<h4>ポーン</h4>生まれも育ちも仙台。牛タン＆笹かま大好き。アメリカで大学生活を過ごし、通訳の仕事をしながら旦那と出会い、結婚。専業主婦歴20余年。下は5歳児から上は大学生まで、4児の母。スターバックス発祥の地シアトル在住子育て中。（おかげでコーヒー飲めるようになりました！）チェスは初心者。クイーンになりたいポーン、ただいま精進中。

グローバルレポート2月のテーマは「世界の時間割事情」学校には必ず時間割があると思ってませんか？ いえいえ、実は世界には時間割がない学校もあります！ ということで、各国の時間割、レポートしてもらいました。

子ども達が通う小学校には時間割がありません。 中学や高校に行くと、日課表や時間割が決まっていて学校によって5校時、6校時までありますが、小学校ではフレキシブルに授業が行われています。時間割が当たり前にある日本人の私たちにとって時間割のない学校というのは想像しにくいと思いますので、1日の流れを見ていきましょう。<h2> スクールバスに合わせて調整されている小中高の登下校時間</h2> 我が家の学区の小学校の登校時間は9:10です。 ちなみに中学校は8:10、高校は7:30です。 学区内の小学校、中学校、高校、全ての学校で同じ通学バスを使う便宜上、登校時間をズラしています。 これは下校時刻にも通ずることで、それぞれの下校時刻は小学校が15:30、中学校が14:45、高校は14:05となっています。 私が高校生のときに14時過ぎという早い時間に帰宅することはほとんどありませんでした。 正直、放課後、何もしないで早くから家に戻る元気有り余る高校生に納得がいかない気持ちになることも少なくありません。

<h2>読解・書き・算数の3つの基礎科目と社会・理科以外は専科の先生による授業</h2>話を小学校の話に戻しましょう。9時過ぎに学校に着くと、まずは校内放送で上級生がその日の連絡とお昼ご飯のメニューを放送し、“pledge”という教室内にある星条旗に誓いを言います。 カリフォルニアの学校で、この誓いは週に一回だった気がするので、毎朝欠かさず誓いを行うワシントン州はカリフォルニアに比べて保守的だからなのかもしれません。そこからは、先生たちのさじ加減で授業が進みます。 毎日、基礎科目の ●読解（reading） ●書き（writing） ●算数（Math） の3つを中心に、曜日ごとに特別授業（専科の先生が教える授業）の ●音楽 ●体育 ●STEM ●図書 ●美術 などを学びます。 学校で時間が決まっているのは、この特別授業の時間と各学年に与えられたカフェテリアを使えるお昼休みの時間くらいです。 社会や理科については州が指定した時間数を元に調整しながら時間を見つけときに学習していると先生たちは言っていました。（適当！）<h2> 授業の時間配分や進度は先生の裁量にお任せ</h2>例えば、娘の学校の5年生の男の先生は歴史が大好きな先生で、明らかに南北戦争を教える単元に力を入れていて、熱量を感じます。 授業の時間配分に柔軟性があることで、先生が好きなことに熱を入れて教えることができて、先生の個性がわかりやすく見えてくるのも特徴的です。 それ以上に、時間割がない最大の利点は、子どもが理解するまでしっかりと教えることが出来ることだと思います。何分でこの単元を教えるということを気にせず、各児童の理解度に合わせて授業を進めることができるのは、とっても良いと、どの先生も仰っていました。

<h2>無料で配布されるのはワークブックだけ。教科書は教室のものを共有します。</h2>教科書はどうでしょうか。 日本の小学校では、各教科の教科書が毎年無料配布されますが、アメリカでは国から全児童に教科書が配布されることはありません。 各州ごとに決められたカリキュラムに沿った学習を各学区が予算に合わせてどの教材、ワークブックを使うか決めています。

これは、私の中のアメリカの教育における大きな懸念点で、住む場所によって学区の予算に差が出て、貧富の差が大きく教育の差となる怖いところです。 日本でも、どの学区やどの学校がいいという話が聞こえてきたりしますが、無料配布の教科書を元に時間割や各教科の学習時間も決まっていることから、アメリカほど貧富の差や教育の差が顕著でないことは素晴らしいことだと思います。

娘たちの学校の各教室には先生のパソコンと大きなスクリーンがあり、それを有効に活用しながら、現物の教科書は毎年同じものを教室で拝借したり、スクリーンで共有したりしているようです。 児童がもらうのはワークブックのみで、ワークブックは終わると家に持って帰ってきます。

<h2>改めて日本の教科書の素晴らしさとありがたみを感じています</h2>教科書をもらうことが当たり前だった小さいころ、日本の教科書のありがたみを感じたことは余りありませんでした。今、教科書をもらうことがない小学校に子どもを通わせてみると、日本の高質な素晴らしい教科書のありがたみを感じると同時に、教科によってはデジタル化やクラウド化することで繰り返し使えたり、無駄を減らすことにつながったりするのではないかなと考えます。 他の国の様子も気になるところです。教科書や時間割だけではなく、それぞれの国の良いところを選りすぐった学校をつくったら理想的な学校ができるのでしょうか。

2023年2月のテーマ「世界の時間割事情」

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