<h2>みっちー</h2>イギリス北部スコットランドの小さな町で、スコットランド人の主人と長 女（8歳）と長男（4歳）の4人で暮らしています。海と山に囲まれた自然いっ ぱいの片田舎から、現地のリアルな教育・子育て事情をお届けします!

12月のテーマは「世界の本と読書事情」。 今年も残すところあと1ヶ月。仕事に家事、何かと気忙しい年末ですが、年末年始は家族の時間でもあります。 お子さまと本を読む時間をつくってみてはいかがでしょうか。 海外在住Soda!ファミリーレポーターのみなさんには、下は5歳から上は大学生まで、幅広い年齢のお子さまがいらっしゃいます。 各国で子育て中のみなさんに、お子さまが好きだった本や、おすすめの本を紹介してもらいました。 英語の勉強に役立つ本もありますよ。ぜひ参考にしてみてください。

日本語でも英語でも「本の虫（bookworm）」という言葉がありますよね。我が家の子どもたちがまさにこれで、朝ごはんを食べたら読書。 学校に行く準備をしたら、家を出るまで読書。 帰宅したら読書。夜寝る前も読書。テレビを見たり、音楽を聞くのと同じように、本を読むことが生活の一部になっています。

日本と同様、スコットランドでは小さいころから読み聞かせが推奨されていたり、小学校に入ってからも読書をとても大切にしていたりするイメージがあります。しかし、最近はゲームやテレビ、ネットなど本以外の娯楽も増えているせいか、読書の習慣を持たない子どももたくさんいるよう。<h2> 本や読書が根付く土壌がスコットランドにはあります</h2>

こちらで本の世界への扉が開かれるのは、赤ちゃんのころから。スコティッシュ・ブック・トラスト（Scottish Book Trust）というチャリティー団体の活動で、スコットランドの子どもたちは生後8週、18ヶ月、3歳、小学校1年生のときに無料で絵本がもらえます！（乳幼児期の定期診断の際にもらえるのが一般的）このスコティッシュ・ブック・トラストは、スコットランド全土の図書館で読み聞かせを行ったり、読書に関するさまざまなイベントも頻繁に開催しています。また、スコットランドの首相が子どもたちに読書を推奨する「首相リーディング・チャレンジ」（First Minister Reading Challenge）というイベントも、スコットランド全土の学校と学生を対象に毎年開催されています。

我が家の子どもたちが通う現地小学校では毎日「読書タイム」があります。 1日に2回ある読書タイムのうち1回は登校後の10分。2回目の読書タイムは昼休み後の10分です。また、授業中でも練習問題やアクティビティなどを早く終えた生徒に対して、先生が言うのは「本読んでほかの子が終わるのを待ってて」の一言。とにかくたくさん本を読みます。 &nbsp;

そして、長女のクラスで現在行われているのが「リーディング・チャレンジ」。 リストに書かれた本を読んだら、そこにチェックを入れていき、クリスマスまでにどれだけリストを消していけるかチャレンジしているそう。リストに入っているのは、・100年以上前に書かれた本 ・映画化やテレビ化された本 ・自分の名前(ファーストネーム)と同じ作家が書いた本 ・クリスマスをテーマにした本 ・詞の本 ・頭韻法を用いたタイトルの本 ・自分の親が子どものころに読んだ本など20項目。このようなリーディング・チャレンジは毎年のように学校で行われています。<h2> 就学前にボロボロになるまで読んだ絵本3選</h2>小さいころから読み聞かせをしていた我が家。 好きな本や思い出深い本を語り始めると、枚挙にいとまがありません。その中でも、日本語に翻訳されている絵本を厳選して3冊ご紹介します！<h3>1）We're Going on a Bear Hunt&nbsp; 　（邦題：きょうはみんなでクマがりだ／著：マイケル・ローゼン）</h3>

1冊めはマイケル・ローゼンの「きょうはみんなでクマがりだ」です。こちらでは「ベア・ハント」という愛称で親しまれていて、子どものいるご家庭で知らない人がいないのではないかというぐらい有名な絵本です。<a href="https://www.youtube.com/watch?v=0gyI6ykDwds" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Michael Rosen performs We're Going on a Bear Hunt</a>「でっかいクマをつかまえるぞ！」と晴れた日にクマ狩りに出かける一家のおはなし。 この絵本はわらべうたがもとになっていて、英語で読むととてもリズミカルでテンポよく読める1冊です。保育園で必ず使う絵本と言っても過言ではありません。 &nbsp;<h3>2）Frog and Toad （邦題：がまくんとかえるくん／著：アーノルド・ローベル）</h3>

私自身が子どものころ大好きだった「がまくんとかえるくん」シリーズ。本シリーズの「お手紙」は日本でも小学校の国語の教科書に採用されている名作です。 とても優しく、ユーモアあふれるがまくんとかえるくんの友情物語は、子どもが暗記してしまうほど読みました。いまでも子どもにとっては思い出深い1冊のようで、大切に置いています。 &nbsp;<h3>3）Winnie the Pooh （邦題：くまのプーさん／著：A.A.ミルン）</h3>

イギリス児童文学の名作中の名作「くまのプーさん」。ディズニーキャラクターとしてお馴染みのプーさんですが、絵本としても最高です！ 子どものころの自分に出会えるようなあたたかい1冊で、我が家では子どもだけでなく大人の私たちも喜んで読み聞かせしました。特にプーさんとその仲間たちが川に小枝を投げる遊びは、子どもたちのお気に入りでした。近所の川で「プーの小枝投げ（Poohsticks）して遊ぼう！」と毎日遊んだのは、幼少期の素敵な思い出。絵本と併せてディズニーの「くまのプーさん」も見て、物語の中に収録されている歌も楽しみました！<h2> スコットランドの小学生が10歳までに読む人気の児童書3選</h2>小学校に入学し、読み書きのスキルがついてくると親の読み聞かせ習慣は自然に消えてゆき、子どもは自分で本を読むようになりました。中でもスコットランドの小学生の多くが読んでいる大人気の本があります。 &nbsp;<h3>1）Tom Gates （邦題：トム・ゲイツ／著：リズ・ピーション）</h3>

一つめは、英国内で数々の賞を受賞し、テレビ化もされたリズ・ピーション作「トム・ゲイツ」。イギリスのごく普通の小学生の日常を描いた作品です。 手書き風のフォントで書かれた文章と、イラストが多く挿れられているのが特徴です。長女のクラスメイトの中で読んでいない人はひとりもいないというほどの超人気作。続編も続々と発売されています。 &nbsp;<h3>2）Diary of a Wimpy Kid （邦題：グレッグのダメ日記／著：ジェフ・ケニー）</h3>

「トム・ゲイツ」と似たような作品で、アメリカの小学生の毎日を日記スタイルで綴った世界的ベストセラーが「グレッグのダメ日記」。映画化もされています。「グレッグのダメ日記」や「トム・ゲイツ」のような、コミックと文学作品の間のようなスタイルの書籍が最近の小学生のトレンドになりつつあるのかなぁ……なんて感じています。 &nbsp;<h3>3）Harry Potter （邦題：ハリー・ポッター／著：J.K.ローリング）</h3>

最後は言わずと知れた「ハリー・ポッター」。私がハリー・ポッターの本をはじめて読んだのは中学生のときだったと記憶しています。 カタカナばかりの固有名詞に苦労しながら読んだ気がするのですが、スコットランドでハリー・ポッターを読み始めるのは小学校3年生ごろ（7～8歳）からです。 私も最初は「え！7歳でこんな分厚い本読むの？！」と驚きましたが、長女は「周りのお友だちが読んでて、みんなその話するから」と全7冊をアッサリと読み終えてしまいました。実はハリー・ポッターの作者J.K.ローリングはスコットランド人。 J.K.ローリングが最初のハリー・ポッターを書き上げたという喫茶店が首都エディンバラに残っています。<h2> 我が家の読書習慣</h2>

我が家は子どもだけでなく大人も読書を楽しむ読書一家で、私も夫も年間40～50冊ぐらいの本を楽しんでいます。子どもにも読書の魅力を伝えるべく、赤ちゃんのころから夫婦で読み聞かせをしてきました。バイリンガル育児をしてきたため、私が日本語で、夫が英語で読み聞かせをし、同じ絵本を2カ国語で楽しむこともよくありました。いまでも、月に2回図書館へ子どもを連れていくのは我が家の大切な習慣。 また、夫婦間のルールで「本にお金を使いすぎるということはないので（読書にはそれだけの価値があるので、お金の無駄にはならないという意）、子どもが本を欲しがったらいくらでも買ってあげる」というスタイルを貫いています。クリスマスのは予め用意していたプレゼントのほかに、欲しがっている本20冊をすべて買ってあげる予定の我が家。本棚の数が足りていません……。本よりも本棚を買うことのほうが先決な気がしてきています（苦笑）

2023年12月のテーマ「世界の本と読書事情」

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