<h2>みっちー</h2>イギリス北部スコットランド在住。大阪生まれ、神戸育ち。 大学在学中に北米へ留学し英語と仏語を学ぶ。 大学卒業後、日系商社に勤務。 2011年結婚を機にスコットランドに移住。 2013年に長女、2017年に長男を出産。 現在は子育てをしながら日本語教師として働く一方、 フリーランスライターとして企業様のHP、コンテンツ、ブログ、メルマガなど幅広く執筆中。 趣味は読書、エクササイズ、家庭菜園。

2024年5月のテーマは「海外の防災・防犯事情を調査してみた」。地震大国日本では、元旦の能登半島地震に続いて各地で地震が多発しており、防災への関心が高まっています。 もしものとき、どうするか、親子で防災・防犯について相談しておきたいですね。海外の防災事情はどうなんでしょうか。 火山が多い国、自然より防犯が重要な国。各国事情によってさまざまですが、多様な視点は日本でも参考になることが多いです。令和6年能登半島地震において、犠牲となられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げます。被災地域の皆様の安全と、1日も早い復興をお祈りいたします。

スコットランドの気候を簡単に言うと、 春夏（3月末～8月末あたり）は冷涼で比較的晴れの日が多く、 秋冬（9月～3月半ばあたり）は毎日雨か曇りで、風が強く、嵐がよく来るといった感じです。またスコットランドは1日にコロコロと天気が変わることでも有名で、天気予報も全然あてになりません。 1時間前には晴れの予報だったのに、1時間後には大雨予報に変わっていることもあるのです。 移住して13年経ってもこのコロコロ変わる天気に慣れることはなく「これ、天気予報の意味ある？」と問いかけずにはいられません。現地の人がよく言うフレーズは 「スコットランドでは全ての天気をたった1日で経験できる」とか 「風が強くても曇っていても、文句言えない。だって雨降ってないんだもの」とか。実際に、たった1日のうちに晴れて、雨が降って、暴風だと思ったら風が止んで、ホッとしたら雹が降って、その後に虹が出る……なんて日もよくあります。 洗濯物も1年の半分以上が部屋干しなので、外に洗濯物を干せる日は主婦として幸せに浸れます。 それぐらいとにかく雨が多いスコットランド。 そして冬になると名前のついた嵐（＝つまり大型の嵐）が次から次へと直撃します。気温は氷点下になることは少ないものの、0～5℃あたりをうろちょろ。そんな冬がやってくると、子どもたちの安全のためによく言うフレーズがいくつかあります。 &nbsp;<h2>注意喚起フレーズその1「フードをかぶりなさい」</h2>

2024年はじめ、例年のようにスコットランドには大きな嵐 Storm Isha が直撃しました。 （名前がついているということは、大型の嵐ということです。） そんな大型の嵐が来ても学校が休校になることは、まずありません。 その日の朝、子どもたちが学校へ登校する時に私が口をすっぱくして言ったのが「ちゃんとジャケットのフードをしっかりかぶっていってね。 学校の建物に入るまではずっとフードをして。建物に入ってからフードをとるのよ」というフレーズ。 これは私も13年前スコットランドに移住してきた時に夫から何度も言われた一言です。 スコットランドは古い建物が多いため、暴風の日は頭上から屋根や煙突の一部が落下してくる危険があるのです。そのため風の強い嵐の日には頭を守るために、必ず帽子をかぶるかジャケットのフードをかぶるよう子どもたちに言い聞かせます。そして建物の真横はなるべく歩かないように注意もします。&nbsp;<h2>注意喚起フレーズその2「風向きに注意」</h2>

もうひとつ子どもたちに言うのが「風向きに注意するのよ」という一言。 特に私が住んでいる町がスコットランドの西海岸に位置しているため、思いっきり大西洋からの暴風にさらされます。信じがたいことですが、そんな暴風で信号機や街灯や木がポッキリ折れたり、大型トラックが風を受けて横転することもよくあります。そのため子どもたちには「どちらから風が吹いているか」と「この風向きだとどんな危険が考えられるか」注意しながら歩くようにいつも言います。 &nbsp;<h2>注意喚起フレーズその3「ジャケットのポケットから手を出して」</h2>

そして雨が多く、気温も低くなるスコットランドももう一つの危険は「ブラックアイス」です。 ブラックアイスとは路面凍結のこと。頻繁に雨が降るため、凍結した路面が濡れ、黒いアスファルトの色も相まってとても見えづらい危険な氷がよくできています。私もスコットランドに移住してきたとき近所のおじちゃんに「ブラックアイスに気をつけろよ～」と何回も言われた記憶があります。そのため、寒い日にこそ転倒しても手がつけるよう「ジャケットのポケットから手は出して」と子どもに言い、子どもたちは必ず防水の手袋をしていきます。 &nbsp;<h2>スコットランドの現地校にある特別な「チャイム」</h2>

嵐が多いスコットランドの冬。実は現地のセカンダリースクール（中高校）には、この町ならではのおもしろい「チャイム」があります！現地のセカンダリースクールには、この町の子どもをはじめ、隣にあるいくつかの村や離れ小島からも生徒がやってきます。小島に住んでいる生徒は、毎日フェリーに乗って通学してくるのですが、冬の嵐でフェリーが止まることもしばしば。そこで、フェリーが運休になるという知らせが出るや否や校内に「小島に住む生徒のためのチャイム」が鳴り響きます。このチャイムが鳴るということは、フェリーが1～2時間後には運休になるという合図。そのため、このチャイムが鳴ると、小島から通っている生徒たちは一目散にフェリーターミナルに走って帰宅します。授業の途中でも昼食中でも関係ありません。フェリーターミナルへダッシュです！万が一、フェリーに乗れず帰宅できなくなったらどうするかって？帰れなくなった生徒たちは学校の先生と一緒に学校か町内のホテルに宿泊します！（笑） 知り合いが、昔その状況になったことがあるそうですが「先生がみんなにお菓子買ってくれて、夕飯にはフィッシュ＆チップス食べて、お泊り会みたいで楽しかった」そうな（笑）こんなチャイムがあるのも、離れ小島がある田舎の学校ならではです。 &nbsp;<h2>地震・津波・火山がないスコットランドは平和ではあるけれど…</h2>

日本と違い、スコットランドには地震・津波・火山といった恐ろしい自然災害はありません。そのため家屋も築100年以上のものもたくさんで、耐震性なんておそらくゼロの家屋ばかり。建物によっては屋根や煙突、外壁の老朽化が進んでいて、嵐が直撃すると簡単に落ちてくることがあるのです。そのため冬の嵐がやってくると子どもたちには頭上からの落下物に注意するよう呼びかけます。そんな我が家も実は数ヶ月前の嵐で屋根が軽く破損……。 嵐が直撃して屋根が破損した直後に、続けて嵐がやってきたので、屋根が全部崩壊するのではないかとハラハラしながら冬の数週間を過ごしました。今は屋根も無事に修理を終え、嵐のない良い季節を迎えつつあることに心がウキウキしています！

2024年5月のテーマ「海外の防災・防犯事情を調査してみた」

‌