<h4>ポーン</h4>生まれも育ちも仙台。牛タン＆笹かま大好き。アメリカで大学生活を過ごし、通訳の仕事をしながら旦那と出会い、結婚。専業主婦歴20余年。下は5歳児から上は大学生まで、4児の母。スターバックス発祥の地シアトル在住子育て中。（おかげでコーヒー飲めるようになりました！）チェスは初心者。クイーンになりたいポーン、ただいま精進中。

今回はアメリカからのレポートです。 日本の26倍の国土を持つアメリカ合衆国には、50もの州があります。そして日本と違って、教育行政は各州に委ねられているので州ごとに違いがあります。 一般的にアメリカの学校では学年のことをグレードと呼びます。 グレードは１～12あり、日本の小学校1年生～高校3年生にあたります。 そしてグレード1（小学1年生相当）の前、つまり幼稚園年長さんにあたる5歳をグレードK（kindergarten/キンダーガーテン）と呼び、アメリカの一般的な義務教育はこのグレードK からグレード12にあたりますが、小・中・高12年間の分け方は、地域によって異なります。日本とは違いますよね。 今回はアメリカの中でもレポーターのポーンさんが住むワシントン州の新学期のレポートです。

<h2>新学期はイベント。クローゼットの中身を一式揃える家族もいたりするのがアメリカ</h2>日本も秋の気配を感じるころでしょうか。こちら、ワシントン州も紅葉がきれいな季節になりました。日本では新年度が始まるのは4月ですが、アメリカの新年度は8月中旬から9月の上旬に始まります。私たちが住むワシントン州は、その中でも新年度が始まるのがとても遅く、9月の2週目頃に初日を迎えます。 アメリカ人は夏休みの間にBack to school shoppingと題して、新年度に向けた買い物をします。 これは学校で必要な文房具や準備ももちろんですが、洋服も全て新調するような家族もたくさんいるようです。 学校からもらってきたリストを見ながら、新学年で必要な物を揃えるのはわかりますが、おじいちゃん、おばあちゃんを伴ってクローゼットの中身を一式揃えるのではないかと言うような買い物をする人たちも少なくないのがアメリカです。 イベントごとに大きく買い物するタイミングがあるアメリカは、こうやって毎年経済が回している感じがするので、それは大きな利点かもしれません。とはいえ、まだまだ理解できない新年度の準備、色々あるので、まずは学校からもらうリストから見ていきましょう。

<h2>毎年持っていく大量のクレヨンやスティックのり・・・。日本人の母はもったいない精神が発動します</h2>うちの末っ子はまだ1年生なのでクレヨンやハサミ、のりなどが必要になります。学校で使うティッシュやジップロックの袋なども用意します。 クレヨンは2箱。娘の学校では新学年になるたびに新しいクレヨンの箱を2つも3つも持ってくるように言われます。1年が終わると使いかけのものすごい量のクレヨンを箱から出された状態で持って帰ってきます。 家にある大量のクレヨンを見るたびに、しっかりとした箱にしっかりとしたクレヨンが入っていれば何年も何年も同じクレヨンを使うことができるのに・・・ともったいない精神が発動し、心が痛みます。

大量の新しいクレヨンの必要性を理解できない私ですが、さらに理解できないものがリストにはまだまだあります。 それは15本のスティック糊です。毎年、15本から20本のスティック糊を持ってくるように学校から言われます。子ども達は学校で、この大量な糊を使い切ることができているのでしょうか。 基本的には全員、中身が紫のエルマーという糊が指定されていて用意をしています。15本も用意するこの糊、実はすぐに乾くし、粘着力も弱いので個人的にはあまり好きではありません。

<h2>糊、鉛筆、消しゴム・・メーカーが指定されるけれど、その品質は正直？？</h2>メーカー指定があるのはこの糊だけではありません。 鉛筆！ 20本も30本も用意するこの鉛筆もメーカー指定がされています。アメリカの小学校はこのオレンジ色の鉛筆が大好きなようですが、この鉛筆はHBくらいの薄さなので私は断然日本の2B 派です。 また、メーカー指定されてもっていくピンクの消しゴムもありますが、この消しゴム、残念なことに消しにくいのです。可愛くて消しにくい消しゴムは日本でも見ますが、可愛くない消しゴム・・・消しゴムとしてどうなのよとツッコミたくなりますが、同時に、日本のMONOってすごいのよ～と声を大きくして教えてあげたくなります。

<h2>「もったいない」精神は日本人の心に深く根づいていると思います</h2>学校に糊や鉛筆を必要以上に置いておくせいか、『ものを大事にする』という精神がここに住む子ども達には全く養われていません。 学校でも糊のキャップをしないで使えなくなって捨てる、鉛筆を削らないでゴミ箱に捨てる、そんな事が残念ながら日常茶飯事に行われています。 日本の小学校では6年間使い続けるランドセルと言う大きな存在がありますが、アメリカにはランドセルはもちろんありません。多くの小学生が毎年、自分の好みに合わせてバックパックと呼ばれるリュックサックを購入します。 壊れたから新しいものを買うのではなく、新学年だから新しいものを揃えると言うのが当たり前のアメリカで、日本人の私はやはりもったいないと小言の1つや2つを言いたくなってしまっています。 6年間、毎日、愛着を持って使い、登下校するランドセルに卒業時に何か想うものが生まれる子ども達も少なからずいるのではないでしょうか。 新年度に新しいものを全て買い換えるよりも、心を新たに新学年を迎える節目となるような入学式や始業式があればいいのに・・・と願うのは、私が何十年アメリカに住んでいても日本人であることに変わりがないからかもしれません。

2022年10月のテーマ「新学期」の準備

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