<h4>キョウコ</h4>川崎生まれ、横浜育ち。ロサンゼルスやフィラデルフィアでの米国生活を通じ、タイバーシティを色濃く感じ、意識する環境で育つ。大学卒業と共に電機メーカーで商品企画やマーケティング関連職に従事。&nbsp; 女性管理職＆家族帯同（夫、娘2人）のレアな（？）かたちでの海外赴任（英国）。日々すったもんだしながら過ごしています。

グローバルレポート2月のテーマは「世界の時間割事情」学校には必ず時間割があると思ってませんか？ いえいえ、実は世界には時間割がない学校もあります！ ということで、各国の時間割、レポートしてもらいました。

昨年7月にプライマリースクール（小学校）を卒業し、9月から中学生となった次女。 セカンダリースクールという位置づけにあたる公立のスペシャルスクール（特別支援学校）に通い始めました。イギリスでは小学校を卒業した後、7年生から11年生までの4年間をセカンダリースクールで過ごします。ここまでが義務教育になります。 義務教育終了後、16歳でイングランド、ウェールズ、北アイルランドで実施されている全国統一試験GCSE（General Certificate of Secondary Education）を受験し、進路に合わせて専門学校やシックスフォームという日本の高校にあたる学校に進学します。

<h2>インクルーシブ教育のSEN （Special Educational Needs）サポートの恩恵をたっぷり受けた小学校生活</h2> 小学校時代は何かと課題（歩行、学習、英語力）が多かったため、SEN （Special Educational Needs）サポートを受けつつ普通学校でのインクルーシブ教育の恩恵をめいいっぱい受けて通学していました。 SENについて簡単に説明すると、イギリスでは1980 年に障害児教育の名称をSpecial EducationからSpecial Educational Needs（SEN）に改められました。 これを機に子どもの障害の種類（カテゴリー）に合わせた教育から、学習における困難さを基準に考えられる特別な教育的なニーズに焦点を当てた教育へ変更されました。 つまり、 個々の子どもの学習の困難さを補うためのサポートをしてくれるということです。サポートのおかげと人見知りをしない性格が功を奏し、Year 3（小学2年生）編入当初から英語がしゃべれないにも関わらず、周囲のお友達とも仲良く（ときにはケンカも）、ボーイフレンド（！？）もできて楽しい小学校生活を送ることができました。 Year 5（小学4年生）、Year 6（小学5年生）になると、親も子どもたちの関心も次のセカンダリースクール（中学校）はどこに行くか、行かせるか、といった話題で盛り上がってきていた様子です。 我が家はその話題に完全に乗り遅れていました。情報にも疎いだけでなく、WhatsApp（ワッツアップ・チャットアプリ）のママ達の弾丸トークについていけてなかったし・・・（涙）。

<h2>イギリスの学校選択に欠かせないOfsted（オフステッド）</h2>周囲が、中学校見学や情報収集に尽力していることも露知らず。漠然と不安はあるものの、その時点ではまだ長女と同じ学校にそのまま進学することをイメージしていました。 長女の通う中高一貫校もOfsted（オフステッド／国の教育監査局​​※注1）でOutstanding（とても優れた※注2）評価を得ているだけあり、重度障がいの生徒さんや学習障がいをもっている級友たちもいるけど、適宜サポートを受けて通学しているよ、とSENサポートもしっかりしている様子。 また、次女のクラスメイトの多くが進学希望をし、通うことになるだろう学校ゆえ、中学校生活も楽しくスムーズに移行できるかもしれない、と思ってみたりしていました。 &nbsp;<h2>娘の成長に合った学校を親子でじっくりと考え、特別支援校を選択</h2>一方で、Year 6（小学5年生）になり精神的、身体的成長から次女自身が周囲のお友達との関係性の中での違い、困難といったギャップを認識しつつある様子もうかがえました。 また、お友達の方も成長し、それぞれの世界が広がり、違ってくるころ。 さて、どうしよう？ どんな選択肢があるのかわからず、日々が過ぎる。 Year 6（小学5年生）の9月になって、Special Educational Needs Cordinator （SENCO）と校長先生から 「中学はどこにしましたか？」と聞かれ、答えに窮し、 「どんな選択があるのでしょうか？」と私。 「メインストリーム（普通学校）かスペシャルスクール（特別支援校）の選択があります。」 「特別支援校の場合、何という名前の学校がこの辺りにあるのですか？そこは娘にとって良さそうですか？」 「それは、私たち（学校側）が判断できることではありません。決めるのは保護者の方々と〇〇（次女の名前）です。」と。 なるほど、そりゃそうだ。Make sense。 やっと学校名を入手した特別支援校をネットで検索し、Ofsted評価と学校のウェブサイトをチェックして、10月末ギリギリセーフで入学申込をしたのでした。&nbsp;

<h2>高校まであり、進路支援もある明るい未来を感じる学校に決まりました</h2>ちなみに、イギリス現地校では、Year 6（小学5年生）の10月末ごろには希望するセカンダリーの中学校に申込み、春前ごろに、次の9月から通う学校が決まります。 必ずしも希望する学校に入れるとは限らないようで、親たちはハラハラして結果を待ちます。 特別支援校への入学希望の申し込み後、コロナ禍だったために短時間ではありましたが、家族で校内見学をさせてもらいました。 広々とした校内と温水プール、自立支援のためのキッチン施設、IT教室、理学療法、資格取得支援など充実な内容と少人数制のクラス。もし入学できたら、19歳（高校卒業）まで通学可能、卒業後の進路（カレッジや職業）に向けた支援もあるとのこと。明るい未来を感じることができました。 大丈夫、この学校、良いかも！と次女本人含めて、我が家はこのスペシャルスクール大本命で入学許可通知をハラハラしながら待ったのでした。 3月ごろに正式に入学内定通知が来たときは、まるで受験で合格を頂いたかのように嬉しかったです。次女も、なぜか鼻高々、誇らしげ（笑）でした。 &nbsp;<h2>イギリスの特別支援校の授業はこんな感じ</h2>さて、前置きが長くなりましたが、Year 7（11歳）どんなカリキュラムで授業を受けているのでしょうか。 時間割はこんな感じです。算数、読み書き、コンピューター、科学、ライフスキル、ダンス・体育などを学んでいます。 &nbsp;

相変わらず、私は日中は在宅勤務やオフィス通勤で学校に行くことが難しく、アプリを通じて様子を確認しています。 定期的にアップされて来る次女の授業中の写真や先生との電話連絡情報によると、なかなかよろしくやっているようです。ときに、勉強が難しくて、日本に帰りたい、と愚痴をもらすこともありますが。 ※注1　※注2 OFSTEDは教育監査局といって、イギリスの第三者による学校評価機関。 定期的に学校の評価を実施し、データを公開しています。 Inadequate （十分ではない）、Requires improvement （改善を要する）、Good（良い）、Outstanding（とても優れてる）という評価となっており、生徒たちの学習達成度面だけではなく、教師の質、態度、学校環境など多面的な監査評価レポートとなっており、学校選びの指標の一つとなっています。&nbsp;

2023年2月のテーマ「世界の時間割事情」

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