<h4>栗尾モカ</h4>横浜で生まれ育つ。美大卒業後、若い時期にたくさん旅行をしたいと思い、航空会社に入社。国際線に乗務する。その後、講談社の雑誌編集部で多くの企画を担当。「ダ・ヴィンチ」でコミックエッセイデビュー後、朝日新聞等で取材・イラストの連載をスタート。

グローバル化が進むなか、企業内の公用語を英語にする会社が増えたり、小学校で英語の授業が始まったり、英語教育のニーズと関心は年々高まっています。とはいえ、日本の英語教育はまだまだ「主要科目のひとつ」として、成績重視です。でも、語学はコミュニケーションのツール。 さて、海外在住ファミリーレポーターの皆さんは、お子さんにどんな語学教育をされているのでしょうか。海外各国で生活するご家庭で、バイリンガル教育をどのようにされているか聞いてみました。

今回は、英語の学び方がテーマとのことですが、海外で暮らす日本人で、このテーマで迷ったことがない人の方が少数派ではないかと思います。親がネイティブではない場合、どうやって英語を学ぶか、どんな先生や教材を選ぶか、それぞれの家庭で方針もまちまちです。 &nbsp;ジャカルタではインターナショナルスクールの幼稚園に。日常会話は英語。娘は､日本人の両親の間に東京で生まれ､父親の海外赴任のため生後すぐにインドネシアのジャカルタに引っ越しをしました。 ジャカルタでは、幼稚園から高校まであるインターナショナルスクールに通いました。担任の先生は北欧出身で、英語を使ったいろいろなアクティビティを考え、楽しませてくれる先生でした。

学校のユニフォームは生地だけが指定で、布を渡されました。テーラーで好きなデザインを伝えて仕立てて良いことになっており、白襟とスモック刺繍のワンピースをつくりました。それぞれの家庭の母親の好みでつくる制服です。ジャカルタでお世話になっていたヘルパーさんが思い出の写真を組み合わせて送ってくれました。以前は大使館員の家族と共にNYなどいろいろな場所に滞在した方で英語が堪能でした。娘とはいつも英語とインドネシア語で話していました。

このころは、日本語よりも英語の方が会話に出てきていました。一緒に英語版のDiアニメーションを観ているうちに、いろいろなフレーズを覚えていました。最後のシーンでは必ず私に「Happyエンドで良かったね」と服の裾をつかんで言いました(笑)。 インドネシア語の童謡も覚えて、いつも楽しそうに歌っていました。先輩ママたちから「幼いころに覚えた言語は継続しないときれいさっぱり忘れてしまうわよ。だから、続けてね」とよく言ってもらいました。 英語は継続しているけれど、よく話していたインドネシア語を娘は全く覚えていないことが判明。記憶のどこかに、ひっそり残っていないかな……？いつか、何かの拍子でインドネシア語が飛び出してきたりして。英語の学び方に関しては、さまざまな情報が溢れていますが、私は迷ってばかりでした。 ただ、赤ちゃんのころから英語教材を部屋で流したり､車の中で英語のCDを流していたことが良かったのか、どちらかというとヒアリングは得意な感じです。 最近は、アメリカ大統領選が気になると言ってCNNをよく観ています。ドラマも英語版で理解できるようになりました。<h2> おもしろい英語の教科書を採用していたシンガポール日本人学校</h2>ジャカルタからスライドしたシンガポールでは、日本語の基礎を学んで欲しいと思い、娘は日本人小学校に通いました。 英語は習熟度別に細かくクラス分けがされていて､先生は外国人です。クラスによって教科書の種類も違います。 娘が小学校のクラスで使っていた教科書は、海外のコミックのような構成でした。 超能力を使えるキャラクターたちが校内や家庭で冒険をするストーリーで､オンラインで動画を見ることもできました。これがまた､ちょっとミステリアスでなかなかおもしろく、私も一緒に楽しんでいました笑 ハリーポッターのように魔法が出てくる物語が好きな子どもは多いですが、ちょっと不思議なストーリーを英語の教科書にするのは、アリだな～と思いました。「次の展開が気になる！」と、教科書を読むのが楽しくなるなんて最高です。 学校の授業にプラスして、英語の家庭教師をつける家庭も多いですが、先生の英語を理解するために母親も英語の学び直しをする人が少なくありません。インター校では、母親の英語をブラッシュアップするための無料講座を用意してくれましたが、30名の枠が瞬時に埋まってしまいました。 &nbsp;<h2>ランゲージエクスチェンジを活用して日々を楽しく</h2>個人的に1番良いなと思うのは、ランゲージ・エクスチェンジです。 外国人同士が母国語を教え合うことで､レッスン料を無料にするシステムです。具体的には、日本語を学びたい外国人から英語を教えてもらい、こちらは日本語を教えます。 日本の文化に興味がある外国人は世界中に多いので、オンラインでもランゲージカフェでもどこでも相手は見つかります。先生と生徒というよりも、お互いの文化に興味がある仲間という感じで、肩の力を抜くことができます。私もやっていますが、いまのところ良いことばかりです。先日、散歩しながらふと「英語圏で暮らす日本ファンと、英語を学びたい日本の子どもとのランゲージエクスチェンジが普及したら、もっと英語学習のハードルが低くなるのではないか」と思いました。 語学を学ぶだけではなく、お互いの興味がつながる関係を持つことができたら、とても有意義ではないでしょうか。 日本の文化に詳しい外国人はとても多く、アニメーションや漫画はもちろん、画家や映画監督など、日本人クリエイターについて質問をされることも増えました。皆さんのお子さんが日本について英語で詳しく説明できるようになったら、海外に新しい友だちが増えるかもしれないですね。

2024年8月のテーマ「子どもへの語学教育」

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