<h4>ポーン</h4>生まれも育ちも仙台。牛タン＆笹かま大好き。アメリカで大学生活を過ごし、通訳の仕事をしながら旦那と出会い、結婚。専業主婦歴20余年。下は5歳児から上は大学生まで、4児の母。スターバックス発祥の地シアトル在住子育て中。（おかげでコーヒー飲めるようになりました！）チェスは初心者。クイーンになりたいポーン、ただいま精進中。

2025年最初のグローバルレポートは、海外で子育て中のみなさんに、お子さんの教育について気がかりに思っていることや、悩んでいることについて聞いてみました。 幼稚園から大学生までさまざまな年齢のお子さんがいるファミリーレポーターのみなさん。 それぞれ現地での学校や勉強、進学など教育に関する悩みごとや心配ごとなどを共有してみたいと思います。

我が子に、より良い教育を受けさせたいと願うのは、どの国の親も同じだと思います。アメリカで子育てをする中では、正しい情報や知識を得た上で、そこから、我が子や自分たちに適したものを選んでいく当たり前の作業がとても大切だと感じています。 &nbsp;<h2>統一テストの詳細なスコアが学校別に公開</h2>日本でも、「隣の小学校の方がいい」とか、「どこそこの学区がいい」といった情報を耳にすることがあるかと思います。ネット上でも小学校の人気ランキングを見かけるので、検索する人や関心の高さがうかがわれます。実はアメリカでは日本と同様かそれ以上に、学校情報が重要視されています。日本のほとんどのサイトは口コミなどを元にランキングをつくっているようですが、ワシントン州では、Smarter Balanced Assessments （SBA）というテストのスコアを元に学校を評価しています。アメリカの多くの州でも、小学3年生から中学生は毎年Smarter Balanced Assessments （SBA）のようなアセスメントテストを受けます。 このテストは日本でいう国語（ReadingとWriting）と算数の試験で、各教科での自分の理解がどれくらいのもので、全体や平均値と比べて自分の学び具合がどこに位置しているかわかる結果が出るようになっています。また5年生、8年生、11年生では同じような理科のテストも受けるシステムになっています。たとえば「<a href="http://greatschools.org" target="_blank" rel="noopener noreferrer">GreatSchools.org</a>」という学校検索サイトではデータを元に分野別に10段階で学校を評価しています。 &nbsp;<ul><li>学生の進捗（過年度のテスト結果との比較、伸び率）</li><li>学校全体のテスト（算数、Reading, 理科）の結果</li><li>人種別（白人・アジア系・ヒスパニック系）の割合と成績の比較</li><li>低所得世帯の割合と成績の比較&nbsp;</li><li>障害のある児童の割合と成績の比較</li><li>人口統計</li><li>児童数に対する先生とスタッフの比率</li><li>口コミ</li></ul>

日本では個人情報と懸念され手に入らないような、これらのデータは家賃や家の値段に大きく影響するので、家を見つける不動産サイトにも載っている重要な情報となっています。私が実際に気にしたのは、学校のスコアが低くないこと。10点中10点が理想ですが、8，9点まで視野を広げて、家探しをしました。これは子どもたちがいま入学する小学校ももちろんそうですが、中学、高校と通学する可能性がある学校の点数を確認しました。また、人口統計も気にしてみました。在学する人種に偏りがないか、また、大変残念なことですが、安全面を考え、低所得家庭が多すぎるエリアも避けました。優秀な学区や学校にはアジア人が多いのが特徴です。 カリフォルニア州でもワシントン州でも学業に力を入れている学校や学区の近くに住まいを構える日本人はいつでも多い印象です。（優秀な学区は安全なことも大きな要因でしょうね。）実は、子どもの成功のために厳しくコントロールする親はTiger Momと呼ばれ、ネガティブなイメージも込められているのですが、基本的にアジア人の母親のことをいいます。

子どもの成功を望むのは、みんな同じだとは思いますが、それが子どもの精神的な負担になったり、燃え尽きることのない程度にすることが、社会的には望まれているようです。確かに、周りにいる日本人の多くの子どもたちが優秀で、ハードワーカーです。比べてはいけないとわかっていても、自分の子どもにも、あともう少し頑張ってと期待したくなることがあります。 子どもたちは、現地校のアジア人ではない友だちと比較し、自分はもっと勉強していると言い、親の私は自分の子どもがほかの日本人より勉強していないように感じてしまうことがあるのです。また、学校内でもいくつかの選択肢があります。どんなプログラムやどんな習い事をさせるのか、が悩みの種です。 たとえば、一般の小学校よりも速いスピードで授業が進み、課題が多い学校を受けるHighly capableプログラムがあります。小2のときに試験を受けて、合格すると入学できる資格をもらえます。はじめて聞いたときは、授業を速く進める必要性によく理解できませんでしたが、こうすることで、小学校卒業後、ミドル、ハイスクールとどんどん先の単位を取ることができるのです。

ワシントン州ではハイスクールの3年目から、Running startというプログラムでコミュニティカレッジや州立大学で大学の単位を取ることができます。高校卒業に必須の科目を早めに取得することで、高校在学中にカレッジの単位に早めに取得できるというわけです。 こうすると、大学に入学後、高校時代に取得した大学の単位を有効にすることで早めに卒業できるシステムになっています。 実際、高校の卒業式で短期大学士まで取得している生徒が、毎年何人か存在します。 長男が小さいころは、小学生の時からそんな先のことを考える余裕などなかったし、自分の無知もあって、そんなことは考えもしませんでした。 習いごとも小学校の時には好きなことや興味のあることをさせるくらいにしか考えていませんでしたが、アメリカ人の中には高校のクラブに所属できるように、小学生のころから、高校にチームのあるスポーツから何か選んで習わせる家庭もあるようです。

現在進行形の末っ子の子育てでは、たくさんの選択肢を理解しつつ、且つ、踊らされない程度に、子どもに適した学習の進め方を見極めていきたいなと日々、考えさせられています。 ネット社会の現代では情報がたくさんあふれています。教育や子育てに関する正しい情報を得て、有効に活用し、また、親の期待が子どもたちを苦しめすぎない程度であることを願いたいです。 私も自分のTiger Mom具合もコントロールしつつ、子どもたちへの可能性を少しでも広げていくことが子育ての課題です。

2025年1月のテーマ「子どもの教育への不安」

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