ほっとSoda情報局

ライター／みっちー イギリス北部スコットランド在住。大阪生まれ、神戸育ち。 大学在学中に北米へ留学し英語と仏語を学ぶ。 大学卒業後、日系商社に勤務。 2011年結婚を機にスコットランドに移住。 2013年に長女、2017年に長男を出産。 現在は子育てをしながら日本語教師として働く一方、 フリーランスライターとして企業様のHP、コンテンツ、ブログ、メルマガなど幅広く執筆中。 趣味は読書、エクササイズ、家庭菜園。

みっちーのスコットランド流子育てスコットランドで始まった、手探りの子育て。子育ての違いに戸惑う日々。 そんな中でたどり着いた、住む国や一般論など型にはめることなく、自分がいいと思ったことを取り入れる「いいとこ取り育児」を紹介するみっちーのスコットランド流子育て​​。 <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/hotsoda-240306/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「子どもの自己肯定感が育つ魔法の声かけ（前編）」</a>では、“子どもの行動や活動の場面”での声かけのヒントをご紹介しました。 後編は、より子どもの心に寄り添う声かけについて残り3つをご紹介します。 &nbsp;<h2>親子の信頼関係を築く“子どもの心に寄り添う”声かけ</h2><h3>その3　「この絵のお話して」～まずは子どもにしゃべらせてから褒める</h3>

子どもからこれ何描いたかわかる？と聞かれて‥子どもによくわからないお絵かきを見せられて「これ何かわかる～？」と聞かれたことありませんか？子どもを傷つけたくないわけではないけれど、心の中では 「これ、何…？（汗）」 と頭がフリーズするあの経験です（笑） こちらの困惑とは裏腹に、絵を見せる子どもは自信たっぷりの笑顔。 「えっへん！上手く描けてるでしょ？」と言わんばかりの表情。 「どうしよう…『これ、何？』と言いたい‥。けど子どもを傷つけたくない…」そんなときどうしたらいいの？と、こちらの小学校の先生に相談したところ、先生が使っているテクニックを伝授してもらいました！ それは「これ、何？」と聞くのではなく、「この絵のお話して！」とお願いするというのです。こちらが感想を言う前に「まず絵を描いた本人に何を描いたかしゃべらせてしまおう！」という作戦です。その説明を聞いたあとにコメントをしてあげれば、子どもを傷つけることなく感性を褒めてあげることができるというわけ。質問に質問で返すのに似ていますよね。「この絵のお話して！」と言うと、子どもは「ここにフワフワの白いウサギがいてね、今から土の中にあるニンジンを掘って食べようとしてるの」とまるで物語のように絵の詳細を話してくれるのだとか。 その後で「なるほど！このウサギさん、ほんとうに毛が長くてフワフワだね」なんて一言を添えると子どもの感性を否定することなく、ポジティブな声かけができるんだそうです。 さすが教育現場で毎日子どもと接しているプロフェッショナルのテクニックだと感心しました！

ポジティブな声かけのレパートリーを増やしてハッピーにウチの長男は軽度の色盲です。なので本人の感性を傷つけない声かけをするのに苦労していました。息子の場合、青と紫の識別が難しく感じるときがあるためお絵かきをしているときも空を紫に塗ってしまったり、ぶどうを青に塗ってしまうことがあります。そんなときでも周りの大人たちが言ってくれるのは、「すごくきれいなお空！夢の中のお空みたい」 「日暮れどきのお空って、まさにこんな色ですごく好きなんだよね」 「このきれいなツヤツヤの青いぶどうはどんな味がするんだろう？食べてみたいなあ！」とポジティブな言葉ばかり。「夢の中みたい」や「これ新しい（斬新だ）ね！」といった声かけも色々なシーンに使えてとても便利なので「も～らいっ♪」と、すかさずメモ、メモ。自分の声かけレパートリーに入れています！<h3> その4　「どう思う？どうしたらいいかな？」　～子どもにちょっぴり考えさせる</h3>

ありがとうもごめんなさいも「言わせる」ことを強いらない人から優しくされたとき。 人から何かをもらったとき。 逆に他のお友だちを傷つけてしまったとき。私はいつも「『ありがとう』は？」 「『ごめんなさい』でしょ？」 と、子どもに「ありがとう」や「ごめんなさい」を半ば強引に言わせていました。 しかしこちらのママたちはいつも「何ていうんだっけ？」 「こういうとき、どうするんだっけ？」と声をかけます。こういうシーンも「声のかけ方」が違うなあ、と感じていました。 こちらのママたちは問いかけることで、ちょっぴり子どもに「考えさせる」のです。

その昔、子ども会でウチの子がつくっていた積み木を友だちが全部壊してしまったことがあります。ウチの子は積み木が崩れてギャン泣き。そんなとき、お友だちのママが言っていたのが「お友だちが泣いちゃってるよ。どうしてだと思う？」 「何をしたらいいと思う？」と問いかける言葉。 その子は結果、泣いてる我が子にギューッとハグをしてくれたのでした。 たぶん積み木を壊したことよりも、泣いているお友だちをなぐさめてあげたいと思ったんでしょう。もしかすると、自分が積み木を壊したことすらあまり覚えていなかったのかもしれません。そして「一緒に大きなお城つくる？」と一言。 「ごめんね」がなくても、子ども同士で機嫌を取り合って、楽しく遊んでいました。「謝りなさい」「『ごめんなさい』でしょ」と言うと、子どもの意思や感情とは関係なく「言わされてる感」が出てしまったり、状況を考えたり理解しないまま終わってしまうことが出てくるような気がします。「ごめんなさい」も「ありがとう」も、罪悪感や感謝など「気持ち」が原動力になってはじめて出てくる言葉。 ただ大人に「言いなさい！」と指示されて言うものじゃあないよな～……なんて思うと 「どのように言葉を引き出すかも大切なのかも！」と思わされました。ただ、あまりしつこく問いかけると逆に「回りくどくてめんどうくさい親」になってしまいかねないので、自分の中ではこのちょこっと加減がミソなような気がしています。<h3> その5　「乗り越える強い心があるね」～子どものココロに寄り添う</h3>

子どもが保育園に通うようになったときに、保育園の先生がみんな使っているフレーズを疑問に思った記憶があります。 それが「You are brave!（＝あなたは勇敢）」という一言。子どもが転んで泣いていると「You are brave!」。 子どもが予防接種の注射をしたと言うと「You are brave!」。もちろん保育園の先生だけではなく、周りの大人たちもみんな「You are brave!」と言葉をかけてくれるのです。「Brave」は日本語に直訳すると「勇敢」という意味なので「転んで勇敢？注射で勇敢？どういうこっちゃ？」と思っていました。聞くところによると、自分の中にある恐怖や痛みと向き合ったり、それを乗り越えたことに対して「恐いことを乗り越えたあなたは強い心を持ってるよ」というニュアンスでいうフレーズだそうです。「痛かったね」「怖かったよね」という共感と同時に 「逃げずに立ち向かったあなたは強い心の持ち主だよ」といった子どものココロに寄り添った言葉かけもとても素敵だなあと感じたのでした。いまでも子どもに何か嫌なことがあったときは 「それは嫌な気持ちになったね。それでも向き合ったんだから、ママは偉かったと思うよ」「逃げずに向き合ったんだから、大人じゃん！」と声をかけるように心がけています。<h2> ポジティブな言葉のシャワーでありのままの自分を好きになれる</h2>

私が魔法の声かけで得られたことは‥‥

<ul><li>自分に自信が持てる</li><li>自己肯定感が高くなる</li><li>親の言いたいことが子どもによく伝わる</li><li>より良い親子関係が築ける</li><li>親子で笑顔が増える</li></ul>

スコットランドで暮らしはじめて13年。 現地の人たちを見ていると、自分の意見や感じたこと、自分の好きなことは「こうだ！」「自分はこう思うんだ！」「これが好きなんだ！」と自信を持って言います。周りの人からどう見られるか、とか「こんなこと言うと変な人と思われるんじゃ……」と 自己表現や自己主張を怖がることもありません。これが日本と諸外国とで差があるといわれている「自己肯定感」というものだと思います。小さいときから親や先生、周りの大人たちからポジティブな言葉のシャワーを浴びて育った結果、こちらの人は「ありのままの自分」を好きになれ、自分に自信を持って生きているような気がするのです。また否定的な言葉を使わず、子どものすべてをありのまま受け止めた声かけをすることによって、より良い親子関係を築くことにも繋がっているような気がしています。特にウチの子どもたちはスコットランド人と日本人のハーフ。 両親ともに現地人の家庭と比べると違うことが多々あります。それでも、成功も失敗も感性も違いのすべてを「いいね！」と受け止めてもらってきたせいか、学校でも友だちの中でもしっかりとした自分軸と自信を持っているように感じています。こちらで発見した「声かけ」を意識して実践してみると、親の私も「子どもを否定したりしなくていいんだ！」「子どもの感性をそのまま受け止めてあげられると私自身もうれしい！」と明るい気持ちになり、自己嫌悪に陥ったりイライラモヤモヤすることもずいぶん減りました。とは言っても、私もまだまだ半人前ママ。ときどき（いや、ほぼ毎日かも。笑）感情にまかせて怒ってしまうこともあるのですが、周りのママたちを見習いながら、もっともっとポジティブな声かけを増やして、毎日笑顔で過ごしたいと思っています！

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