<h4>石踊 千夏</h4>大阪市出身。22歳で熱帯雨林の保護活動を夢にインドネシアに渡るが、ジャングルに出会えず数年間意味もなく放浪。2000年にバリ島で日本語学校を設立する機会を得る。長男出産を機に息子のためにと託児所を建て、やがてそれが保育園、2020年には小学校をオープンすることに。現在、9歳と6歳の双子の母親兼、校長として理想の小学校づくりに奮闘中。

日本では4月が新学期ですが、世界のほとんどの国では9月に新年度を迎えます。 6月に学年が終了し、卒園式や卒業式があり、夏休みのあと、新たな学年が始まります。日本の夏休み＝（イコール）宿題というイメージがありますが、他の国ではどうなんでしょうか。 そもそも宿題ってあるの？　月一回のオンラインMeet-Upでもそんな話が出ました。 ちなみに・・・たくさん宿題が出るのは日本特有のようです。 夏休みが終わる直前、8月末のあの切羽詰まった感じ・・・ある意味、日本の夏の風物詩でもあります。（笑）みなさんはどんな夏を過ごされましたか？海外在住Soda!ファミリーレポーターの夏休みはどんな様子だったのか。今回は夏の過ごし方についてレポートいただきました。

<h2>日本でも人気のリゾートアイランドバリ島。常夏の国に「夏休み」ってあるの？</h2>今回のテーマは夏休みの過ごし方、なのですが・・・『夏休み』と言っても常夏のバリ島は常に『夏』！！なので、いわゆる『夏休み』と呼ばれるお休みはありません。 ただ、こちらでは6月に4学期を終えるので、新しい学年の新学期が始まるまでの間、つまり6月末から7月末、または8月初旬くらいまでの間にある長い休みについて書いてみます。インドネシアの公立の学校は6月には試験期間が始まり、6月はテストばかりしている気がします。 そして7月末くらいに学校自体は始まるのですが、最初の頃はオリエンテーションや学校の掃除や何やらがあり、そうこうしているうちに8月17日の独立記念日に近づき、その頃にはその準備や行事などがあって、6～8月はほとんど授業をしていない印象です。

<h2>バリ島はインドネシアでも一番の憧れのリゾート地</h2>日本人にも海外旅行先として人気のバリ島。インドネシアでも一番のリゾート地なので、インドネシア人であれば一度は訪れたい憧れの島。 インドネシアの人だけでなく、お隣の国オーストラリアの人にとっても、国土の広いオーストラリア国内を旅行するより、エリアによっては、逆にバリ島に来る方が近くになるケースもあります。 また、彼らの国の物価に比べると、バリはずっと安くもあるので、オーストラリアからの観光客が昔からとても多いのです。 もちろんヨーロッパからの観光客も多く見かけるのですが、半裸状態でビール片手に裸足で歩いてるのはほぼ確実にオーストラリア人ですね 。（笑）

さて、バリ島にはビーチがいたるところにあり、子どもも大喜びなビーチクラブやアクティビティもいっぱいありますが、いくらビーチが近いからといえど、庶民はそんなところで毎日散財することもできず、学校が長期休みになると、まだ一人で遊びに行けない子どもを持つ親が頭を抱えるのはどこも一緒なのかもしれません。 そんな保護者のために、サマーキャンプ（乾季でサマーではないのだけど、なぜかそう呼ぶ）を開催する学校も多いです。私の学校でも毎年、開催しています。 私たちのように在住外国人は、この学校の長期休みの時期に本国に家族で帰ることも多いのですが、今年はコロナ禍のせいで帰国できずにバリ島で休暇期間をやり過ごさなければならなかった子どもたちが、私の学校で開催したサマーキャンプにも通年より多く来てくれました。

<h2>コロナ禍で静けさを取り戻したバリ島のこれから</h2>バリ島もやっと最近になり外国からの観光客も増えてきました。 といっても、コロナ禍前に比べるとまだ全然元に戻っているわけではないのですが、この2年あまりのバリ島は、以前ならあちらこちらで発生していた、どうしようもない慢性の渋滞にイライラすることもなく、赤く肌を焼いた浮かれた観光客たちも、大型観光バスも消え、ビーチもにも人がほとんどいない穏やかな時間が流れていました。 そんな経済的には苦しいけれど、静かで平和なバリ島に慣れ、心地よさを感じるようになってしまった今、元のクレイジーな状態に戻りつつあるこの現状を複雑な思いで受け入れている人たちも多いようです。

そして、このコロナ禍でものすごく目立って増えたのが国内の富裕層の人たち。 外国旅行に行けなくなった彼らの唯一の目的地になったバリ島。コロナ禍なんて彼らには何の関係もないのでしょう。 高級ホテルを何週間にもわたって貸し切り、いけてるレストランやそれまでは外国人しか行かなかったようなおしゃれスポットなどにも、洗練されたキラキラした人たちが本当に多くなって、最近では以前のように日に焼けたよれよれなラフな服装のまま、外出したらこちらが恥ずかしく感じてしまうケースも増えてきました。 とはいえ、日本よりはまだまだましで、帰国して空港から出たとたんに、バリ島では一張羅だった服もくたびれて見え、体臭まで匂っている気がして、大焦りすることは毎度のことで・・・。 今年はやっと年末に帰ろう！と予定しているのですが、おまけに冬服だし、そのことを考えるとちょっと憂鬱になり始めているこの頃です。

2022年9月のテーマ「夏の過ごし方」

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