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目次<ul style="list-style-type:circle;"><li>メタバース教育とは &nbsp;</li><li>メタバース教育の市場規模について &nbsp;</li><li>小学生の保護者131名にメタバース教育について実態調査！・メタバース教育に対するイメージ ・子どものメタバース空間の利用率 ・メタバース教育の導入にあたって必要だと思うサポート内容&nbsp; &nbsp;</li><li>学校教育におけるメタバース活用のメリット ・空間的・時間的制約が解消される ・より深い体験型学習が実現できる ・対話型の学習環境が構築できる ・個人のスタイルやペースに合わせて学習を進行できる ・コスト効率を向上できる &nbsp;</li><li>学校教育におけるメタバース活用のデメリット ・ネットワーク環境や機器が必要になる ・健康に少なからず影響がある ・セキュリティやプライバシーの問題が生まれる &nbsp;</li><li>メタバース教育の活用事例5選 ・社会科 ・理科 ・図画工作・音楽 ・体育 ・特別支援教育 &nbsp;</li><li>まとめ</li></ul>

デジタルネイティブ世代の子どもたちにとって、仮想空間はもはや身近なものになりつつあります。そんな中、教育現場でも「メタバース」の活用が期待されています。メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のこと。ゲームのような感覚で、楽しみながら学習できるのが特長です。今回は、小学生のお子さんを持つ保護者はメタバース教育についてどう思っているのかについて、また、メタバースを使った教育のメリットや活用事例についてご紹介します。 &nbsp;<h2>メタバース教育とは</h2>

メタバース教育とは、3次元の仮想空間を活用した新しい教育形態を指します。従来の対面授業やオンライン学習とは異なり、生徒はアバターを通じて仮想空間に没入し、リアルタイムでほかの生徒や教師と対話をしながらコミュニケーションを取ることができます。たとえば社会の授業では、昔の街を自分の目で見て歩き回ることができます。理科では、目で見えないような小さな物質のかたちを大きく立体的に見たり、美術では3Dの世界の中で自由に作品をつくったりできます。また、世界中の人たちと一緒に勉強できるのも特長です。外国語を勉強するときは海外の友だちと直接話ができますし、新しい技術を学ぶときも実際に体験しながら練習できます。さらに、ゲームのような感覚で楽しく勉強できるので、やる気が出やすいです。メタバース空間ではアバターとして活動できるので、間違えても直接的に自分への影響はないと感じやすく、失敗を気にせず何度もチャレンジできるのもいいところです。今回、セイバン独自で小学生のお子さまを持つ保護者131名を対象にアンケート調査を行ったところ、メタバース教育について「ほとんど知らない」と回答した人が全体の42％（55/131人中）でした。「聞いたことはある」と回答した人が最も多く46％、「よく知っている」と回答した人は12％しかおらず、メタバース教育の認知度はまだ低いことが分かります。 &nbsp;<h2>メタバース教育の市場規模について</h2>

メタバース市場は世界規模で見ても大きく伸びており、10年弱で約10倍にまで拡大していくことが見込まれています。日本では、2023年度の2,851億円から2027年度には2兆円にまで拡大するとの予測もなされているほどです。同様に教育現場におけるメタバースの利活用も急速に拡大しており、今後数年間で飛躍的に成長すると期待されています。中でも「遠隔学習の導入」は大幅に増加していて、実際にアメリカ人学生の過半数以上が遠隔学習を受講しているというデータも出ています。このように、バーチャル学習の需要の高まりが、メタバース教育の市場成長をけん引しているのです。参考：<a href="https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd217520.html?utm_source=chatgpt.com">総務省｜メタバース</a> &nbsp;<h2>小学生の保護者131名にメタバース教育について実態調査！</h2>

メタバース教育の認知度は保護者間でもまだ低いことがアンケート調査から分かりました。ここからは、小学生のお子さまを持つ保護者は実際にメタバース教育をどのように捉えているのか、アンケート調査の結果を紹介していきます。 &nbsp;<h3>メタバース教育に対するイメージ</h3>まずは、メタバース教育に対してどのようなイメージを持っているのか、伺ってみました。

最も多かった回答は、やはり「分からない」という声でした。次いで、「革新的」「期待」とポジティブなイメージが多いものの、不安視している人も多数いることが分かります。 &nbsp;<h3>子どものメタバース空間の利用率</h3>続いて、実際にお子さまがメタバース空間を利用している家庭はどのくらいあるのか、アンケートを取ってみました。

アンケートの結果、「利用したことがない」という回答が大半を占めていました。次いで多かったのが「家庭で利用している」という回答なので、実際に小学校の授業でメタバース空間に触れる機会はまだ多くないのかもしれません。とはいえ、先ほども紹介したように教育におけるメタバース市場は急速に拡大を見せているので、今後お子さまが学校でメタバースを利活用する日はそう遠くないでしょう。 &nbsp;<h3>メタバース教育の導入にあたって必要だと思うサポート内容</h3>続いて、メタバース教育の導入にあたって必要だと思うサポート内容について質問してみました。

最も多かった回答は、「安全性に関する情報提供」でした。昨今では、小学生の間でSNSをめぐって個人情報の流出やいじめなど、トラブルが絶えません。こういったことから、メタバースを安全に利用するためにはどうすればいいのか、サポートを必要に感じる家庭が多いようです。さらに同様の理由からか、「トラブル時の相談窓口」という回答が次いで多く見られました。また、「メタバースが何かいまいち分からない…」という声が上がっていたこともあり、保護者向けの説明会や利用方法の講習会を求める声も一定ありました。内閣府では、メタバース空間において問題が発生した場合の対応策について、<a href="https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/metaverse/index.html">「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議」</a>を設置しています。 メタバース空間で安全・安心に過ごすためのルールづくりを進めているので、今後は相談窓口などのサポート機関も整備されていくでしょう。もし、現時点でメタバース上でのトラブルに巻き込まれているということであれば、弁護士事務所などに相談してみるといいかもしれません。 &nbsp;<h2>学校教育におけるメタバース活用のメリット</h2>

メタバースを使うと、教室の中だけでは難しかった体験や学習が可能になります。まるで冒険をしているように、楽しみながら新しいことを学べるのです。メタバース教育はさまざまなメリットをもたらすことが期待できますが、その中でも特にどのような効果を望むのか、保護者の方に聞いてみました。 &nbsp;

アンケート結果を見ると、デジタルリテラシーや創造性など、日常生活の中で自然に培っていくことが難しいような項目の回答が多く見られました。実際にメタバース教育のメリットはたくさんありますが、中でも代表的なものを以下で紹介していきます。 &nbsp;<h3>空間的・時間的制約が解消される</h3>まず挙げられるメリットは、空間的・時間的制約が解消されることです。これは、物理的な教室や決められた時間割に縛られることなく、世界中どこからでも、また24時間いつでも学習に参加できるという意味です。遠方に住んでいる生徒同士が同じ仮想空間で学び合えるため、地理的な格差はなく、質の高い教育を受けることが可能です。 &nbsp;<h3>より深い体験型学習が実現できる</h3>次いで挙げられるメリットは、自分で体験しながら深く学べることです。教科書を読んだり、映像で見たりするだけでは分かりにくかったものの形状や複雑なしくみも、実際に自分で見て触って体験できるので、理解しやすくなります。たとえば、人体の内部構造を実寸大で観察したり、危険な化学実験を安全に体験したり、歴史上の出来事を追体験したりすることができます。 &nbsp;<h3>対話型の学習環境が構築できる</h3>また、対話型の学習環境が構築できることもメリットです。アバターを介してほかの生徒や教師とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら、協働学習やディスカッションが行えるようになります。言語の壁を超えた国際交流や、専門家との対話型レッスンなども、より自然なかたちで実現できます。 &nbsp;<h3>個人のスタイルやペースに合わせて学習を進行できる</h3>個人のスタイルやペースに合わせて学習を進行できることも、お子さまにとって嬉しいメリットでしょう。お子さまの理解度や興味に応じて、学習内容や難易度を柔軟に調整可能です。繰り返し学習が必要な箇所は何度でも復習でき、得意分野はより深く探求することができます。 &nbsp;<h3>コスト効率を向上できる</h3>学校をはじめ教育現場側のメリットとしては、コスト効率を向上できることが考えられます。物理的な施設や設備、教材の制作・維持費用を削減できる一方で、より多くの生徒へ同時に質の高い教育を提供可能です。特に、実験設備や大規模な教育施設が必要な専門教育において、大きなコストメリットが期待できます。 &nbsp;<h2>学校教育におけるメタバース活用のデメリット</h2>

メタバース教育は非常に魅力的である一方で、いくつかのデメリットや問題点が指摘されています。「メタバース教育に対する不安や懸念点」の項目の回答は、以下のようになりました。

特に回答の多かった項目は、「目への影響」と「いじめやトラブル」の2つでした。メタバースを活用するにはコンピュータやVRゴーグルなどのデバイスが必須になるため、これらを長時間使用することによるからだへの影響を気にされる家庭が多いようです。また、対面でのコミュニケーションではないため、「いじめやトラブルに発展しやすいのでは？」と懸念する声も見られます。オンラインの世界には危険もありますが、子どもの興味を頭ごなしに否定するのではなく、まずは「見守る」ことから始めましょう。子どもと一緒に話し合い、ルールを決め、その上で適切なコンテンツの制限をかけるなど、バランスの取れた関わり方が大切です。 &nbsp;<h3>ネットワーク環境や機器が必要になる</h3>メタバースを使うには、いくつか準備が必要です。たとえばパソコンやタブレットなどの端末はもちろん、速くて安定したインターネット環境や、場合によっては子ども用のヘッドホンなども用意することになるかもしれません。こうなるとお金がかかるので、家庭によってはメタバース利用に最適な環境を整えるのが難しい人も出てくるでしょう。そのため、メタバースを使って勉強できる生徒と、使えない生徒の間に差が出てきてしまう可能性があるのです。また、インフラ整備が遅れている地域に住んでいるとインターネットを快適に使えなかったり、自治体の教育費用が少ない地域に住んでいるとメタバース教育がなかなか導入されなかったりと、この問題で教育の機会に差が出てしまうかもしれません。<h3> 健康に少なからず影響がある</h3>メタバースを学習で使うにはパソコンと長時間向き合うことになるので、目の疲れや頭痛、めまいの症状が出てくる可能性があります。さらにVRを使用する場合には、いわゆるVR酔いなどの身体的な影響も気になるでしょう。またメタバース空間で過ごす時間が長くなると、運動不足や姿勢の悪化、生活リズムの乱れなども懸念されます。いくら学習とは言え、やりすぎは禁物なので、あらかじめメタバースを使う時間を決めておくなど対策を練っておきましょう。 &nbsp;<h3>セキュリティやプライバシーの問題が生まれる</h3>メタバースに限らず、インターネットを使うときは気をつけることがいくつかあります。特に、まだネットの使い方に慣れていない子どもは注意が必要です。具体的には、以下のようなことに注意するよう家庭でも指導しましょう。<ul><li>自分の名前や住所など、大切な個人情報をほかの人に教えないようにする</li><li>知らない人からのメッセージには返信しないようにする</li><li>困ったことがあったら、すぐに先生や家族に相談する</li></ul>また、メタバースを使うときは、次のようなことにも気をつけると良いです。<ul><li>自分の勉強の記録は大切な情報なので、ほかの人に見せないようにする</li><li>ほかの人になりすまして使ってはいけない</li><li>インターネット上で誰が書き込んだか分からないからといって、悪口を言ったりいじめを行ったりしてはいけない</li><li>自分の情報が、どんなふうに使われるのかを確認しておく</li></ul>このように、楽しく安全に使うためのルールを守ることが大切です。 &nbsp;<h2>メタバース教育の活用事例5選</h2>

メタバース教育は、従来の教育の概念を大きく変えつつあり、さまざまな分野で可能性が模索されています。以下に、具体的な活用事例をいくつかご紹介します。<h3>社会科</h3>とある中学校では社会の授業にメタバースを使って、生徒たちが実際に3Dの地形の上を歩き回りながら日本の地形を学ぶ方法を取り入れてみました。まず、みんなでメタバース上の3D地形を一緒に歩いて回り、地形に興味を持ってもらいます。その後、その土地の自然と、そこに住む人々の暮らしがどうつながっているかを調べました。調べたことは、メタバースの3D地形の上に書き込んでいったそうです。授業後のアンケートでは、この方法で勉強したことで、地理の授業が楽しくなり、地形と人々の暮らしの関係についてよく考えるようになったことが分かったといいます。 &nbsp;<h3>理科</h3>理科の分野では、バーチャル実験室という物理的な実験装置を使用せずに、コンピュータ上でさまざまな実験ができるツールが提供されています。バーチャル実験室を導入すると、危険を伴う実験も安全に実施でき、実験機材の購入コストも削減できます。また、時間や場所を問わず実験に取り組めるため、生徒は自分のペースで学習を進められるのがメリットです。VR技術を活用したバーチャル実験室も展開されており、たとえばほかの惑星に行って居住はできるのか調査するなど、より没入感のある実験体験を実現しています。 &nbsp;<h3>図画工作・音楽</h3>図画工作の分野では、小中学生を対象にオンラインでの習い事サービスを提供しているSOZOWのオンライン発表会「シェアパーティー」で、子どもたちが3D空間上で自分のつくった作品を展示・発表していました。メタバース空間内に設けられたギャラリーエリアにて、動画作品やデザイン作品など60点以上の作品が展示され、まるで美術館のような空間で作品を自由に鑑賞することができたといいます。参考：<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-221018/">ここまで来た、オンラインでの「学び」 100名以上の小学生が集まるメタバース空間「シェアパーティー」を体験</a> &nbsp;<h3>体育</h3>とある小学校では、跳び箱の授業でVRを活用し、子どもたちが仮想空間で跳ぶイメージをつかんでから実際の練習を行いました。特に、長年跳び箱に恐怖心を持っていた子どもが、VRを使った4時間の授業で跳べるようになった事例が報告されています。また、水泳の授業でもVRが活用され、クロールのストロークなど技術面でもリアルに再現されており、泳げない子どもたちへの効果が期待されています。 &nbsp;<h3>特別支援教育</h3>特別支援学校を対象に、病気や障がいのある子どもたちがメタバース上で作品展示会「こども宝物自慢展示」に参加し、アバターを通して自由に交流や作品紹介ができる「先生学校自慢島」「こども宝物自慢展示」が実施されています。車椅子の子どもが自由に動き回れたり、病気で長期入院中の子どもが外の世界とつながれたり、普段は人前で話すことが難しい子どもがアバターを通して積極的にコミュニケーションを取れるようになるなど、メタバースならではの効果が報告されています。<h2> メタバース教育の今後について</h2>

メタバースを活用した教育では、物理的な距離や時間の制約を超えた新しい学びが期待されています。具体例を挙げると、社会科の授業で古代文明の街並みを実際に歩き回ったり、理科の授業で分子構造を立体的に観察したりといった学習方法です。さらに、世界中の生徒と同じ空間で学べるため、外国語学習でのリアルな異文化交流や実践的なトレーニングも可能になります。また、アバターを通じた活動によって、普段は発言が苦手な子どもも積極的に参加できるようになるなど、一人ひとりの特性に合わせた学びの実現も望まれています。 &nbsp;<h2>まとめ</h2>メタバースは、教育のかたちを大きく変えようとしています。教室の範囲を飛び越えて、3D空間で歴史の街並みを歩いたり、分子構造を観察したり、世界中の仲間と交流したりと、新しい学びの可能性を広げています。一方で、インターネット機器の準備や健康面への影響、セキュリティの問題など、課題もあります。子どもたちが安全に学べる環境を整えながら、一人ひとりの個性に合わせた学習を実現できるよう、メタバース教育は今後も進化を続けていくでしょう。

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