<h4>栗尾モカ</h4>横浜で生まれ育つ。美大卒業後、若い時期にたくさん旅行をしたいと思い、航空会社に入社。国際線に乗務する。その後、講談社の雑誌編集部で多くの企画を担当。「ダ・ヴィンチ」でコミックエッセイデビュー後、朝日新聞等で取材・イラストの連載をスタート。

「世界のお小遣い事情を比べてみた！」 お子さんのお小遣い、どうされていますか？ 海外在住ファミリーレポーターのみなさんに「お小遣いってどうしてる？」と聞いたところ「そもそも小学生だけで買い物に行くことができないから、お金を持たせない」との声が。 なるほど～国によって違うのね。ということで、それぞれのご家庭ではお小遣いをあげているか、各国の子どものお小遣い事情や、 お金の教育はどうしているかなど、世界のお小遣い事情を比べてみました。

シンガポール在住記者の栗尾モカです。今回はお金がテーマだそうなので、思いつくことを書いてみたいと思います。<h2> シンガポール人はお金の話をよくする？</h2>

シンガポールに住み始めてから6年目になります。最初のころ、若干ショックを受けたシンガポールの印象といえば、「シンガポール人はしょっちゅうお金の話をしている」ということでした（笑）。金融の国だから...と言えば、そうかもしれません。子どもの学校のパパ友（ママ友も）は、金融関係の人がかなり多いです。 日本にいたころ、あまり具体的なお金の話をする機会が少なかった私は及び腰でしたが、今は慣れました。先日、ラッフルズホテルのレセプションに招待して頂いた際、シンガポールのラグジュアリーメディアのエディターの女性と話しました。「シンガポール人の読者はどんな記事に興味がありますか？」と訊いたところ「ファッションではないんですよね…Moneyでしょう」と答えていました。「やっぱり？」思わず心の中でつぶやいてしまいました。シンガポールは共働きの家庭がほとんどで、メイドさんに家事を任せてママもオフィスで働いている場合も多く、ママも大きく稼ぐ（パパの年収を超えるケースも増加傾向）パワーカップルが多かったりもします。スイス金融大手UBSと、同行が買収したクレディ・スイスが発表した「世界の富に関する報告書(グローバル・ウェルス・リポート)2023」で、2022年におけるシンガポールの成人1人当たりの資産は前年から6%増加したことが明らかに。アジアでは2位。シンガポールの22年の家計資産は総額1兆9,000億米ドル（約278兆円）。 1人当たりでは前年比6%増の38万2,960米ドルで世界8位となり、アジアでは世界3位の香港に次ぐ水準なのだとか。やはり、シンガポール人はよく働いて富を得ているようです。<h2> 親の愛が溢れてしまう子どもの誕生会は漫画の世界！</h2>

シンガポールは、様々な国から3年ほどの期間で駐在に来ている家族も多く、私の周りも日本人が多いのですが、子どものお小遣い事情はそれぞれの家庭によって様々です。 日本と少し違うかなと思うのは、誕生日に特別にお金をかけて祝う家庭が少なくないことでしょうか。先週、娘が「Aちゃんの友だちが、閉館後のユニバーサルスタジオを借り切ってお誕生日会したらしいよ」と言っていましたが、そんなびっくりエピソードをときどき聞きます。バリ島で子どもの誕生日を祝った友人は、招待した子どものクラスメート10人に航空券と宿泊費をプレゼントしたとのこと。また、自宅で誕生日会をする場合は出張マジシャンを呼ぶケースも多く、マジシャンの仕事はかなりの年収があるそうです。娘が5歳のとき、インドネシア系の家族の誕生日パーティに招かれました。そこには、サンリオピューロランドのようなドリーミーな会場が「誕生日のためだけに」つくられていました。入口にはフードトラックが何台も横付けされていて、ハンバーガーやピザ、アイスクリームなどを自由にオーダーOK！グッディバッグ（誕生日のお返し）は、持ち帰るのが大変なほど色々なギフトが詰め合わせになっていました。インドネシア系のクレイジーリッチの中には、自分が所有している島に、アメリカから有名なミュージシャンを自家用機で呼び寄せて誕生日を祝う人もいました。上には上がいるものです。<h2> シンガポールのお年玉は数字にめっちゃこだわるのが基本</h2>中華系の人が7割を占めるシンガポールでは、旧正月に紅包（アンパオ）と呼ばれる封筒に入れたお金を渡す習慣があります。親から子どもにも渡しますし、日頃お世話になっている住居のスタッフの方にも渡したりします。

封筒に入れる額はそれぞれの関係性によってまちまちですが、中華系の人が大好きな、発展を表す数字「28」にちなんで28ドルを入れる場合もあります。日本人と違うのは、数で縁起を担ぐことにもの凄く熱心な人が少なくないことです。住居も、28階から売れていくほど（28階は特別な間取りで設計されているケースも）、数に対して熱心なこだわりがあります。私がシンガポールで携帯を初めて購入したときには、お店の人から「貴女はツイてる、末尾28を使うことができるよ！ラッキーだね！！」と言われました。最初は何のことやら…でしたが、中華系の人にとっては「うっそ、28あるなら絶対貰うよ！」という感じでしょうか。

シンガポールは風水国家なので、街中に滝や水が流れるオブジェがありますし、ビルを設計する際にはほとんどの場合風水師が入るそうです。街はどこも綺麗に整備されていて、風水的にもいかにも富を招き入れる環境という感じがします。富と繁栄を願う人々の気持ちが強いからこその経済発展なのかもしれません。

2023年9月のテーマ「世界のお小遣い事情を比べてみた」

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