<h4>あかね</h4>東京都出身。3児の母。 2017年、長女が小学校2年生のときに、 旦那の仕事の都合でハワイ・オアフ島に移住。 現在、7歳女子、9歳男子、13歳女子の子どもたちは現地公立校に在籍中。 常夏の南の島から、アメリカの教育、育児についてゆるっとレポートします。

5月は『親子の距離感』について考えてみました。SNSなどでもときどき話題になる、いつまで親子でお風呂に入るのか、一緒に寝るのか問題。日本では小学生くらいまで親子一緒のお布団で寝る、いわゆる川の字スタイルがポピュラーですが、海外の映画やドラマでは赤ちゃんから子ども部屋があって、夫婦の寝室とは別になってますよね。そもそも欧米と日本では住宅事情も違いますし、もちろん家庭の事情もあるわけなのですが、海外在住Soda!ファミリーレポーターの座談会で話をしていると、その向こうに親子や家族、さらには個人のプライバシーや自立についての価値観の違いがあることに気がつきます。そしてこれは、親子の距離感だけでなく、いろいろな場面で感じることです。日々の暮らしの中で感じたことを、いろんな視点からレポートしていただきました。

ALOHA！ アメリカ、ハワイオアフ島在住6年目、3人子育て中のあかねです。今月のテーマは親子の距離感。そう聞いて真っ先に思い浮かんだのはお風呂。 何歳まで一緒にお風呂に入る？何歳まで一緒に寝る？ということは日本でもいろんな意見がありますよね。ハワイで暮らす日本人家族の我が家の場合はというとまず、一般的なアメリカの住宅では、バスタブに浸かるということがないと思います。なぜなら、そもそもバスタブもなくシャワーのみの住宅が珍しくないからです。 なので、当然『親子で一緒に入る』はないということになります。 我が家の場合、一人で体を洗ったりできるようになる小学生になるころまでは、私が服を着たまま、手を伸ばして髪や体を洗うのを手伝っていましたが、一緒に入ることはありませんでした。 でも、日本に帰ってくると、小2の娘とは、やっぱり一緒に湯船に浸かることもあります。さすがに小4の息子とはもう入りませんが。

<h2>お風呂より食事の時間が大切な親子のコミュニケーション</h2>日本で育った私は、『お風呂の時間＝親子のコミュニケーションの時間』という考えが日本にはあるのかなあ、と思ったりします。何か大事な話をするときに、湯船に浸かりながら、面と向かって落ち着いて～みたいな。私も娘とお風呂に入るときは、学校での出来事の話を聞いてみたり、娘から、あのね、あのね、と話してくれたりします。そして、そういう時間が、アメリカでは食事の時間にあたるのかもしれないなと思います。アメリカ人は、家族揃って食事をする、ということに重きを置いている気がするからです。家族で外食をするときも、単に食事をするというだけではなく、その時間に家族でコミュニケーションを取ることが大切なのではないかと。 アメリカの食卓は皆でテーブルを囲んで取り分けて食べるのですが、そういった文化も、ここからきているのかもしれません。日本ではよく、「裸の付き合いの仲だからね」と言って、一緒にお風呂に入ることで距離が近く親密な関係性を説明しますよね。アメリカではそういう文化がないため、食事の時間を大切にして親子や友人との良い距離感を保っているのかもしれません。

<h2>学校行事も『家族揃って』が最優先</h2>家族揃って、という考え方を象徴した出来事がハワイ移住早々にあったことを思い出しました。 さぁいよいよ学校が始まるという小学校の年度始めに、保護者も含めての始業式のようなイベントがありました。 Back to School Nightというイベントで、平日の夕方6時くらいに学校のカフェテリアに集まって、わいわいとした感じで行われます。 初め、どうして平日夜にやるんだろう？と疑問に思いました。 日本の学校で平日の夜に何かあるなんて考えられないですよね？ しかし、共働きの多いハワイの家庭では、この時間が家族みんなで参加できるからなんだそうです。それだけ、子どものイベントへの家族での参加を重要視しているんだな、と感じました。

<h2>家族の食事時間を大切にすることで良好な親子関係が築ける</h2>そういえば、新しくお友だちになると、すぐにディナーでも一緒にどう？と、家族を招いて一緒に食事をしながら会話をすることでお互いを知り、親しくなります。 ハワイでは友だちを誘って、家族ぐるみで、庭やプールサイドでよくBBQをしますし、POTLUCK（ポットラック）、つまり持ち寄りパーティもよくします。

特別なときだけでなく、日頃から家族揃って、という時間を大切にすることで親子のコミュニケーションをとっていると思います。当然、いろんな家庭事情がありますが、その家族でできる形で、です。ハワイはアメリカ本土から離れた島で、もちろん島内に大学もありますが、アメリカ本土の大学に進学する子どももたくさんいます。そうすると必然的に自立して親元を離れていくので、それまでは家族揃っての時間を大切にして、親子の関係性を深めておくことは、その後の良好な親子関係にも影響するのではないかと思います。一方日本では、お風呂に一緒に入れない年頃になるといきなり方法がなくなってしまうのでは？と思いました。それに代わる親子のコミュニケーション方法を考えないといけないのかもしれませんね。

2023年5月のテーマ「親子の距離感について」

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