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幼稚園までは、子どもが描いた落書きですら「よく描けたね～」と褒めていたのに、小学校に入ったら、図工という授業が始まり、当然通知表も 。 教室に貼られたみんなの絵と自分のお子さんの絵を比べてため息・・・なんてパパ・ママも少なくないのでは？ 「うちの子、どうしたらもっと絵が上手になるのかしら」そんなパパ・ママ必見の お役立ちヒントをお届けします。<h2>小学生が描く上手な絵ってどんな絵？</h2>

そもそも、上手な絵とは、どういう基準で判断するのでしょうか。 確かに、小学生でも、明らかに技術的に上手な絵を描けるお子さんもいます。そして、学校の図工の授業には点数（評価）がつきものなので、ついついよそのお子さんと比べつつ、大人の目から見て上手い・下手という基準で見てしまいがちですよね。 でも、小学1～2年生のうちは、見たまま、感じたままに描くことができれば十分。そして何より楽しく描くこと、嫌いにならないことが大切です。 それを踏まえて、子どもの絵の評価ポイントは次の4つになります。 &nbsp;<h3>1）大きく伸び伸び描けている。</h3>描いたものが小さすぎると、何を描きたいのか、分かりづらいですよね。 また、失敗を気にしすぎると、クレヨンや筆のタッチが弱くなって、絵の印象も弱くなります。反対に、力強く描けているとやりたいことが絵に表れます。<h3> 2）バランスよく描けている</h3>のびのび描くのはいいけれど、描きたいものがちゃんと画用紙の中に収まっているのかは大事。例えば、お友だちを描きたいのに手が入らなかったとなると、きちんと伝わらないですよね。<h3> 3）画材を上手く使えている</h3>自分が描きたい絵に合った画材を使えているかも大切です。絵の具や色鉛筆、クレヨンなどの画材はお子さんが使いやすいものを選んであげましょう。<h3> 4）丁寧に描いている</h3>正確に描けているかや、綺麗に色が塗れているかよりも、一生懸命に描こうとしているかどうかが大切。全部でなくても、お子さんがこだわった1箇所だけでもいいのです。 技術的な評価も、もちろんあります。 車が大好きで、車の絵を描くととても精巧に描ける子や、色彩感覚が抜群で綺麗な色使いができる子など、運動が得意だったり、歌が上手なことと同じように、得意不得意、器用さといったことも個性として影響することは否めません。 また、学年が上がるにつれ、そういった技術面の評価ポイントが大きくなるのも事実です。 ですが、絵画教室や作品展の先生が見ているのは「器用さ」よりも「描きたいことがうまく表現できているか」ということなのです。&nbsp;<h2> パパ・ママができることは「子どもの視点を増やし、想像力を引き出すお手伝い」</h2>

小学1年生が、自分だけで描きたいものを上手く表現できる方法を見つけられるかというと、それはちょっと難しいですよね。 だからといってパパ・ママが「こう描けばいいよ」と教えて描かせてはだめ。そもそもそんな絵はすぐにバレてしまいます。あくまでも子どもが描きたいものを描く。 そのためには、絵を描いたり、粘土で何かをつくったりする前に、親子でよく話すことが大切です。 例えば、お子さんが「カブトムシを描きたい！」と言ったとします。

親「カブトムシ、どうして描きたいの？」

子「だって、ツノが生えててかっこいいから！」

親「そうだねえ、かっこいいよねえ、強いもんね」

子「うん、強いよ！だってツノで戦うんだよ！」

親「そうか、ツノってどんな形だっけ？」
「強そうに描くには太い線？細い線？」

というふうに、お家でカブトムシを飼っていたら、実物を一緒に観察しながら、実物がいなければ、図鑑やインターネットで写真を探したり、形や特徴、色についていろいろ話をしたりしながら、ヒントを与えてお子さんの視点を広げてあげましょう。 カブトムシを1匹だけ描くのか、戦っているところがいいのか、描きたいイメージが具体的になるように引き出してあげるのです。 お子さんの意外なものの見方に気がつくなど、発見があるかもしれません。 まとめると、1.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;お子さんが何を描きたいのか 2.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;それはどうしてなのか 3.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;どこに魅力を感じているのか 4.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;どんな形をしているのか 5.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;どんな色をしているのか 6.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;そのためにはどんな書き方がいいのか お子さんの視点を増やし、想像力を引き出してあげるのはパパ・ママができる一番のサポートです。ただし、無意識に「こうあってほしい」という方向に誘導してしまいがちなので、そこは要注意です。 &nbsp;<h2>絵を上手く描くためのコツ</h2>

ここまで、上手く描くことよりも、お子さんの描きたいものが何かを明確にして、失敗を恐れずのびのび描くことが大切だということをお伝えしてきました。 ここからは描きたいものを決めた後、実際に絵を描く際のポイントを具体的にお伝えしていきます。 &nbsp;<h3>1）描きたいものをよく観察する</h3>360度いろんな角度から「愛でる」ように見てみましょう。<h3>2）主題はあくまでも子どもが決める！</h3>その子の視点で描きたい部分を決めます。パパ・ママが決めてはダメ。 ただし、何が描きたいのかを引き出すためのアドバイスは必要です。<h3>3）設計図を描く</h3>本番と同じサイズの別の紙に描きたい絵の「設計図」を描いてみましょう。何をどんなふうに絵にするのか。設計図はとても重要です。<h3>4）画面に入るようにアドバイス</h3>本人が描きたいものがちゃんと画面に入るように、アドバイスしてあげてください。<h3>5）下書きをする</h3>鉛筆で本番の紙に設計図をもとに描いてみます。<h3>6）丁寧に仕上げる</h3>本人がこだわっている箇所は納得いくまで描かせてあげましょう。<h3>7）画材を選ぶ</h3>画材を選ぶポイントは、自分で使ってみて、どれが一番気に入ったのかで決めてかまいません。また、描きたいものを決めたら、それがより描きやすい画材を勧めてあげるのもいいでしょう。

<h2>描いた絵の褒めポイントが大事</h2>お子さんが描いた絵を見たとき、絶対にガッカリした顔を見せたりしないでください。否定するのはもってのほか！ けれども「上手く描けたね」とざっくり褒めるのもどうでしょう。褒めポイントがお子さんのモチベーションと自信につながります。最初にお子さんとじっくり話ができていたなら、何を描きたいのかわかっているはず。 例えば、セミの絵を描いた場合。 実は、セミの色って思っているより複雑なので、お子さんがよく観察してセミの色を頑張って表現しているところを評価してあげたり、カブトムシが強そうに見える太い線に気がついてあげたり。 「こだわったところにちゃんと気がついてくれた！」と思うことで、親子の信頼関係も深まります。<h2> 模写について</h2>絵を上手に描けるようになるためには模写が有効、といわれることがあります。 確かに、好きな構図や、筆のタッチ、色使いなど、模写から学べることは多くあります。 ですが、それは大人になってからでいいと思います。 模写の本来の学びは、その作家がどんなものの見方をしているのか、どんな表現をしているのか、つまり、その作家がどう世界を捉えているのかを知るために「なぞる」ことにあります。 真似っこには本当の学びはありません。 小学生が絵を描く際には、形やバランス感覚を理解するために写真をなぞってみるのがいいでしょう。誰かが描いた絵は画材の選び方や色のつけ方の参考程度にするのがおすすめです。<h2> ピカソの絵は上手い？下手？</h2>「天才画家」といわれる、誰もがその名前を知っているピカソ。 キュビズムの代表作「泣く女」を子どものころに初めて見たとき「これはなんだ？上手いのか？下手なのか？」と思ったものです。

作品名：泣く女 製作年：1937年 サイズ：60ｘ49ｃｍ 技法　：油彩　カンヴァス 所蔵　：ロンドン　テート・モダン 西洋絵画美術館サイトより引用 <a href="https://artmuseum.jpn.org/mu_nakuonna.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://artmuseum.jpn.org/mu_nakuonna.html</a> 美術の先生によると 「ピカソは表現の発明家」。 言ってみればコロンブスの卵みたいなものだということです。 「泣く女」の絵は、女の人の顔を描く場合、普通、正面から見た顔か、左右どちらかの横顔を描こうとする。 けれども、ピカソは正面から見た顔も、右側も、左側もみんな同じ人の顔なんだから全部一緒に描いてもいいだろう、 という発想で「キュビズム」という全く新しい画法で表現したパイオニアなんだそうです。もちろん、その背景には、基礎的なテクニックはもちろん、いろいろな画法をたくさん練習したからこそ、新しい独自の表現方法をつくり出したわけです。先生曰く「図工や美術で学ぶべきことは、自分なりのものの見方、解釈をすること。『お手本通りに綺麗に描くこと＝絵が上手い』ということではないです。先生も、そこを一番評価のポイントにしています。その子が描きたいものを丁寧に表現しようとしていることは先生には必ず伝わります。そのために何度も色を塗って真っ黒になってしまっても、その過程はちゃんとわかっています。反対に、大人がちょっと手を加えた箇所も残念ながらほぼわかってしまいます。」

<h2>絵を描く過程を親子で楽しむことが、上手になることにつながります</h2>小学校低学年のうちは、絵を上手く描けるようになることよりも、物をいろいろな方向からじっくりと観察する癖をつけてあげることが大切です。上手く見せるためのテクニックや、大人の目線で必要以上にアドバイスするのは、子どもの想像力を制限することになるのでやめましょう。お子さんが好きそうな絵を見せてあげるなど、お子さんが描きたい絵を具体的に想像できる構図のヒントや、描き方のアイデアを教えてあげるのはいいと思います。 小学生は、純粋に感じる感性を大切にする時期。 ぜひ、感受性のタネを育ててあげてください。

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