<h4>石踊 千夏</h4>大阪市出身。22歳で熱帯雨林の保護活動を夢にインドネシアに渡るが、ジャングルに出会えず数年間意味もなく放浪。2000年にバリ島で日本語学校を設立する機会を得る。長男出産を機に息子のためにと託児所を建て、やがてそれが保育園、2020年には小学校をオープンすることに。現在、9歳と6歳の双子の母親兼、校長として理想の小学校づくりに奮闘中。

そろそろクリスマスや年末年始を意識する季節。 そこで、今月は各国のプレゼント文化についてレポートしてもらいました。 みなさんは、お誕生日、父の日、母の日、そしてクリスマス…プレゼント、どうしてますか？実は日本と海外では『プレゼント』に対する価値観が違ったりします。 お国柄やファミリーレポーターの方々の家庭事情などが垣間見えるレポートです。

もうすぐ息子の11歳の誕生日です。 我が家では、クリスマスはめんどくさがり屋の私の方針で、子どもたちには小さいうちから「うちにはサンタさんは来ないよ」と夢のないことを言っているので、子どもたちがプレゼントをおねだりできる機会は年に一度の誕生日だけになっています。 そして、大抵そのチャンスを誕生日までは待ちきれず「今度の誕生日プレゼントでいいから」と数か月も前から何か買ってあげています。そしてもうひとつ誕生日に考えなければならないのは、彼らのための誕生日パーティー。 私の子どものときは誕生日パーティーをしてもらった記憶も定かではないですし、したとしても所詮、お家で親しい友だち数人とこじんまりに祝うくらいだったと思います。 でも、こちらのインターに通っているような子どもたちは、どこかのビーチレストランや子ども用の施設で誕生日パーティーを開きます。 規模はまちまちですが、裕福な家庭では保護者も招待して、大盤振る舞いをしてくれる場合もあります。

ひと付き合いの苦手な私は、ホスト役を務めるのも気が進まず、招待状に「子どもだけ連れてきてくれて大丈夫です」と、暗に「できるなら来ていただけない方が…」と含んだメッセージを添えたりすることもあります（苦笑）。

子どもたちが招待されることもよくあります。そのとき困るのが用意するプレゼント。日本人なら、相手のことも考え、数週間前から招待状も送ったりすると思うのですが、こちらでは数日前は当たり前、ときには「今日の放課後に」なんていうのもあって「あまりにも急すぎるやろ、プレゼントもらう気ないな」と思うこともあります。

子どもにとってはすごく楽しみなプレゼント。 特におもちゃなんかはやはり大喜びで、プレゼントが銃や弓など武器だらけだったり、使いにくそうで洗いにくそうな、かなりゴテゴテと、かわいらしくデコされたボトルなど、はっきりいって親にとってはうれしくないものが主流。なので私がいつもプレゼントに選ぶものはユニクロかバスタオルなど。きっと、子どもにとってはいまいちな物なのかもなのですが… &nbsp;<h2>バリ島の宗教的お祝い儀式</h2>

バリ島の多くを占めるヒンドゥー教には、お祝い事の宗教儀式がいくつかあります。 まず、赤ちゃんが生まれて、へその緒が取れたことを祝います。 次にバリ島では産後42日間は母子ともに不浄期間とされているので、それが明けるバリ島ウク暦の1か月と7日（42日）間後のお祝い。そして、バリ歴では3か月（105日間）後にこの世に魂が移ってきたことを祝う宗教儀式があります。その日は大量のお供え物が用意されます。この間も、孫のお祝いの儀式があったとお隣さんからおさがりの果物やお菓子などが大量に届き、慌てて赤ちゃんのためのプレゼントを買いに走ってきました。もうひとつ彼らにとってとても大切な宗教儀式のひとつに『ポトン・ギギ』と呼ばれるものがあります。 この儀式は主に青年期に達した若者に対して行われますが、経済的な理由で先延ばしになり、自分の結婚式のタイミングでまとめて行う人もいるようです。

この儀式は精神的な浄化と悪いエネルギーを取り除くために行われ、上下の犬歯がお坊さんによって少し削られます。バリ人と結婚した私の日本人の友人も、結婚式の際にこの儀式を通過しなければならなかったそうですが、近所の人が大勢見守る中、大きな口を開けさせられて錆びついたやすりで犬歯をゴリゴリと削られるという貴重な経験を、笑い話のひとつとして聞いたことが何度かあります。因みに、私の旦那はイスラム教なのですが、ほとんど宗教要素のない生活をしており、そのせいで私もあまりイスラムのカルチャーに触れることはありません。 イスラム教徒の宗教的に大事な儀式のひとつである『割礼』は主に幼少期に行われるのですが、イスラム教徒の男子であれば通過しなければならない儀式のようで、それだけは旦那も気にはしているようです。 でも、「あそこを切るなんてできるわけがない！！」と息子は未だに全力で拒否しています。

2024年10月のテーマ「プレゼントについて」

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