<h4>石踊 千夏</h4>大阪市出身。22歳で熱帯雨林の保護活動を夢にインドネシアに渡るが、ジャングルに出会えず数年間意味もなく放浪。2000年にバリ島で日本語学校を設立する機会を得る。長男出産を機に息子のためにと託児所を建て、やがてそれが保育園、2020年には小学校をオープンすることに。現在、9歳と6歳の双子の母親兼、校長として理想の小学校づくりに奮闘中。

外務省の世界の学校を見てみよう！（注1）というページによると、インドネシアの教育制度は日本と同じように小学校6年間、中学校3年間が義務教育とされているそうです。その後も日本のように高校3年間や大学などの高等教育と続くとのこと。驚いたのは、小学校、中学校、高校すべての段階で卒業するための統一国家試験が実施されるらしいです！基準点が設けられ、それを下回ると学校を卒業することができないこともあるとのこと。高校は赤点をとったり出席日数が足りないと留年する場合がありますが、小学校からとは！なかなか厳しいですよね。以前石踊さんのレポートにもあったように、インドネシアは異宗教の多民族国家なので、学校の種類もさまざまなようですから、一定の基準を設けなければならないのかもしれませんね。注1：<a href="https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/indonesia_2014.html">https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/indonesia_2014.html</a><h2>インドネシアの学校には卒業式も入学式もないけれど、独立記念日は校庭に整列します。</h2>インドネシアの新学期は私立は学校によって多少前後しますが、公立だとたいてい7月の2週目の月曜日からになるようです。ちなみに、インドネシアの学校では終業式や始業式はありません。実は、インドネシアでは小学校になる年齢が、去年までは6歳からだったのが、今年から7歳にならないと小学生に進学できなくなりました。 保育園と小学校の子どもたちの成長を身近で見て、日々実感している私の学校の先生たちも、6歳で進学するのはまだ早いと話しています。私も同意見ですかね。しかし私の学校は私立で、いろいろな国の子どもがいるので、自国の基準にあわせて進学を望む保護者さんも多く、6歳になる年齢で小学校に入ってきます。 我が家の双子は2016年の4月生まれなので、日本の学校だと今年の4月に幼稚園の年長さんになる学年でした。日本では来年の4月に小学校入学になるのですが、こちらではその数か月後の今年7月には小学校に進学することになったので、まだまだ遊ばせてやりたいよね～って思ってしまいます。

<h2>新学期には、ランドセルの代わりにほうきを持って登校。学校の掃除をする習慣があります。</h2>

インドネシアの公立の学校はエリアによって差はあるようですが、基本は小学校、中学校の義務教育の間は無料なようです。バリ島でも財政が豊かな地域では、中学校からパソコンが無料配布されるようです。 インドネシアは子どもの数が多いので、一般的に1クラス最低でも30人はいるようで、さらに午前、午後の2部制の学校もあったりします。友人のお子さんが通っている公立の小学校は2部制で、午前は7:30-11:30、午後は12:00-16:30で授業があるらしいです。日本よりも授業時間が短いですね。新学期の風物詩としては、日本では小学1年生は大きめの新しい肩幅が張った制服に、ピカピカのランドセルを背負ってるっていうイメージがありますが、こちらでは新学期に子どもたちは学校の掃除をするようで、ほうきを持った子どもが通学路で見られると、新学期なのかなぁっと思ったりします。&nbsp; &nbsp;<h2>バリ島ではインターナショナルスクールが大人気。受験戦争はないけれど・・・</h2>インドネシアも一応学歴社会なので、インドネシア国籍の人は毎年日本でいう実力テストみたいな試験が定期的にあり、卒業資格を得るための試験が卒業前にもあります。受験というものがあるようで、成績によって入れる学校が決まったり、成績が悪ければ入れる公立がないという話もききますが、日本の受験戦争のような激しさは感じません。なかでもバリ島の学校選びはちょっと特徴的です。外国人や外国人と結婚した人たちも多いので、そういった家庭の子どもたちが通うようなインターナショナルな学校が大小たくさんあります。そして、そのような学校に入学するのに基本、入学テストの様なものはありません。とはいえ定員があり、また小学校、更に中学校、高校と学年が上がるにつれ、インターナショナルな学校の数も限られてくるので、入学するタイミングを失うと、気がついたら通える学校がなく、随分焦ったという話も聞いたことがあります。そのため、小中高の一貫校に人気が集まり、人気のある学校にはウェイティングリストがあって、妊娠した時点で、通わせたい学校のリストに入れてもらうというようなこともあるようです。

話は新学期からは外れるのですが、11月15日からバリ島でG20が行われます。その為、去年あたりから環境整備が急ピッチに進められ、「いや、どう考えても間に合わないよね」なんて思いながら工事現場のそばを通ることも多かったですが、G20が開催されている期間中は大統領命で、冠婚葬祭は延期、ゴミ出し禁止、凧あげ禁止（なんじゃそりゃ。笑）、出勤はせず在宅勤務、学校もオンラインにするようにという通達が届いてしまいました。 それに従い私の学校からも休校のお知らせを保護者のみなさんに送ったらコンプレイン（苦情）の嵐が巻き起こりました・・・。文句があるなら政府に言ってくれと言いたいところですが、このままだと大統領に従わず、保護者さんに従うことになりそうです・・・この国際会議では、ロシアとウクライナの停戦に向けての話し合いも行われるそうで、この神々の島とも呼ばれるバリ島という舞台で、各国の対話が平和に向けていい方向に進むことを切に願っています。

2022年10月のテーマ「新学期」の準備

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