<h4>ポーン</h4>生まれも育ちも仙台。牛タン＆笹かま大好き。アメリカで大学生活を過ごし、通訳の仕事をしながら旦那と出会い、結婚。専業主婦歴20余年。下は5歳児から上は大学生まで、4児の母。スターバックス発祥の地シアトル在住子育て中。（おかげでコーヒー飲めるようになりました！）チェスは初心者。クイーンになりたいポーン、ただいま精進中。

12月のテーマは「世界の本と読書事情」。 今年も残すところあと1ヶ月。仕事に家事、何かと気忙しい年末ですが、年末年始は家族の時間でもあります。 お子さまと本を読む時間をつくってみてはいかがでしょうか。 海外在住Soda!ファミリーレポーターのみなさんには、下は5歳から上は大学生まで、幅広い年齢のお子さまがいらっしゃいます。 各国で子育て中のみなさんに、お子さまが好きだった本や、おすすめの本を紹介してもらいました。 英語の勉強に役立つ本もありますよ。ぜひ参考にしてみてください。

今回は、我が家のおすすめ絵本を紹介したいと思います。<h2> お風呂で苦労していたころの思い出の1冊『お風呂が必要なハト』</h2>まず、最初に紹介したいのは、うちの子どもたちが大好きな“The pigeon needs a bath.” by Mo Willems『お風呂が必要なハト』という絵本です。

表紙には汚れたハトが題名に背を向け、「必要ないし！！」と言っていて、お風呂に入る気ゼロなのが伝わります。 うちの子どもたちが幼いとき、毎晩お風呂に入るまでがバトルで、どんなに汚れていてもお風呂の必要性が伝わらず、入るまでのやり取りがこのハトとそっくりでした。しかも、（ネタバレ注意）やっと入ってくれると、実際は気持ちが良いのでしょう。今度は出たくないという矛盾。子どもたちとの毎晩の繰り返しが主人公のハトそのもので、いまでもこの絵本を読むと懐かしくなり、楽しい思い出が笑い話になる一冊です。子どもたちもいまでは大きくなり、自分たちでお風呂やシャワーの必要性に気付くようになりました。いま、子どもがお風呂に入りたがらない、苦労しているママさんにも読んでもらい、いつかは笑い話になると応援してあげたい気持ちで紹介します。

<h2>日本語訳では「大きな木」。英語では「与える木」</h2>二冊目に紹介したいのは、“The Giving Tree”by Shel Silverstein「大きな木」です。

こちらは、日本語翻訳もされていて、日本の本屋さんでもときどき見かけます。 緑色が特徴的な絵本です。邦題は「大きな木」とされていますが、英語だとGiving Treeとなっており「与える木」とあるように、男の子の人生を通して、一本の木が何を男の子に与えるかが書かれています。男の子が成長するごとに欲しいものや必要なものが目まぐるしく変化する中、この木の変わらない姿や愛情を感じて、読んだ後に反省したり、共感したり、温かい気持ちになる一方、気持ちを引き締められる一冊です。 Shel Silversteinの本は、ほかにも“The missing piece”や“Where the sidewalk ends”を代表する詩集などがあり、どの本も子どもから大人まで簡単に読めて、少し考えさせられる素敵な本が多いので、ぜひ、手に取ってもらいたいです。

<h2>1950年代のアメリカで1年生の80％以上が読んでいた“Dick and Jane” &nbsp;</h2>

最後におすすめしたいのは、“Dick and Jane”（ディックとジェーン）です。長男が産まれてすぐに義母からプレゼントされた本です。とても古い本で、1950年代ではアメリカの1年生の80％以上が読んでいたそう。確かに、クラシックな絵はアメリカの古き良き時代を感じさせ、いまとは異なるタッチの絵本になっています。 もらったときは時代遅れな絵本という印象で、シリーズが一つになったハードカバーの重い一冊に、正直、少し邪魔だとさえ思ったのですが、後に子どもたちがもう少し大きくなってから、この本は大活躍することになりました。アルファベット、フォニックスを学んだ後、まだまだひとりで読むことができる英単語が少ない幼稚園や小学1年生のころ、この本には子どもたちがひとりで読むことができる単語が多く、それを見つけながらゲーム感覚で読むことができるようになったからです。とても短い日常の何でもない話がいくつも入っていて、DickとJaneというふたりの主人公以外にも繰り返し出てくる登場人物がいたってシンプルです。 おもしろいストーリーラインはありませんが、子どもたちが自分で読める単語を見つけられるという点については優秀で、うちの子が英語で本が読めるようになったという自信がついた一冊でした。とても古い本で、登場人物の人種や階級に偏りがあり多様性を無視している点、何度も繰り返された文章で面白みがない点などから批判対象にもなり、いまでは賛否両論もあるようですが、我が家の子どもたちが英語学習において大きく、自信につながった一冊ということで紹介させていただきました。

2023年12月のテーマ「世界の本と読書事情」

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