<h4>ポーン</h4>生まれも育ちも仙台。牛タン＆笹かま大好き。アメリカで大学生活を過ごし、通訳の仕事をしながら旦那と出会い、結婚。専業主婦歴20余年。下は5歳児から上は大学生まで、4児の母。スターバックス発祥の地シアトル在住子育て中。（おかげでコーヒー飲めるようになりました！）チェスは初心者。クイーンになりたいポーン、ただいま精進中。

※TOP画像：6月はプライド月間。お店にはレインボーがいっぱい！<h2>「転入する学年は好きな学年を選んでください」と言われ・・・</h2>アメリカ人の対応力は、その性格の柔軟性と大きく関係していると思います。 柔軟性があるということは、別の言い方をすると「いい加減」であり、まったく「対応しない」ということもあるので困ることも多々あるのですが・・・今回は柔軟性が良い方向に作用する「GOOD」なケースにフォーカスしてみます。私たちが経験した最もGOODな柔軟性、それは長男が日本の幼稚園を卒園し、アメリカに引っ越した時のことです。 日本では4月が新学年の始まりですが、アメリカの学校は9月が新学期。長男は日本では4月から小学校に入学するはずだったので、アメリカでも1年生に転入するつもりでした。 ところが、学校からはその一つ下のKindergarten（日本で言うところの年長クラス。アメリカでは小学1年生になるための準備の学年と言う位置付け）という学年に編入したらどうかと提案されました。そのクラスには日本人が多いし、6月に学年が終業する前の2か月間、慣れるためにも下の学年で過ごす方が良いのでは？ということで、「好きな方を選んでください」と言われました。 当時、息子は英語も話せましたので、言葉の問題はありませんでした。ですから、ただ日本人が多いから、という理由だけで、学年をひとつ落としていいのか迷いましたが、新学期からスタートする1年生をフルで経験できることを加味して、Kindergartenに入れることにしました。 結果的に、息子が大学生になった今でも、その時に同じ学年で出会った日本人のお友だちとはずっと仲良しで、学年を落としたことは大正解だったと思っています。それでも、当時、日本から来て初めてのことに戸惑うことが多かった私にとって『転入する学年を変えたり、選べたりできるということ』は不思議で、苦渋の決断でした。

<h2>コロナ禍・・・あっという間にひとり1台のPCとWi-Fiが配布された。</h2>また、今回、コロナが始まり、この辺りの学校が一斉に休校、オンライン授業へと移行するまでのアメリカの対応の早さにはビックリしました。 数々の疫病と戦ってきたことがある事実を歴史から学び知ってはいたものの、実際、未知のウイルスの流行を目の当たりにし、パンデミックとなっていく最中、感染対策以外で私たちに求められたのは『対応力』だったのかな、と感じています。早い段階で息子の通う高校でコロナ陽性の生徒が出た、と大きなニュースになりました。それからはあれよあれよという間に休校、先生への一斉研修。そしてあっという間に小学生から高校生まで、学区から一人1台のパソコンが配られ、さらにWifiがない家庭にはWifiの配布までありました。

<h2>それぞれがやれることをやる。素早く柔軟に。</h2>小学校は時間を減らし、毎日2コマのオンライン授業を実施。授業の他にもクラスを少人数に分けて、特別に指導が必要な児童には他に時間を設けるなどの工夫も見られました。中学校と高校では、各教科30分から45分と通常に近い形での授業がオンラインで行われました。途中、何回か時間割などの軌道修正があったものの、探りながら「やれることをやる」という形で授業があったことは親としてもありがたかったです。これも間違いなくGoodな柔軟性です。もちろん、日本の学校でもそうであるように、アメリカの学校にもたくさんの年配の先生がいます。長年教えてきたスタイルをパンデミックを機に変えるというのは難しいのでしょう。「私にはできない」と匙を投げているような先生も存在していました。オンライン中、先生によって大きな差が生まれ、公平感に欠けると感じた児童や保護者がいたのも確かです。 ただ、できない先生がいるから、足並みを揃えて、オンラインへの移行に時間をかけたり、話し合って決断を遅らせるようなことがなかったのは賢明な選択だったのでは、と振り返った今でもそう思えます。

<h2>州、国、学校から、それぞれ無料検査キットの配布。おまけのマスク付き。</h2>最近、申し込みをしたコロナの無料検査キットが州と連邦から我が家に4個ずつ送られてきました。学校からも支給がありました。そこについてきたおまけの2つのマスクを見て、コロナ禍初期に、日本でもマスクを配っていたことを思い出しました。マスクを配るという一つの行為を見るだけでも、国の違いが顕著に見られるのではないでしょうか。 日本の、慎重で公平なマスクの配り方。この政府の対応が得策だったのかどうかは、色々なとらえ方があるでしょう。日本人は規律に従い、そのルールの下、『やっていくこと』や『できること』が求められ、それをしていくのが当たり前になっています。もちろん、それも大事なことですし、それが勤勉で優秀な素晴らしい日本人でいられる要因の一つだと思います。

<h2>大切なことはそれぞれが柔軟に対応できる力、行動する力を持つこと</h2>ただ、未曾有の事態が起きたとき、対応力が求められるのは国や学校だけではなく、私たち自身にも言えることなのかもしれません。状況に不平不満を言うだけでなく、何をするべきか、何ができるのか、考え、柔軟に対応できる力、行動する力が私たちにも求められていることを忘れてはいけません。また、子育てをする上でも、子供たちが自分で考えて、行動できる力を身につけていけるように見守りたいなと感じています。

2022年6月のテーマ「国民性からみる対応力やフレキシビリティ（柔軟性）の違いについて」

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