<h2 id="heading-cSt4JgMpaJ-SQdKGywRaz">みっちー</h2>イギリス北部スコットランド在住。大阪生まれ、神戸育ち。 大学在学中に北米へ留学し英語と仏語を学ぶ。 大学卒業後、日系商社に勤務。 2011年結婚を機にスコットランドに移住。 2013年に長女、2017年に長男を出産。 現在は子育てをしながら日本語教師として働く一方、 フリーランスライターとして企業様のHP、コンテンツ、ブログ、メルマガなど幅広く執筆中。 趣味は読書、エクササイズ、家庭菜園。

テーマ「日本の先生と外国の先生はどう違う？」日本では教員の長時間労働や業務量の多さから、なり手が減少したり、やめてしまう人も少なくないのが現状です。OECD国際教員指導環境調査の結果では、日本の教員は世界でもトップクラスに多忙という結果がでました。（<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46302250Z10C19A6CR8000/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">出典：日本経済新聞2019年6月19日</a>） では、外国の教員はどのような働き方をしているのでしょうか？今回は、海外在住ママから見た「学校の先生」の違いについてレポートいただきました。

私自身は日本の小学校で育ったので、子どもたちが通うスコットランドの小学校の先生たちの日常は、想像していた日本のそれとは全く違っていました。 異国で育児をしていくなかで受けてきた、さまざまなカルチャーショック。今回はスコットランドの現地校の先生たちに感じる文化の違いにフォーカスしてみました。<h2> スコットランドの小学校の先生の仕事って？</h2>

スコットランドも日本と同様、小学校教員は公務員です。 先生たちは始業ベルが鳴る8:45までに出勤し、終業ベルが鳴る2:45まで勤務。校内には「スタッフルーム」があるものの、日本の小学校の「職員室」とは少しイメージが異なります。 スタッフルームには各先生用のデスクやロッカー、電話などはなく、ソファ・電子レンジ・電気ケトルなどを置いた憩いのスペース。「昼食を食べるスペース」といった方がイメージしやすいかもしれません。 先生の荷物などは自分の教室にある鍵付きのキャビネットに入れます。そして先生の仕事は基本的に「子どもたちの教育」とそれに付随する業務（授業準備、宿題チェック、成績表作成、保護者面談など）。 休み時間や給食時間のサポートはサポートスタッフが担当します。また、保護者対応はスクールオフィスが担っているため先生の仕事ではありません。そして小学校教員の最大の特徴といえば、休みが多いこと！ こちらには毎年イースター休暇（2週間）・夏休み（6～7週間）・10月にあるミッドタームホリデー（1週間）・クリスマス休暇（2週間）がありますが、その休暇中は先生ももちろんお休みです。一般企業のように、自分の好きなときに有給を使って旅行に行く…なんてことはできませんが、この休みの多さは他のどの仕事にもないメリット。 もちろん、休暇中は学校へ出向かないといけないことも、一切ありません。<h2> スコットランドの小学校の先生にびっくりしたこと3選</h2><h3>①先生の服装は個人の自由らしい</h3>

私が子どものころの小学校の先生の定番スタイルといえばジャージにポロシャツ。 いまの学校の先生たちは、あのころとは違って少しおしゃれな格好をされる方もいるのかもしれません。スコットランドの小学校の先生たちはオフィスカジュアルが大多数。男性はワイシャツ（ネクタイはする人もいればしない人も）にスラックス、女性はワンピースなどを着ています。 フラットシューズの方が多いものの、ハイヒールを履いていらっしゃるおしゃれな先生も！日本ではどちらかというと地味めで動きやすさ重視、汚れても大丈夫な服装、かつ教育者として過度な装飾品を避けるようなスタイルが一般的なのではないでしょうか。こちらの先生たちはそのあたりの個人の自由度が高いらしく、ファッションは自己表現のひとつ。 まつ毛バーン（まつエク）！鼻ピアスきらーん！手首にブレスレットじゃら～！派手なネイルぴかぴか！タトゥーがチラリ！みたいな先生も中にはいらっしゃいます。（※そんな先生ばかりではありません。）もちろん体育の日や屋外学習の日などはスニーカーにジャージ、のようなスポーティーな格好のため、校内にはオフィスカジュアルな先生とジャージ・パーカー姿の先生が入り混じっていて「結局のところ服装なんて何でもアリなのかも」と思わされます（笑）<h3> ②授業中にスマホを触る?! 勤務時間内のスマホルールは存在しないらしい</h3>

なかには授業中、生徒たちが練習問題やグループワークに取り組んでいるときに、堂々と携帯を触る先生もいるのだとか！「え！授業中に堂々とスマホはありえへん！せめて隠れて触って！（←隠れてやったらいいんかい！笑）」と思い、その話をスコットランド人の夫にしてみたところ、現地人の夫でさえも「え、マジか！」と驚いた様子でした。しかし学校のスタッフに対するスマホルールはないらしく、授業中にメッセージを送ったりする先生もいるのだとか。 先生によっては「連絡入れないといけないので、少しだけスマホ触ります」とひとこと断りを入れる方もいるそう。ママ友とそんな話をしても「いるよね～、そういう先生」とか「世の中みんなスマホ中毒よね～」と驚く様子もあまりなし。 考えてみると、こちらではスーパーの店員さんが飲食しながらレジ打ちをしていたり、店員さんがスマホを触っている姿もよく見かけます。先生に限らず、これが世の中の働き方の現状なのか…？個人的に先生が授業中にスマホを触ることにはモヤモヤしていますが、保護者からクレームにならないということは、この国ではきっと容認されていることなんでしょう…。こう考えてみると、私が真面目で厳しすぎるだけなのか…？ 周りがリラックスムードなだけなのか…？海外生活あるあるの「何が正しくて何が間違っているのかわからなくなる症候群」をいつものごとく発症してしまう私です。ちなみに教師として働いている夫は、勤務時間中はスマホの電源を切った状態で絶対に触らない派。スマホひとつとっても先生の考え方それぞれなのですね。<h3> ③終業ベルと同時に帰路につく。残業は極力しないのがスコットランド流</h3>

日本の小学校教員は朝早くから放課後まで激務をこなしているような印象ですが、スコットランドの先生たちは極力残業をしません。 終業ベルが鳴り、生徒たちが校舎から出てくるのと同時に先生も帰路へつきます。（※少しだけ教室の後片付けなどをしてから帰宅される先生も。）先生が残業することなく仕事を終えられるのは、週に半日ある「デスクワークに集中する時間」が大きいような気がしています。こちらの先生たちは週に半日、自分のクラスから離れ、授業の準備や採点作業、成績表作成に充てられる時間があります。 その時間はほかのスタッフがクラスを見ていてくれるので、邪魔が入ることなくデスクワークに集中できるのです。またこの国には「イン・サービス・デー（In-service day）」という日があります。 イン・サービス・デーは生徒にとってはお休みの日ですが、先生たちにとっては仕事の日。イン・サービス・デーに会議をしたり、授業の用意をしたり、先生同士で情報を共有し合ったりする日なんだそう。イン・サービス・デーは年間5日ほどです。 &nbsp;<h2>仕事の範囲がしっかりと決められているスコットランドの先生たち</h2>

日本はなんとなく【先生＝教育者】というイメージが強く、子どもたちのためなら自己犠牲をも厭わないような、責任感の強い仕事なイメージがあります。 スコットランドは先生の仕事の枠組みがしっかりと決められているため、日本の先生よりもリラックスしたイメージ。そして「先生も教育者である前にひとりの人間」という考えが浸透しているのか、先生の誕生日や結婚を全校生徒でお祝いしたり、クリスマスにはプレゼントを交換したりと、生徒と先生の距離が近いように感じます。特に、私が住んでいるような人口1万人ちょっとの小さな田舎町では、町内に住んでいる先生もたくさん。先生が家族と過ごしている姿を目にしたり、スーパーで買物している主婦姿もよく見かけます。もちろんですが先生の住所も丸わかり（笑）ハロウィーンの夜はお菓子をもらおうと、近所の先生の家に大量の子どもたちが押しかけて大賑わいになっていました（笑）こんな先生との距離感も田舎町ならではなのかもしれません。

2025年2月のテーマ「日本の先生と外国の先生はどこが違うの？」

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