<h4>みゆっち</h4>香港駐在2年目、2児の母。東京生まれ富山育ち。山と海と新鮮なお寿司が大好き。早稲田大学第一文学部卒業後、経済産業省に入省。夫の転勤のために退職し、2007年～2010年にロンドン、2021年～香港在住。現在はオンラインにて方眼ノート1Dayベーシック講座と10min FOCUS Mapping®初級・中級オンライン講座を開講しながら、オンラインツアーガイドと東京のFMラジオ局J-WAVEの特派員としても活動中。

残暑厳しい日々が続いておりますが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。 8月のグローバルレポートのテーマは「食」 食べるものって、日本国内でさえ、地方によって違いますよね。食には地域性が顕著に現れます。お正月のお雑煮などは良い例です。 世界に目を移すとさらに、食習慣を通して、気候風土、地理や歴史、文化の理解にも繋がります。グローバルレポートのMeet-Upでも、食にまつわる話を始めると、ネタはつきず、「え～！そうなの？！」「へええ～」と大いに盛り上がりました。今回はそんな「食」を切り口にそれぞれの生活に根ざした「食」に関するレポートです。 食べるものだけでなく、その時間や場所をどう捉えるか。そんなことを考えるきっかけになるかもしれません。

TOP写真：おかゆも香港でよく食べられています。<h2>朝ごはんも外食できる香港の茶餐庁（チャーチャーテン）</h2>皆さま、こんにちは。香港在住のみゆっちです。香港の「食」といえば、飲茶が有名かもしれませんが、茶餐庁（チャーチャーテン）と呼ばれる、ファミリーレストランの存在も欠かせません。 このチャーチャーテンのおかげで、昼ごはんはもちろん、朝ごはん、夜ごはんもすべて外食ができるほど。 共働き家庭も多い香港では、朝ごはんから外食ということも珍しくないようです。 24時間営業のお店もあるという噂ですが、近所にあるチャーチャーテンの営業時間も7時～23時となっていました。

日本ではレストランに入ると無料で冷たい水が提供されるところが多いと思いますが、香港では、温かいお茶かお湯が出てくることが多いです。 もともと香港では、「病気の治療も日常の食事も、生命を養い健康を維持するためのものであり、その源は同じ」という「医食同源」という考え方が根付いています。 そのため、暑い夏であっても、身体を冷やす食材はなるべく取らない方がいい。という考えがあるためです。 ただ、伝統的な中華料理のレストラン以外では、コーラも冷えたものが提供されますし、マクドナルドやケンタッキーなどのファーストフードのドリンクは、日本と同じように氷入りです。

最近のレストランでは、QRコードを読み込み、スマホから注文するお店が、どんどん増えてきています。 最近では、ラーメン屋さんやお好み焼き屋さん、回転寿司といった日本食のレストランでも、スマホで注文するお店が増えてきています。 スマホでの注文は、たいてい、写真付きのメニューであることも多いので選びやすく、また麺の硬さやスープの味の濃さなどのカスタマイズもしやすいので、とても便利です。

<h2>実は香港で中華料理の次に多いのは、日本食のお店</h2>香港といえば、25年前までイギリスの植民地だった影響で、西洋料理のレストランが多いと思う方もおられるかもしれませんが、実は中華料理に次いで多いのが、日本食のお店だそうです。 ホテルに入っているような高級店から、ラーメンやお好み焼き、お寿司まで、値段も品揃えも、多様な日本食が食べられます。人気の回転寿司、スシローは、平日でも1時間待ち、週末のランチタイムなどは2時間待ちという人気ぶりです。

そのため、東京都の半分ほどの人口である香港ですが、日本からの農産物の輸入は2020年まで16年連続で世界第1位をキープしていました。 自由に貿易ができる場所でもあるため、日本から輸入できない食材がほとんどないのも香港経済の特徴です。 前述の回転寿司も、お米や調味料も日本と同じものを輸入できるため、日本とほぼ同じ味を提供できていることが人気の秘密にもなっているそうです。<h2>この時期の風物詩。あちこちで配りあうたくさんの月餅。</h2>香港で1年間を過ごしてみて、季節の行事を大事にするお国柄だなぁと感じることが何度かありました。 特に、お正月もクリスマスも楽しむような日本とは異なり、中国古来の伝統を大切にしている印象があります。昨年の様子を振り返ると、クリスマスケーキはほとんど見かけませんでした。 クリスマスはイルミネーションを楽しむもの、お正月は家族がそろって伝統的な料理を囲むもの、という印象を受けました。今の時期の食べ物を言えば、何といっても、月餅（げっぺい）です。 月餅は、旧暦8月15日の中秋節の前1～2か月のみ売られるので、現在、街中、至るところで見かけます。 伝統的な味は、蓮の実の白餡に卵の黄身を4つ入れたもので、直径20cmほどのホールケーキのように家族で切り分けて食べるというものでしたが、最近では、一口サイズで個包装されたものが人気です。 味も、白餡だけでなく、カスタードやゴマ、イチジク、ナッツなど、さまざまな味のバリエーションを楽しめますし、近年は、冷やして食べる月餅も売られるようになりました。

月餅は、自分たちが食べることはもちろん、日本でいうお中元のようなかたちで、職場内やご近所同士などでも大量に配られます。 そのため、中秋節間近になると、自宅で食べきれない分をリサイクルに回す回収箱が各マンションのエントランスに設置されます。中華料理といえば、食べきれないほどの量をテーブルに用意することがおもてなしであると言われますが、大量の月餅を贈り合う様子も、同じような気持ちなのかなぁと感じています。

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