<h4>キョウコ</h4>川崎生まれ、横浜育ち。ロサンゼルスやフィラデルフィアでの米国生活を通じ、タイバーシティを色濃く感じ、意識する環境で育つ。大学卒業と共に電機メーカーで商品企画やマーケティング関連職に従事。&nbsp; 女性管理職＆家族帯同（夫、娘2人）のレアな（？）かたちでの海外赴任（英国）。日々すったもんだしながら過ごしています。

6月は英語・数学・国語・理科・社会の5教科以外の教科、つまり音楽や体育といった「副教科」について各国の事情をレポートしてもらいます。日本では2022年から小学校高学年で教科担任制が導入されるようになりましたよね。 主要教科含めて専門性の高い授業を目指す、といったところでしょうか。さて、そもそも時間割がない自由な外国では、いったいどんなふうに音楽や体育、図工を学ぶのでしょうか。運動会や音楽会ってあるんでしょうか。今月も各国違ったレポートとなりました。

<h2>イギリスのGCSEは、進路を決めるなかで自分の適性を見定めるための国家試験</h2>2018年秋からイギリス現地校（公立）に通う我が家の姉妹。 長女は19歳、次女は12歳でそれぞれSix form（高校に相当）とSecondary school （中学校に相当。次女はそのなかの特別支援校）に通学しています。 長女は、今月6月に全てのA level（イギリスの大学入学資格として認められる統一試験）を終え、後は8月中旬の結果発表を待ち、晴れて9月から大学入学を予定しています。当時、現地校に編入した際には英語力の壁もあり一学年下げて9年生（日本の中学3年生）のクラスに通いだした長女ですが、本人も親もイギリス現地校の下調べも全くできない（余裕ない）なか、渡英して走り始めたので、わからないことだらけでした。わからない長女からの情報を頼りに学校生活を過ごす日々。 そんななか、GCSE（General Certificate of Secondary Education）というイギリスの国家試験が11年生の終わりにあるらしい。その後は A level という試験があるらしい、という情報が。 とはいえ、実際のところは親子共々、何それ？という感じでした。GCSEは将来大学に進学するのか、はたまた、義務教育を終えた後、カレッジ進学や仕事に就くなど、今後の進路を定めていくなかで、自分の得意とするところ、興味がある領域などを見定めるための重要な過程だったと思います。（…と終わってからわかる今日このごろ）

出典：UK Education System <a href="https://ukguardianship.com/uk-education-system-state-public-schools/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://ukguardianship.com/uk-education-system-state-public-schools/</a><h2> 9年生（日本の中学2年生）には進路に向けて科目選択</h2>イギリスでは10年生になる前にGCSE受験に向けて科目選択をします。 将来どんな方向に自分が進んでいきたいのか、その力を試せる領域はどこなのかを自分自身で見定めていく過程となる科目選択です。 ちなみに、その前の9年生までの授業科目は実に幅広いものがあります。 必須科目の英語（国語）、数学、理科（生物、化学、物理）に加え、GCSEの科目選択に備えて、フランス語、スペイン語、音楽、体育、アート、コンピューター、家庭科、ダンス、演劇（英国的です！）、歴史、市民権などがあります。我が家の長女は9年生の秋に編入し、その春までに選択科目を決めることになったのですが、英語もわからないなかで、フランス語、スペイン語、イギリスの歴史…なんて涙なくして語れない程の撃沈ぶりでした。 でも、万国共通のアート（大学はアート系に進みます）、体育（当時、日本のスパルタ体育のおかげか？何でもこなせるアスリート的な立ち位置になれたとか！？）、日本人の強み？の数学（叩き込まれた数式や暗算で英語出来なくても想像ででどうにかこうにかイケた。イギリスでは計算機使用が当たり前。）で初年度を生き延びた模様です。<h2> ワクワクする教科を選びましょう！イギリスの強みを活かす教育</h2>長女から聞く話によると、音楽も日本の音楽の授業とは全然違い、授業時間には各人がそれぞれチェロ、バイオリン、ギターなど、自分が習っている楽器や、自分の好きな楽器を持参し、数多くある小さなブース（個室）で練習していたそうです。 長女の場合は、特にコレといったものがなかったので、キーボードとコンピューターが設置されていたブースで曲づくりなどで時間を過ごしていたそうです。 今思い出すと科目数が多すぎる上に、真面目過ぎた我々にはヘトヘトでストレスフルな日々でしたが、必ずしも、国語・算数・理科・社会といった主教科に偏った成績偏重型に陥ることなく、幅広く個人の可能性や得意領域を伸ばしていく姿勢。そのために、まるで将来の選択肢を、副教科を含めた幅広い授業科目の受講機会を風呂敷を広げるが如く提供するイギリス教育もアリなのでしょう。GCSE Year（10年生）に入る前の保護者同伴の説明会での校長先生の言葉が印象的でした。 「君たちがワクワクするもの、得意だと思う科目をぜひ選びましょう！」 強みを活かす教育なのでしょう。

<h2>演劇やアートの市民権が高いのは副教科を大切にする教育ポリシーによるもの</h2>特にイギリスに来て感じるのは、演劇やアート（写真、絵画、グラフィックなどあらゆるジャンル）の市民権が高いというか、これらをやられている方々へのリスペクトが日本よりも高いことです。毎年、学校主催で演劇や音楽を専攻する生徒たちによるミュージカルイベントが開催されます。チケットを購入して鑑賞しますが、そのクオリティは非常に高く将来はウェストエンドやブロードウェイの舞台に立っているだろうと思えるようなパフォーマンスには驚かされます。これは、先述のようにイギリス教育システムのなかで、これらの前身である副教科の扱い、位置づけの集大成によるものだと感じます。 次女もYear 6の冬はMusical &amp; Theatreを習いごととして参加し、クリスマス会でちょっとしたミュージカルに出演したものです。

<h2>アクティブで充実したイギリスの特別支援校の副教科の授業</h2>さて、イギリスの特別支援校に通う次女の方ですが、副教科はどんな感じでやっているのでしょうか。学校から定期的にアップロードされてくる写真からですが、体育や音楽、こんな感じです。楽しいこと、やりたいこと、得意なことを探す過程にいる次女。

家庭科では料理（スイーツ、ピザ、マカロニ料理など）を毎週つくってきてくれるので、我が家の食卓に上ることもしばしばです。助かります！

2023年6月のテーマ「副教科について」

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