ほっとSoda情報局

皆さんはご家庭で「お金」について、親子で話されたりしていますか？ なんとなく、日本には子どもにお金の話はタブーみたいな常識が存在していたような気がしませんか？私が子どもの頃は、親が何かを買ってきたときに「それ、いくらしたの？」と聞くと「子どもはお金のことなんか、気にするもんじゃない」と言われたりしたものです。 そこまででなくても、お金の話は大人同士のこと。子どもに共有することはないというご家庭も多いのではないでしょうか。でも、もうそんな考え方は時代遅れかもしれません。 広辞苑によると、お金とは「"貨幣"としての黄金など。金銭」とありますが・・・果たして本当にそうでしょうか？

<h2>変わりゆく「お金」</h2>まず、「お金」の概念がここ数年で大きく変わりました。 電子マネーって何？と思っていたのが嘘のように、急速にキャッシュレス社会が進んでいます。 今や、日本も欧米並にクレジットカードなしでは契約ができないことも多くなりました。 キャッシュレス決済の普及で、カードやスマホをかざすだけで、実際の紙幣や硬貨を介さずお金のやり取りや買い物が簡単にできる時代。 お財布を忘れても、スマホさえあれば電車にも乗れるし、買い物もできてしまうので、お財布の分厚さや重さでお金の増減を実感することが少なくなり、金銭感覚が養いづらい世の中になってきました。でも、本来、労働の対価として手に入れたお金があって、初めて生活ができます。親が働いて稼いだお金をやりくりしているわけで、決してスマホやパソコンからお金が出てくる訳ではないのですが、小さい頃からキャッシュレス社会が普通の子どもたちにとって、そんなふうに思ってしまっても仕方ないかも。 今や、お金をやり取りして金銭感覚を自然に学ぶ、ということはもう難しいかもしれません。

<h2>お金について学ぶ「金融教育」</h2>みなさんは「金融教育」という言葉をご存知でしょうか。 日本ではこれまで「お金」についてきちんと学ぶ授業はありませんでした。 金融広報中央委員会によると金融教育は、 「お金や金融の様々なはたらきを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育である。」 とあります。※ つまり、お金の流れを通して自分たちの暮らしや社会について改めて考え、社会や人生を主体的に豊かにするための教育、というところでしょうか。 そもそも、子どもにとってお金の流れはわかりにくいものですが、生きていくためにはとても大切なことですし、金銭トラブルに巻き込まれないためにもきちんとした理解が必要です。 それには、小学校低学年くらいから家族で自然にお金の話ができる環境をつくっておくことをおすすめします。&nbsp;※出典：<a href="https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/program/program01/program101.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「金融広報中央委員会 暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト 知るぽると」</a>

<h2>小学生もお金について学ぶことが大事</h2>2021年、金融庁が「うんこドリル」と連携して小学生向けコンテンツ<a href="https://unkogakuen.com/manabi/money" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「うんこお金ドリル」（うんこドリル×金融庁）</a>をリリースして話題になりました。「うんこお金ドリル」には、日々のお金の使い方などをテーマにした「生活編」と、お金が社会の中でどう回っているのかをテーマにした「経済編」の2つがあります。「うんこお金ドリル　生活編」を参考にした、小学生に伝えられる「お金の知識・知恵」を7つご紹介します。<h3>1　買い物をするにはお金がいる</h3>「欲しいものがある」と子どもに言われたときがチャンス！ その代金を稼ぐために、どれくらい働かなければならないかを教えてあげましょう。また、そのものの値段がどのように決まるかも簡単に説明することで、お金の価値を実感るす機会にもなります。&nbsp;<h3>2　人が喜ぶことをする</h3>「お風呂掃除をしてくれると助かるなあ～」などと伝えてみましょう。お子さんが「僕・私がやってもいいよ」と言ってくれたときがチャンス！ 「ありがとう！すっごく嬉しいから、対価を払わせてもらうね」と感謝の気持ちを伝えておこづかいをあげましょう。ただし、「お金をあげるからお風呂掃除してくれる？」は意味が違うのでNGです。お金のために行動を起こす、のではなく、誰かの喜びや感謝の気持ちが対価につながるということを感じてほしいのです。&nbsp;<h3>3　お金は計画的に使う</h3>お年玉やお誕生日のお祝いなど、少し大きなお小遣いをもらったときがチャンス！ せっかくもらったお金。 この先何がしたいか、そのためにお金がどれくらい必要か、将来の話をしながら親子で一緒に考えてみましょう。&nbsp;<h3>4　お金の貸し借りはだめ</h3>遠足のおやつなどを、お友だちと一緒に買いに行くときがチャンス！ 「自分の持っているお金だけしか使わないこと」「お友だちの分を買ってあげたり、足りない分を出してあげたりしないこと」をきちんと伝えましょう。 お金の貸し借りのトラブルが、親を巻き込んだ事件に発展するケース、実は多くあります。&nbsp;<h3>5　困ったときは相談</h3>お子さんが何か困った様子になったときがチャンス！ 日頃から、困ったことがあったときに話しやすい関係をつくっておきましょう。 特に、お金に関わることは、子どもはバツが悪くて言いにくかったりしくなりがち。気がついたときには問題が大きくなっていることが多いです。 お父さんやお母さんの失敗談を、それとなく話してみておくのもいいかもしれませんよ。&nbsp;<h3>6　お金を増やす方法がある</h3>お正月や年末、進学のときがチャンス！ お小遣いや貯金がいくら貯まったか聞いてみましょう。 そのときに物を買うだけでなく、貯蓄や投資、株の仕組みなどを教えてあげるのもいいでしょう。 &nbsp;<h3>7　頑張る人はかっこいい</h3>お子さんが何か頑張ったとき、または頑張らなければならない状況になったときがチャンス！ 頑張った先に何が待っているのか、目の前のことだけではなく、将来につながる話を親子でしてみましょう。 「頑張ったことが何の役に立つのか？」この答えは難しいですが、ここは人生の先輩として経験値を活かして伝えてみてください。この機会に、お父さんやお母さんの仕事について話してみるのもいいかもしれません。頑張っていることも照れずに話してみてください。そして、お子さんが憧れる職業や、なりたい姿について聞いてみてください。 お子さんが「お金持ちになりたい！」と言ったら、YouTuberやスポーツ選手など、お金を稼いでいる人が、そのためにどれだけ努力をしているかを必ず教えてあげてください。 ▼関連記事 【教育のアレコレ】 <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-230210/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「お金を稼ぐ」疑似体験で算数を学ぶ！</a> <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-230210/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">探究学習塾エイスクールの独自カリキュラムから学ぶ「子どもが算数嫌いにならないコツ」とは？</a>

<h2>海外の金融教育事情は？</h2>海外では、早くから「金融教育」がカリキュラムに組み込まれてきました。 その多くは、お金と経済の仕組みについて学び、自分のお金をどう管理するか、リスクと利益について理解し、情報リテラシーについても学びます。 学校以外にも、国やNPOが金融プログラムを提供するなど、子どもたちへの「お金の教育」に力を入れているのです。 日本でもようやく「金融教育」の必要性が高まり、2022年からは高校の新たな必修科目として“金融経済”に関わる学習が加わり「家庭科」では“資産形成”を学ぶことになりました。 その定義は以下となっています。※<ul style="list-style-type:disc;"><li>生活設計・家計管理に関する分野 資金管理と意思決定、貯蓄の意義と資産運用、生活設計、事故・災害・病気などへの備えについて。 &nbsp;</li><li>金融や経済の仕組みに関する分野 お金や金融の働き、経済把握、経済変動と経済政策、経済社会の諸課題について。 &nbsp;</li><li>消費生活・金融トラブル防止に関する分野 自立した消費者、金融トラブル・多重債務について。 &nbsp;</li><li>キャリア教育に関する分野 働く意義と職業選択、生きる意欲と活力、社会への感謝と貢献について &nbsp;</li></ul>※出典：<a href="https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/program/program02/program201.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「金融広報中央委員会 暮らしに役立つ身近なお金の知恵・知識情報サイト 知るぽると」2.金融教育の目標と方法</a><h2> 「お小遣い」は日本特有の習慣？海外では小学生でもお金は「稼ぐ」もの</h2>日本では、親から子どもに月や週ごとに決まった金額を与える「お小遣い制度」が一般的ですよね。実はこの「お小遣い制度」は日本特有の習慣なのです。 海外では、お小遣いとして親から子どもにお金を与えることはほとんどありません。小学生が子どもだけで買い物に行く、ということはないので、必要なものは親が購入します。 ただ、欲しいものがあったり、お金が必要なときは、親の許可を取った上で、ガレージセール（自宅の庭先やガレージでの不用品販売）を開いたり、レモネードを売ったりして自分で稼ぎます。 小さい頃から「お金はもらうものではなく、稼ぐもの」という感覚が身についているのではないでしょうか。 &nbsp;▼関連記事 GLOBAL REPORT「世界のお小遣い事情を比べてみた！」 <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/contents/global-report/detail/us-pawn-2300922/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">・小学生はお財布を持っていない？アメリカのお小遣い事情</a> <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/contents/global-report/detail/hi-akane-230921/ " target="_blank" rel="noopener noreferrer">・お小遣いは自分で稼ぐもの？ 子どものころからお金の価値を自然に学ぶハワイ</a>

ここまで、小学生のお金の教育について考えてきました。 お金について学ぶといういうことは、お金の流れを通して自分たちの暮らしや社会について改めて考え、社会や人生を主体的に豊かにするということです。たとえ子どもであっても、生活するのにはお金が必要なこと。そして、そのお金は誰かの努力によって生まれていることをきちんと伝えた上で、お金を大切に使うことや、学校に行くためにどのくらいお金がかかるのか、ということも一緒に考えてみてはいかがでしょうか。 &nbsp;

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