<h2>みっちー</h2>イギリス北部スコットランドの小さな町で、スコットランド人の主人と長 女（8歳）と長男（4歳）の4人で暮らしています。海と山に囲まれた自然いっ ぱいの片田舎から、現地のリアルな教育・子育て事情をお届けします!

算数は計算だけではなく、数の概念や数学的思考など奥が深い教科。 （「<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-230210/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">教育のアレコレ</a>」参照）外国ではどんなふうに算数を勉強しているのか、レポートしていただきました。 それぞれの国の学習方法には、算数という教科に対する捉えかたが反映されています。 みなさんの家庭学習のヒントになるかもしれません。

お恥ずかしながら、学生時代に1度、数学のテストの点数が悪すぎて補習への招待状を受け取ったことがあります（恥）それぐらい私にとって算数・数学は子ども時代の苦手科目。「子どもに私の算数力が遺伝しませんように！！」なんて願ったものです。（そして、今も願っています。笑）そんな我が家の子どもは、二人とも算数大好きっ子。なんだかスコットランドの算数って、すごく楽しそうな雰囲気なのです。 &nbsp;<h2>保育園から算数の学びが始まります。まずは数の概念から。</h2>スコットランドの算数は、就学前からスタート。3歳からはじまる保育園では、みんなで数を数えたり、ヌミコン（Numicon）と呼ばれる四角いプラスチック板に穴が空いたツールを使って、遊びながら数の概念を学びます。&nbsp;

子ども一人ひとりの能力に合わせて、できそうであれば簡単な足し算や引き算、割り算をすることも。

<h2>小学1年生で行う「ナンバーボンド」数字を分解するという考え方</h2>そして、小学校がはじまると、数字の書き方や、数の順番、数の概念など算数の基礎からはじまり、足し算・引き算を学びます。 足し算や引き算ができるようになると、力を入れて行うのが「ナンバーボンド」という学習。

普通の足し算は「5+4=9」のように「5」と「4」を足して「9」という一つの答えを導き出します。対して「ナンバーボンド」というのは「9」という数字を最初に与えられ、これを分解していく、という学習。 「9」を二つの数字に分解すると、「1+8」「2+7」「3+6」……と、複数の答えが出てきます。 この「ナンバーボンド」の学習がスコットランドの小学1年生の算数では、とても大切に扱われます。そして先生は、この頃から生徒数人に「どのようにして答えにたどり着いたか」「どういう順序で答えを導き出したか」をみんなの前で聞いていきます。 これは、高学年になっても続けられるスコットランドの算数授業のあるある風景。「自分の思考を頭の中で順序立てて整理し、自分の言葉で表現する」と同時に、他のクラスメイトに「いろんな解き方がある」「一つの答えに辿り着くまでに、いろんなルートがあっていい」ということを認識させるためなのだそう。 こういうところを見ると「計算力」だけに力を入れるのではなく「考える力」を養うことにも重きを置くこちらの教育文化が垣間見えるような気がします。<h2> ゲームや学習ツールで楽しく学ぶ授業がスコットランド流</h2>小学1年生の算数は教科書を使うことがほとんどなく、ゲームやヌミコンなどの学習ツールを使って行われることがほとんど。&nbsp;

特に最近は、学校でもコンピューターやタブレットが当たり前のように使用されるため、楽しみながら繰り返し練習ができる教育向けのゲームは毎日のように授業で使われています。

よく使われているのが「Sumdog」「Topmarks」「EducationCity」という三つのゲーム。 校内や、ときには市内でオンラインゲームの大会まで行われるほど、スコットランドではお馴染みの教育ゲームとして定着しています。コロナ禍でロックダウンになったときも、このゲームたちにはとてもお世話になりました。小学校中高学年になると「TeeJay Maths」という教科書を使うこともありますが、日本の教科書のようにいつも使うことはありません。

<h2>算数力アップにオススメの「シャット・ザ・ボックス」は我が家の定番</h2>「子どもの算数力を伸ばす方法ないかな？」と周りに聞いてみると、現地の数学の先生たちがオススメするのが「シャット・ザ・ボックス（Shut The Box）」という古いゲーム。

自分の手元には1から10の数が書かれたタイルがあり、出たサイコロの目のナンバーボンドを自分で選んで閉じていきます。すべてのタイルを最初に閉じた人が「シャット・ザ・ボックス！」と叫んで勝利、というシンプルなゲームです。上の子が小学1年生のときから我が家はこのゲームで遊ぶことが多くなりました。5歳半になる下の子も最近、少しずつシャット・ザ・ボックスで遊び始めています。<h2> 楽しく、伸び伸びと学ぶことの大切さを感じます</h2>

典型的な文系人間の私は、子ども時代、算数学習の計算力や計算スピードが重視されたり、「正しいやり方」で「一つの正解を導き出す」ことを退屈に感じていたのかもしれません。スコットランドの算数の授業には「楽しく学ぶ」ことや「もっと伸び伸びとプレッシャーなく学ぶ」ことに関して、いくつかのヒントが転がっているように感じています。

2023年3月のテーマ「算数の学習事情を比べてみた！」

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