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目次<ul><li>アンガーマネジメントとは</li><li>小学生にもアンガーマネジメントが必要な理由</li><li>アンガーマネジメントのメリット</li><li>そもそも怒りの感情とは？</li><li>小学生の親ができるアンガーマネジメントの方法 ・子どもの感情を客観的に判断する ・子どもの話を聞く ・落ち着かせるための行動をとる &nbsp;</li><li>小学生が自分でもできるアンガーマネジメントの方法・感情カードを使う ・深呼吸をする ・6秒数える ・言葉にして伝える ・問題から離れる &nbsp;</li><li>まとめ</li></ul>

皆さんは「怒り」の感情を上手にコントロールできていますか？私たちは日々の生活の中で、イライラしたり、憤りを感じたりすることがありますよね。怒りの感情がコントロールできないと、周りにも自分にも悪影響を及ぼしかねません。これは、大人だけではなく子どもにも言えることです。感情のコントロールが難しく、お友だちをキズつけてしまったり、癇癪を起して暴れてしまったりするお子さんに、手を焼いている親御さんもいるでしょう。本記事では、子どもでもできる、怒りの感情と上手く付き合ってコントロールしていくためのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。 &nbsp;<h2>アンガーマネジメントとは</h2>

アンガーマネジメントは、怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニングのことです。1970年代のアメリカで、軽犯罪者向けの矯正プログラムを起源として発展したものです。さまざまなストレスを抱える現代人は、怒りをコントロールできずに、怒りやすい人が増えていると言われています。怒りのコントロールができないと、些細な言い合いがきっかけで事件の原因になってしまったり、周囲との関係性が悪化したりといったリスクが想定されます。近年では、企業の研修や、小学校の特別授業としても取り入れられており、注目を集めています。たとえば企業では上司や部下、学校では先生やお友だちなど、周囲の人と円滑なコミュニケーションをとれるようになることで、人間関係でのストレスが軽減し、また視野が広がるなどの効果を期待できます。※参考：<a href="https://www.angermanagement.co.jp/about" target="_blank" rel="noopener noreferrer">日本アンガーマネジメント協会</a> &nbsp;<h2>小学生にもアンガーマネジメントが必要な理由</h2>

近年注目されているのが、小学生向けのアンガーマネジメントです。背景として、感情をコントロールできない子どもが増え、子どもの犯罪が増加していることが挙げられます。令和4年に文部科学省によって実施された<a href="https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」</a>によると、小学生の暴力行為の発生件数は、前年度の48,138件から13,317件も増加して、61,455件にのぼります。1年間で、小学生の暴力件数が約1.3倍にも増えているのです。暴力行為は、加害者も被害者も、心とからだにキズを負います。このような事態を防ぐためにも、アンガーマネジメントが必要とされているのです。 &nbsp;<h2>アンガーマネジメントのメリット</h2>

アンガーマネジメントができるようになるのは早くて5歳から、小学生になる6歳ごろには、怒りのコントロールが可能になると言われています。※参考：<a href="https://www.angermanagement.co.jp/blog/blog_column/371" target="_blank" rel="noopener noreferrer">日本アンガーマネジメント協会「5才から8才の子ども向けアンガーマネジメントテクニック」</a>集団行動で円滑なコミュニケーションをとるために、早いうちからアンガーマネジメントを習慣づけることが重要です。小学生がアンガーマネジメントをできるようになるメリットは、下記のとおりです。<ul><li>友だちとの喧嘩発生を抑制できる</li><li>暴力やいじめへの加担を予防できる</li><li>習慣づけることで大人になって社会に出てからも役に立つ　など</li></ul><a href="https://www.seiban.co.jp/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">セイバン</a>独自のアンケート調査によると、36％（263人回答中96人）が「小学生の子どもにアンガーマネジメントの必要性を感じた」と答えています。その理由としては、以下のような声がありました。

【実際の保護者の声】<ul><li>自分の気に入らないことがあるだけで、急に大きな声を出して怒ることが多々ある &nbsp;</li><li>平日家にいるときは常に不機嫌なとき。起床した瞬間から親に当たることがつづいたときに感じる &nbsp;</li><li>普段から癇癪を起こしやすく、常に対応が難しいと感じている。 からだが大きくなってくると力も強くなり、ものを壊したりケガをしたりする心配がある &nbsp;</li><li>何に怒ってるのか、自分がどうして欲しいのか伝えられずに怒ってるので、こちらとしてもどうしようもないとき &nbsp;</li><li>子どもに我慢させるより、まずは大人が我慢すると考えているので、まずは大人がアンガーマネジメントできるようになってから、子どもの成長段階に合わせてアンガーマネジメントを取り入れていきたい</li></ul>

<h2>そもそも怒りの感情とは？</h2>

そもそも、怒りの感情とは何なのでしょうか。怒りの感情には4種類あります。<ul><li>強度の高い怒り …憤慨、激昂する</li><li>持続性のある怒り …過去の怒りを引きずる、思い出して怒る</li><li>頻度の高い怒り …日常的にイライラ、不機嫌になる</li><li>攻撃性のある怒り …周囲の人やものに当たる</li></ul>これらの怒りは二次感情と言われ、その裏には、「苦しい」「悲しい」「悔しい」「寂しい」「不安」「焦り」など、ネガティブな一次感情があるとされています。怒りの感情は自然に起こるものですし、特に子どもの場合は、自我の芽生えやアイデンティティの確立など、精神の発達にも不可欠な要素であり、悪いものではありません。自分の感情を理解し受け入れ、対処していくことが重要です。※参考：<a href="https://heisei-ikai.or.jp/column/anger-control/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">怒りの感情との付き合い方｜医療法人社団 平成医会</a> &nbsp;<h2>小学生の親ができるアンガーマネジメントの方法</h2>

ここで、子どもが怒りをぶつけてきたときに、親ができるアンガーマネジメントの方法を紹介します。小学生の子どもが、最初から自分1人でアンガーマネジメントをできるようになるのは難しいかもしれません。普段から、おうちの方がサポートしてあげることで徐々に身に付けられるようになるでしょう。以下はその場での対応になるため、次項で紹介する内容を日ごろから子どもに教えておくことが大切です。<ul><li>子どもの感情を客観的に判断する</li><li>子どもの話を聞く</li><li>落ち着かせるための行動をとる</li></ul>それでは詳しく見ていきましょう。 &nbsp;<h3>子どもの感情を客観的に判断する</h3>子どもにとって、怒りの原因や、いま感じている不快感が何なのか、自分の感情を理解するのは難しいことです。そんなときには、親が子どもの感情を客観的に判断し、言葉で伝えてあげましょう。たとえば、「○○できなくてイライラしてるね」「○○だったから悲しかったんだよね」など言葉で伝えてあげることで、子ども自身が自分の感情に気付くことができるのです。自分の感情を認識できると、子どもも言葉で伝えられるようになり、原因や今後の対処法を考えることに繋がります。言葉で伝えることが難しい子どもには、感情を自ら示せるように、感情カードを用意しておくのも有効です。ネガティブな感情の種類と、どの程度の怒りなのかレベル別に用意してあげると、より具体的に判断ができるようになるでしょう。

【実際の保護者の声】<ul><li>相手と同じ感情で怒るのでなく、落ち着いて対応する &nbsp;</li><li>感情を言葉に出せるように感情の名前？を教えています。たとえば「いまはイライラしてるんだね」「くやしいんだね」など &nbsp;</li></ul>

<h3>子どもの話を聞く</h3>子どもが怒っていると、不機嫌さや攻撃的な態度に向き合うことが面倒に感じたり、親まで怒りの感情が連鎖してしまったりと悪循環に陥ることもあります。子どもが怒っているときには、怒りの感情を発散させてあげることが大切です。そのためには、まずは親が子どもの話を聞いてあげましょう。怒りを溜め込むと、コントロールできずに爆発してしまい、人やものに当たったり、叫んだり暴れたりしてしまうケースがあります。そうなる前に、言語化することで発散させてあげるのです。ここで大事なのは、否定しないことです。話の途中で否定してしまうと、子どもは怒りを発散できないばかりか、増幅させてしまう可能性があります。まずは最後まで話を聞いてあげることがポイントです。

【実際の保護者の声】<ul><li>子どもの話をしっかり聞くこと &nbsp;</li><li>聞けるときには「どうしてそんなことをするの(言うの)？」と相手に聞いてみる。本人の勘違いもあるので &nbsp;</li><li>抱きしめて、気持ちを聞く &nbsp;</li></ul>

<h3>落ち着かせるための行動をとる</h3>怒りの感情が溜まっているときには、落ち着かせるための行動をとることも有効です。子どもは、自分で感情との向き合い方や対処法が分からず、この怒りをどうしたらいいのか、不安や焦りを感じることもあります。そんなときには、「大丈夫だよ」「お話きかせてくれる？」など、安心できるような言葉をかけてみましょう。また、手を握る、肩をさする、抱きしめるなど、からだに触れてスキンシップをとることも、感情を落ち着かせる効果があります。リラックス効果のあるアロマを嗅がせる、お気に入りのぬいぐるみを抱っこさせる、毛布を掛けてあげるなど、落ち着くための行動パターンを作ってあげることもひとつの方法です。

【実際の保護者の声】<ul><li>落ち着いてから、どうしたかったか話をする &nbsp;</li><li>腹が立っても少し時間を空ける、違う部屋に行く、ものに当たらない、子どもにイライラしている姿を見せない &nbsp;</li><li>言う必要のあることなのか確認する</li></ul>

また上記のほか、「絵本を読み聞かせる」という意見もよく見られました。

【実際の保護者の声】<ul><li>絵本を読み聞かせる。不機嫌になったら、相手の子はどう思うかなどのシミュレーションを一緒にするなど &nbsp;</li><li>本を読んで聞かせる。 実際にできそうなときにやってみる。様子を見てできたら、振り返って認める &nbsp;</li><li>図書館でそれ系の絵本をたくさん借りてきて、ひたすら読み聞かせする</li></ul>

子どもの年齢などによっては、自分が怒ることで相手がどういった感情になるかまだイメージがつかないこともあります。そのため、相手がどのような気持ちになるのかをわかりやすく解説して想像させるために、「絵本の読み聞かせ」という手段をとる家庭も多いようです。 &nbsp;<h2>小学生が自分でもできるアンガーマネジメントの方法</h2>

次に、小学生が自分でできるアンガーマネジメントの方法を紹介します。親や周りのサポートがなくても自分で感情をコントロールできるようになるために、子どもが怒りをぶつけてきたとき、または日ごろから「怒りそうになったら思い出してやってみようね」などと声をかけて習慣づけてあげるとよいでしょう。実際の方法は下記のとおりです。<ul><li>感情カードを使う</li><li>深呼吸をする</li><li>6秒数える</li><li>言葉にして伝える</li><li>問題から離れる</li></ul>それでは詳しく見ていきましょう。<h3>感情カードを使う</h3>感情カードを使って自身の感情を表現できるようにしてみましょう。用意するカードで、怒りの度合いを示します。

文字だけではなく、絵で表現してあげるとわかりやすいでしょう。また、その原因が何なのか、「苦しい」「悲しい」「悔しい」「寂しい」「不安」「焦り」などネガティブな感情を表現できるカードを用意するのもよいです。怒りの度合いを理解しようとすることで客観視でき、原因や対処法を考えられるようになることが期待できます。※参考：<a href="https://florence.or.jp/news/2016/12/post13955/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">認定NPO法人フローレンス「”感情カード”で、 子どもの「感情」に寄り添う保育園」</a> &nbsp;<h3>深呼吸をする</h3>怒りの感情は血圧を上昇させるため、興奮により冷静な判断ができなくなったり、行動が抑制できなくなったりします。そこでおすすめなのが、深呼吸です。深呼吸には、緊張をほぐす、血圧を安定させる、自律神経を整えるなど、ストレスを緩和しリラックスさせる効果があります。効果的な深呼吸の方法は、以下の４ステップです。

1.楽な姿勢で座り、背筋を伸ばす 2.両手をおへその下にあてて、口から息を吐ききる 3.鼻からゆっくりと息を吸い込む 4.口からゆっくり息を吐きだす

ポイントは「ゆっくり」「大きく」深呼吸をすることです。5回ほど繰り返しましょう。※参考：<a href="https://www.fujita-hu.ac.jp/~chuukaku/machikado/remotemachikado/kokorokaradarirax/index.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">心と体のリラックス法 | ふじたまちかど保健室 | 藤田医科大学｜地域包括ケア中核センター (fujita-hu.ac.jp)</a>

【実際の保護者の声】・息を大きく吐いて吸うことを教える。「心のトゲを抜いて」と気持ちをイメージさせる

<h3>6秒数える</h3>感情のピークは6秒と言われています。この6秒をやりすごすことで、怒りの感情が静まり、気持ちが落ち着くと言われています。道具も必要なく、どこでもできますのでぜひ試してみてください。方法は簡単で、怒りを感じたら、「1、2、3、4、5、6…」とゆっくり数えるだけです。たった6秒ですが、怒りのエネルギーを軽減することができます。6秒数える間に、自分の怒りのレベルを判断したり、深呼吸したりすることで、さらに怒りを鎮める効果を期待できるでしょう。

【実際の保護者の声】<ul><li>６秒を数えさせて怒りのレベルを考える &nbsp;</li><li>2分間のサイレントタイムを設けている &nbsp;</li></ul>

<h3>言葉にして伝える</h3>怒りのエネルギーを行動で発散するのではなく、言葉にして伝えることで、感情を整理して冷静になることができます。カッとなったときに、ものに当たったり、壊したり、または暴力を振るう、叫ぶなどではなく、どうして怒っているのかを言語化するということです。たとえばおもちゃを取られたときに、叩いて無理やり取り返すのではなく、「そのおもちゃで遊びたかった」「お気に入りだから返してほしい」など、なぜ嫌だったのか、どうしたら良いのかを伝えられるように、日ごろから練習しておくとよいでしょう。

【実際の保護者の声】<ul><li>泣いたり怒ったりせず、落ち着いて言葉で気持ちを伝えるように教えている &nbsp;</li><li>まずは落ち着いて相手に伝えるためになんていえば伝わるかを考えるように促す</li></ul>

<h3>問題から離れる</h3>問題から離れることも、怒りを鎮める有効的な方法のひとつです。怒りの原因を一旦忘れて、別のことを考えましょう。できればポジティブになれるような、自分が好きなものや心がわくわくすることでもよいですし、気持ちが落ち着くような、家族やペットのことを思い出すのもよいでしょう。また可能であれば、物理的にその場から一度離れることも効果的です。身も心もクールダウンされて、冷静になれるでしょう。<h2>まとめ</h2>今回は、小学生向けのアンガーマネジメントを中心に解説しました。ストレスが溜まりやすい現代社会では、大人も子どもも、日常生活で怒りを感じる機会も少なくないと思います。周囲の人や自分のためにも、怒りをコントロールして、感情と上手く付き合っていけるとよいでしょう。今回紹介したアンガーマネジメントの方法はどれも簡単ですぐに実践できるものばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

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