<h4>ゆかり</h4>北京駐在4年目の、4児の母です。4人目は北京で出産。 東京文京区育ち、上智大学外国語学部ロシア語学科を卒業後、静岡第一テレビに就職。 退社後日本語教師の資格を取り、ウクライナ国立ハリコフ教育大学、ATI東京日本語学校、アルファ国際学院、区立小学校などで日本語講師として勤務。 中国生活についてブログも書いているのでよろしくお願いします。 https://ameblo.jp/aosumikmama

グローバルレポート7月のテーマは「多様性」。 英語ではDiversity（ダイバーシティ）と言います。多様性とは、年齢、性別、人種、国籍や肌の色、障害の有無など外的な要因だけでなく、経験、趣味嗜好、価値観や習慣​​など内的な要素も含みます。いろいろな民族によって成り立っている外国と比べて、単一国民国家の日本ではなかなか根付くことが難しい考え方かもしれません。移民大国のアメリカでは古くから人種差別や女性解放運動がなど、社会問題を背景として差別撤廃運動が盛んに行われてきました。スウェーデンなど北欧の国々もダイバーシティ先進国として紹介されますよね。 日本でも近年では企業の人事関係ではとても重要な取り組みになっています。ダイバーシティと同様に重要視されているのがInclusion（インクルージョン）です。インクルージョンとは、「包括」「一体性」といった意味で、多種多様な人々が平等に機会を与えられるという意味になります。そこで、Soda!ファミリーレポーターのみなさんの生活する国々で、多様性を感じることについてレポートしていただきました。

<h2>中国は55もの民族で形成される多民族国家</h2>中国は多民族国家です。 国民の約92％を占める漢民族のほかに、ウイグル族、モンゴル族、チベット族、朝鮮族など55もの民族がいます。 ほとんどの少数民族が独自の言語と文字を持っており、中にはイスラム教のため豚肉を食べない民族もあります。 以前、我が家に来てくれていたお手伝いさんは回族（ホイ族・イスラム教）だったため、豚肉を食べませんでしたが、私たちのために調理はしてくれました。 夫の会社の社員さんにも朝鮮族の方がいます。その方は中国語、日本語、朝鮮語が話せます。街にはそれぞれの民族料理のレストランがあって、そのお店にはその民族の方が働いています。彫りの深さや言葉が違うのでわかります。

<h2>エレベーター、エスカレーターがなくて子連れの移動は大変だけど・・・</h2>中国の地下鉄にはエレベーター、エスカレーターがない駅も多く、階段のみ、しかも長くて急なので1歳の赤ちゃんを含む四人の子育て真っ最中の私にとって、ベビーカーで地下鉄に乗ることはとても大変です。 でも、電車に乗ると、日本ではむしろ席を譲らなければならない立場だと思われる小学生の息子ですら席を譲られます！飛行機もそうです。日本の航空会社に乗ったときは、周りの反応を気にして子どもが泣かないように神経をすり減らしましたが、中国の航空会社に乗ったときは、全く周りの視線が冷たく感じず、泣いたらどうしようとビクビクすることもありませんでした。 また、レストランでは店員さんが子どもをあやしたり遊ばせてくれ、親に食事をさせてくれます。 どんな高級なレストランでも、日本のように子連れが断られることもなく、気にすることなく入ることができます。

<h2>子は宝。子どもが健全に育つことが最優先</h2>中国語で子どものことを『宝宝(バオバオ)』と言い、まさに『子は宝』な中国。 子どもに優しく、子ども優先。子育て中の私には優しい街なのです。 北京のような都会と農村部の貧富の差は激しく、一人っ子政策下でも、農村部では二人以上の子が認められていました。一方で、北京に住んで3年2か月経ちましたが、実は車椅子や、障害を持った人を見かけたことがありません・・・。 私は4人目の子どもを去年、北京で出産しましたが、妊娠13週でスクリーニング検査がありました。日本では選択制だし、やらない人がほとんどですよね。 でも、中国では検査が標準なのです。中国ではまだまだ一人っ子が多く、産まない選択が普通に認められているようです。つまり検査をして障害があるとわかれば産まない人が多いそうなのです。 私の担当医は日本で7年勤めていたことがあり、日本語も堪能で日本のことをよく知っていたので、日本人は我慢強いと言っていました。

<h2>欧米化？の流れを感じるイマドキの中国</h2>中国では、幼少期から受験競争に勝つべく厳しく勉強をさせて、大人になったら『朝9時から夜9時まで週6日働く』という意味の『996』という言葉があるほど働きます。 そんな競争社会の中、最近では、『寝そべり族』と呼ばれる、日本でいうニートを選ぶ若者が増えているそうです。離婚率も高く、結婚しない人や、同性愛者を公表する人も増えているということです。また実は、中国でもイースターやハロウィン、クリスマスといった欧米のイベントを積極的に祝います！女性のための日が多く、男性は女性にお金やお花をよく送る習慣があります。 特にハロウィンは、幼稚園やマンションで仮装して友達の家を訪問したり、日本より熱が入っています。

少し前になりますが、中国人のアメリカ出産ツアーが話題になったことがありました。 近年は出産目的でアメリカ行きのビザを取得することが厳しくなっているようですが、娘の幼稚園のお友達にも、アメリカで生まれてアメリカのパスポートを持っている、カナダで生まれてカナダのパスポートを持っているお友達もいます。<h2>情報の規制は相変わらず</h2>ご存知かもしれませんが、中国ではGoogleやYouTube、facebookなどを開くことができません。 テレビ局もチャンネルは一つしかないため、ニュースも規制されていて、ロシアによるウクライナ侵攻についても、ロシア同様ウクライナで起きていることは日本で知るものとはかけ離れています。 中国は新ソ連であるので、戦争後はロシアを支援しようとロシア製品が売り切れ続出となりました。 日本人学校は、親が中国人の子どもも多いのですが、ロシアによるウクライナ侵攻に関して、中国ではロシア同様報道が規制されているため正確な情報が得られず、クラスでも「ウクライナが悪いからプーチンを応援する」と言っている友達もいると息子が話してくれました。社会や道徳の授業内でこの問題を取り上げるのは難しいのかもしれません。

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