<h2>みっちー</h2>イギリス北部スコットランドの小さな町で、スコットランド人の主人と長 女（8歳）と長男（4歳）の4人で暮らしています。海と山に囲まれた自然いっ ぱいの片田舎から、現地のリアルな教育・子育て事情をお届けします!

『違いを知ってつながる』をキーワードに、さまざまな国や民族の教育事情を紹介するグローバルレポート。毎月ひとつのテーマを設定し、各国からレポートしていただきます！ 4月のテーマは「学校を比べてみた」 それぞれのお国柄が垣間見える楽しいレポートです！ &nbsp;

<h2>イギリスでは４つの地域で教育システムが違います</h2>イギリスは1つの国でありながら、イングランド、ウェールズ、スコットランド、そして北アイルランドがそれぞれ独自の教育システムをとっています。スコットランドの小学校は1年生（4～5歳）から7年生（11～12歳）までの7年制です。 小学4年生（8歳）の長女が通っているのは、そのスコットランドにあるごくごく普通の公立小学校。全校生徒数は480人（2020年8月末時点）で、スコットランドでは規模の大きい小学校に分類されます。各学年の生徒数は約60～70人ほど、1クラスは20～35人ぐらいのサイズです。まず4～5歳から小学校が始まることに驚きましたが、長女が小学校生活を送っていく中で、日本の小学校と違ったカルチャーショックもたくさんありました。

<h2>時間割表がないことにびっくり</h2>1番最初に驚いたことは、時間割表がないこと！ ここでは、スコットランド政府の定めたカリキュラムを網羅しながら、各教師が自由に日々の時間割や学習プランをデザインします。1日に何科目詰め込むか、1教科に何時間使うか、どんな順番で1日を進めるか、などはすべて教師次第。生徒が飽きないよう絶妙なさじ加減で毎日の学習プランをつくる先生たちには脱帽です。 「時間割表がないから学校への持ち物がわからない～！」と入学当初は困惑しましたが、学校で使う教科書もノートも鉛筆もすべて学校が提供してくれます。なので翌日の時間割を見て、持ちものを用意する必要はありません。いつも宿題や水筒なんかを鞄に入れて登校します。 小学校で学ぶ科目も、日本とは少し違います。 道徳や生活、音楽のような科目はなく、算数、文法、クリエイティブライティング（作文、作詞）、ハンドライティング（日本の書写に近い）、スペリング（綴り）、リーディング、ヘルス＆ウェルビーング（保健）、体育、デジタル（コンピューター）などが主な科目です。 その他に「トピック授業」と呼ばれる、1つのテーマを時間をかけて深く勉強する授業もあります。トピックになるテーマは科学や社会から選ばれます。長女は4年生になってから、しばらくは「アステカ文明」（歴史）について1ヶ月半ほど学習していました。現在のテーマは「ヨーロッパ」（地理）で、ヨーロッパの国々や文化を学習しているようです。

<h2>できる限り生徒ひとりひとりの能力に寄り添うスタイル</h2>

&nbsp;そして、こちらの学校で1番驚いたのが、クラス内で学力や能力によって3～4のグループ分けをして授業を進めることです。 例えば、算数の授業でも、1つのグループは足し算をし、隣のグループでは繰り上がりのある足し算・引き算をし、さらに別のグループでは九九をしている、というような感じです。グループ分けがあるのは算数やスペリング、リーディングなど特定の授業で、グループによって使う教科書や教材も変わってきます。 グループはいつも「〇グループ」「△グループ」「□グループ」のように能力・学力の優劣が出ないような名前で呼ばれます。 学校として、できる限り生徒１人１人の能力に寄り添って、個人個人の「できた」「できるようになった」「もっとチャレンジしたい」を大切にしている印象です。

<h2>「ここが良い！」「ここが不満！」学力グループ分けに対する保護者の声</h2>私個人が最初に学力グループ分けに対して思った感想は「クラス全体で同じことをしないの？！」という驚きでした。また小学校1年生の段階から学力によってレッテルを貼ることに近い気がして、子どもへの影響についても考えてしまいました。しかし子どもの能力を伸ばせるとかんがえると、親としては嬉しい…。この話をほかの保護者としてみると、いろいろな意見が聞こえてきました。

&nbsp;ひとり一人違って当たり前。みんな得意・不得意があって当然。子どもの学力に寄り添った授業スタイルの教育文化や、個性を受け入れるという文化には好感を持ちました。 一方で、自分の子どもが学習面で自信を失くしたりする姿は見たいものではありません。自分の子どもがどのグループに入ろうとも、周りと比べるのではなく、その子の個性や成長、がんばりを親が肯定してあげることが大切なのかなあ、と思いながら見守っています。

2022年4月のテーマ「学校を比べてみた」

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