<h2>みっちー</h2>イギリス北部スコットランドの小さな町で、スコットランド人の主人と長 女（8歳）と長男（4歳）の4人で暮らしています。海と山に囲まれた自然いっ ぱいの片田舎から、現地のリアルな教育・子育て事情をお届けします!

グローバルレポート2月のテーマは「世界の時間割事情」 学校には必ず時間割があると思ってませんか？ いえいえ、実は世界には時間割がない学校もあります！ ということで、各国の時間割、レポートしてもらいました。

「今日は学校でどんなことお勉強したの？」毎日、子どもを迎えに小学校へ行くと、まず最初に聞くのがこのフレーズ。私も最初は驚きましたが、スコットランドの小学校には時間割がないのです！ しかも、教科書を含めた教材は、全て学校が提供してくれます。 そのため教科書もノートも通常は学校に置きっぱなし。子どもに聞かない限り、学校での授業内容はとてもわかりにくいのです。 &nbsp;<h2>毎日変わるスケジュールと時間割は各教師がデザインします</h2>日本の小学校のような決まった時間割が存在しないスコットランド。その代わり、政府の定めたカリキュラムを網羅しながら、教師一人ひとりが日々の時間割をデザインします。 「1日に何科目詰め込むか」「どんな順番で1日を進めるか」「一つの科目に何時間費やすか」は 各教師に委ねられ、1日のスケジュールは日々変わります。&nbsp;

小学校生活は毎日が変化の連続。 例えば、クラス全体がとてもいい学びの雰囲気の場合は、臨機応変にその時間を延長したり、逆にクラスのモチベーションが低いときは早めに切り上げて、別の科目に移ったり・・・。 「時間がなくて今日は算数できなかったから、明日します！」なんてこともよくあります。 &nbsp;<h2>小学5年生のある日の1日</h2>小学5年生の長女は、こんな感じで1日を過ごしています。 &nbsp;

8:45　登校・ホームルーム 出席や給食のオーダー、連絡事項を確認。9:00　算数 いま学んでいるのは小数の計算。 スコットランドのお金「ペンス」と「ポンド」を使って、お買い物ゲームをしながら小数の計算を練習しています。 算数ではワークブックを使うこともありますが、ボードゲームや iPad のゲームなどで遊びながら学ぶことが多いです。 10:15　休み時間 スナックを食べて、友達と遊びます。10:30　国語 長女の大好きなリーディングの時間。 今は「Kensuke's Kingdom」という本を教材として使用中。 長崎の原爆がテーマの物語で、中には日本語も出てくるよう。 日本語も話す長女は、クラスで日本語の発音を見せてあげたり、意味を説明してあげたりしているようです。

12:00　給食・昼休み 給食は校内にある食堂で食べます。食べ終わった人から、昼休み突入。12:45　トピック授業 長女のクラスは「スコットランドの偉人」というテーマを扱っています。 &nbsp;現役で活躍しているアスリートや政治家から、歴史上の人物まで、インターネットで調べたり、パワーポイントをつくったり・・・。 &nbsp;数週間後には、自分が調べた「スコットランドの偉人」についてプレゼンテーションするのだとか！14:45　下校<h2> 教科書を使うのは国語の文法とリーディング、算数のワークブック</h2>小学校で学ぶ科目は算数、国語（英語）、体育、デジタル（コンピューター）、ヘルス&amp;ウェルビーング、トピックなどがあります。 生活や道徳といった科目はありません。&nbsp;

ユニークな科目として挙げられるのは「トピック授業」！ これは、理科や社会などの分野から一つのテーマを決めて、深く学んでいく授業です。 現在、長女は「偉大なスコットランド人」というテーマで、今でも活躍する現役アスリートや政治家から、歴史上の人物まで学んでいるのだそう。国語のクラスは、ライティング、文法、スペリング、リーディング、ハンドライティング・・・とさらに細かく分かれています。

教科書があるのは国語の文法とリーディング、そして算数のワークブックぐらい。 低学年のリーディングで使用するのは「Oxford Reading Tree」というシリーズで、スコットランドの多くの小学校が採用している教科書です。高学年になると、普通の文学作品を扱うようになってきます。 &nbsp;<h2>モチベーションやクラスの雰囲気に応じて臨機応変に変わる時間割、実は当然のことなのかもしれません</h2>「日本の小学校もスコットランドもあまり変わらないだろう」と考えていた私でしたが、いざ子どもが小学校に入学すると、時間割表はない、宿題で家に持って帰ってくることがない限りは教科書も見れない、どんな科目を何時間勉強しているのかもわからない・・・。 いつも家族や周りの友人に小学校について聞いてまわったものです。最初は戸惑いを隠せませんでしたが、学校生活に限らず、大人の生活だって毎日同じではありません。 「子どもたちのモチベーションやクラスの雰囲気も毎日変わるものだ」と思えば、教師が臨機応変に時間割を変えたり、決まった時間割が存在しないことは特別驚くようなことではないのかもしれない、と思うようになりました。

そういうわけで、毎日子どもをお迎えに行った帰り道は「今日は学校でどんなお勉強したの？」という話題が我が家の日課。現在、スコットランドの偉人について学んでいる長女は「アレクサンダー・フレミングって知ってる？ペニシリンを発見した人だよ！」「水洗トイレのS字排水管を考案したのもスコットランド人だよ！」「電話を発明したのは、アレクサンダー・グラハム・ベルって人でね～」と帰り道に話してくれます。親の私も知らないことがたくさんで、勉強になってます（笑）

2023年2月のテーマ「世界の時間割事情」

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