<h4>ポーン</h4>生まれも育ちも仙台。牛タン＆笹かま大好き。アメリカで大学生活を過ごし、通訳の仕事をしながら旦那と出会い、結婚。専業主婦歴20余年。下は5歳児から上は大学生まで、4児の母。スターバックス発祥の地シアトル在住子育て中。（おかげでコーヒー飲めるようになりました！）チェスは初心者。クイーンになりたいポーン、ただいま精進中。

年末年始の過ごし方は日本各地で違います。 お正月のお雑煮ひとつとっても、白味噌、赤味噌、しょうゆ味とさまざまで、お餅も丸や四角、焼いたり、焼かなかったり。 これが海外生活となると・・・日々発見や驚きの連続。日本で普通だったことも国によっては失礼にあたったり、その逆も。 1月のテーマは「海外生活カルチャーショック」特集。 各国で暮らすファミリーレポーターの皆さんから、いろいろな発見や気づきを教えてもらいます。

<h2>『先生以外の時間』を大切にするアメリカの先生のワークライフバランス</h2>アメリカで生活を始めてから20年近く経っているいまでも、慣れないことがいくつかあります。 その中でも、学校の学習時間の少なさ、休みの多さにはいまでも「また休み？」と正直、少しイラッとさせられます。公的な祭日自体は日本よりだいぶ少ないのですが、学校には何かと休みがあります。 今回は、日本にはない公的な祭日以外の休みと、先生たちの働き方について話していきましょう。&nbsp; &nbsp;<h2>子どもたちを早く帰して先生が仕事に集中するショートデイ</h2>このあたりの学校では週に1回ショートデイといって、学校が75分早く終わる日があります。なぜだと思いますか？それは、毎週、この日に先生が会議をしたり、授業の準備をしたりする日になっており、子どもたちがいると仕事ができないからだそうです！！ 「いやいや、毎日の勤務時間の中でその時間を見つけたり、放課後にしましょうよ」と日本の先生たちの熱心な姿勢を知っているとツッコミたくなりますが、こちらの先生のほとんどは、授業が終わり次第すぐに帰宅するので、準備や会議、研修などのために確実に時間を確保できるように児童を早く帰すのです。ほかにも、学期が終わるころには成績をつける日として学校が休みになります。 いやいや、「本当にそれくらい普段からやってくれ」とまたまたツッコミたくなります。 そして、1年が終わるとガッツリ3か月近くの夏休みを取りますが、6月で1年を終えるため、日本の先生のように夏休みに登校日があったり、プール日があったりなどは全くありません。そもそも、プールがある学校なんて聞いたことがないので、水泳は学校で教えるものでもありません。 &nbsp;<h2>保護者が授業のボランティアをすることも</h2>

先月の娘の保護者面談で、担任の先生から娘が絵を描いたり、ものをつくったりするのが好きだという話から「アートの授業をしてくれないか」と頼まれました。娘の学校では、体育、図書、音楽、STEM（科学・技術・工学・数学）の時間は専科の先生が担当しますが、それ以外は担任の先生が教えています。 そして、図工のようなアートの授業は担任の先生が保護者ボランティアにお願いして、授業をしてもらうかたちになっているのです。 子どもたちが楽しくクラフトをしたり、絵を描いたりする授業は情操教育としてとても大事なことだと私も思っています。 お手伝いをすることには全く異存はありません。ただ、日本の先生たちと比べたら、アメリカの先生の時間や仕事の仕方に余裕がありそうで、もう少し頑張ってほしいと思うのです。それと同時に、働き方を少しうらやましく思わずにはいられないのです。&nbsp;

<h2>日本と比べて時間的にも経済的にもゆとりがあるアメリカの教員</h2>

SNSでつながる娘の小学校の先生方の投稿を見ると、ときどき集まって「最高の職場」と楽しそうに書いていたり、夏休みにハワイで「最高の夏休み」とあったり、先生たちが『先生でない時間』を楽しんでいる様子が伝わってきます。 お給料について調べてみると、ワシントン州の教員の平均時給が$ 23.17（約3,300円）、平均年収だと$69,060（約980万円）ほどになります。 円安も手伝って、日本円に換算すると、経済的にも余裕がありそうに見えるうらやましいお給料です。日本の教員のみなさんはどうでしょうか。 教育の場がブラック企業とさえいわれ、夏休み返上で働いている現状。 アメリカのような親が子育てのために休みを取りやすい職場環境やシステムの構築も含めて、教員の働き方改革は国や企業が本腰を入れていかないといけない問題だとは思います。 同時に、私たち親も日本の教員の尽力に感謝し、教師という職業が、多くの優秀な人材がなりたい職業となり、日本の子どもたちが学ぶ学校がより良いものになることのお手伝いをしていかなければならないのかもしれません。

<h2>先生と保護者はチームメイト。お互いの理解を深め、より良い関係を</h2>&nbsp;日本でもアメリカでも世界のどこにいても、先生、保護者が児童に多くを学んでほしいという気持ちは同じです。先生と保護者はチームメイトで、学習する児童を一緒に支えているという認識を持ち、より良い学校づくりがより良い教育とつながっていくのだと思っています。 私もアメリカの先生たちの休みの多さにもう少し理解を示しながら、先生たちのバランスが取れた上手な仕事の仕方が、児童にとっても有意義な学習につながると信じて、お互いの国の良いところを見習っていけたらいいなと思います。

2024年1月のテーマ「海外生活カルチャーショック」

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