国語は発音が重要なこともあり、話し声が大きく、普通の会話なのに怒っているように感じてしまうのです。 とはいえ、公共の場で口論も日常茶飯事で、子どもを叱りつけている場面に遭遇することもしばしば。 先日もPCRの列で待っていたら、受付時間を過ぎた人が大声でまくしたてて侵入していきました・・・。 幼稚園でびっくりしたこんな出来事も。息子が友達に叩かれたとき、相手の親は自分の子を同じように叩いて謝ってきました。

<h2>2）子どもが大事</h2>人口の爆発により、1979年以降、長年一人っ子政策を導入し、人口を抑制していた中国ですが、少子化に歯止めをかけるため、2015年から子ども2人までを認めることになりました。そして去年、3人まで奨励するという発表がありました。 しかし、実際は物価の高騰や教育にも相当なお金が掛かるので、子どもは1人という家庭が多いのが実情です。 就職活動に親が同行したり、家と車がなければ結婚できないと言われているので、家と車は親が息子に与えたり・・・と一人っ子の子どもたちは『小皇帝』と呼ばれ溺愛されています。しかし前述のように、叱るときは、おじいちゃんおばあちゃんでもかなり厳しいです！

<h2>3）人間関係が大事</h2>携帯電話で、四六時中誰かと電話しています。 信頼関係を築くことが大切で、伝統行事は家族で過ごすことを大切にしますし、友人同士も、端午節にはちまきを、中秋節には月餅を贈り合ったりします。 前述のように自分の意志はハッキリ伝えるので、中国人に家に招かれたとき、何か飲むか聞かれ、日本で当たり前のように「お構いなく」と言ったら、本当に何も出なかった経験があります・・・。 信頼を得て良好な人間関係があれば、多少のルール規範は見逃して、解決してもらえることもあります。 逆に言えば、ルールを守っていても、人間関係が築かれていないことで認められないという不条理なこともあります。

<h2>4）メンツが大事</h2>中国人と食事に行くと、割り勘をすることはなく、必ずどちらかが支払いをします。 そして次回は別の人が払います。割り勘なんて！と許さないようです。 中華料理はとにかく一皿の量が多いので、いろいろな種類を頼もうとすると、びっくりするような量になってしまいます。これは、お皿に料理が残っていないと、量が少なすぎて足りなかったということになり、それは失礼だということで、余るくらい用意するのが礼儀とされていたからです。 けれども最近はもったいない精神も生まれ、『打包（ダーバオ）』と言って、残ったら持ち帰るのが当たり前になっています。<h2>5）IT化が大事</h2>中国に来た3年前から、すでに財布いらずです！ むしろ、現金を使おうとすると、偽札ではなく本物かチェックされ、迷惑がられることもあります。 タクシーも携帯で呼ぶので手を挙げて停めることはないし、コンビニもマックもスタバもどこでもコーヒー一杯からデリバリー可能で、街は配達バイクで溢れています。 欲しいときに何でもすぐ届くので、外に出る必要がありません。IT化のおかげでとにかく生活が便利で楽！ 現在4人の子育て真っ最中な私はとても助かっています！！

昨年の夏休み、夫と長男が上海に旅行中、上海市でたった一人感染者が出ただけで、何と上海から戻った人は全員PCR検査と14日間の体温報告、自宅待機となりました。（広い上海市でこの厳しすぎる対応です・・・。）二人は陰性が出るまで自宅に戻って来ることができず、マンションの別の部屋に泊まることになりました。ドア越しに食事を届け、洗濯物を受け取りました。天津市や西安市でも、これまで全市民対象のPCR検査及びロックダウンが行われました。 いよいよ来週から新年度が始まりますが、現在上海でロックダウン中ということもありまた厳しくなっており、始業式前にはPCR検査の陰性証明が必要、さらに校内で毎週PCR検査が行われるということです。。。トホホ

<h2>続く鎖国状態と国民の反応</h2>未だに北京と日本を結ぶ直航便は再開されておらず、上海や大連などを経由しなければなりません。経由地のホテルで14日間の隔離後、北京に入ってからも更に7日間の隔離が必要です。中国政府は未だに日本人へ新規ビザを許可していないので、依然として家族が戻ってこられないままだったり、新任の方が赴任できないため、駐在員の本帰国が延期されたり、皆さんそれぞれ苦労して過ごされています。 早く日本との直航便が再開し、自由に行き来できる日常が戻ってきてほしいと願うばかりです。ここまで厳しい政策の中、日常生活が制限されても、中国人から不平不満の声はほとんど聞かれません。元々デリバリーが発達していることもあって、外出しなくても買いものも食事もできてしまうので、不自由を感じないこともありますし、大気汚染でマスクにも慣れているので、当たり前のようにマスクを着けています。 また、一人っ子が多く、更におじいちゃんおばあちゃんやお手伝いさんと一緒に暮らしている家庭がほとんどなので、休校になって子どもが家にいても、そこまでストレスにならないのでしょう。 中国人は、自国が厳しい対策に乗り出したからこそ、いち早くコロナを収束させ、今では中国が世界で最も安全な場所であると考えています。

2022年6月のテーマ「国民性からみる対応力やフレキシビリティ（柔軟性）の違いについて」

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