教育のアレコレ

著者：高杉雅紀子（たかすぎまきこ） AFP、2級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、マイアドバイザー🄬 生命保険会社を約8年勤務後、住宅建築の建設会社に16年勤務。現在も建設会社で住宅取得資金や住宅ローンアドバイスを行う。さらに、ファイナンシャル・プランナーとして教育資金や自営業者の老後資金、保険見直し、奨学金などの相談を受けてる。これまで培ったFPの知識と経験の他、主婦・母・自営業の妻・親の介護、義父母との同居の経験を活かしたアドバイスを行う。子育て中のママ向けに勉強会を地域で開催。お客様に寄り添う、地域密着型FP。

監修者：ファイナンシャル・プランナー／CFP®、マイアドバイザー🄬 石原敬子・戸田節子・三次理加・横井規子

進学ルート別の教育費をグラフにしました。一番多いパターンは、小学校・中学校・高校までは公立、大学は私立という進学ルート。この場合、教育費は約1,213万円です。次に高校以降は私立に進学する子の割合が多く、教育費約1,375万円となっています。大きな数字過ぎて想像がつかないなんて方もいらっしゃるでしょう。わかりやすく、学年ごとに月額を計算してみます。 公立小学校は月に約3万円、公立中学校は約4.5万円、公立高校は約4.3万円です。私立の高校は、約8.8万円になります。この教育費の内訳は、学校教育費と給食費、学校外活動費です。 公立の小学校と中学校は、学校外活動費が7割近くを占めているだけあって、習い事や塾に通うかどうかで金額が大きく変わるところです。それでも、高校までずっと公立なら、なんとか毎月の生活費の中で支払えるかもしれません。私立高校となると、負担が多くなりますね。さらに、大学費用を月額で計算してみましょう。授業料のほかに、入学金や施設費や通学費用、サークル活動費などが必要です。国公立大学に自宅から通う場合でも、これらに約10万円かかります。私立大学では、約14万円です。また、私立高校の入学金や大学の入学金、学費や施設費などを納めるタイミングは、入学前です。一括または前期後期のように2分割で納めるのが一般的です。

<h2>教育費の貯めどきと注意点</h2>いかがですか？　大学等の学費を月々の生活費から捻出するのは難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。早い時期から積み立てて準備すれば、後々の家計を圧迫せずにすみます。ただし、進学ルートによっては貯めることが難しい時期もあると思います。それでは、代表的な進学ルートの貯めどきと注意点を見ていきましょう。 &nbsp;<h3>【小学校～高校が公立、大学が私立の場合】</h3>学費の費用が高額になるのは大学からですが、受験を控える最高学年になると、補助学習費の負担が多くなります。塾に行き始める前までが貯めどきでしょう。 補助学習費とは、高校受験前（中学3年生）や大学受験前（高校3年生）ですと夏期・冬期講習や模試、塾代が考えられます。また、大学を一般受験する場合は、複数の学校を受験するケースがほとんどで、その分、受験料等が掛かります。<h3>【小学校～中学校が公立、高校∼大学が私立の場合】</h3>この場合、貯めどきは中学校2年生までです。 中学生になると、高校受験に向けて塾代をかけるケースが多く、さらに私立高校の教育費は公立高校の2倍以上です。この時期に月収から積み立てるのは難しくなり、家計に余裕がなくなるという相談が多くあります。<h3>【小学校公立　中学校～大学が私立の場合】</h3>中学校から私立に進学するならば、貯めどきは小学校3年生まで。なぜなら、中学受験をする場合はほとんどが高学年から塾を利用するでしょうから、家計に余裕がなくなることが懸念されるためです。 児童手当は使わずにしっかり貯めておくと良いでしょう。 また、私立の中学校の学費は3年間で約430万円、1年あたり約143万円と高額です。

大学進学に備えて毎月2万円貯めようと思っていました。しかし、子どもが中学3年生になると塾にお金がかかって、充分貯められませんでした。でも、児童手当をすべて貯めていたので子どもの進学費用を出せました。

<h3>執筆者（子どもの進学ルート：高校まで公立・大学私立）</h3>

我が家の場合は、児童手当は産まれたときから貯めていました。そして、子どもが小学生に上がったころ1万円貯蓄を増やし、小学校高学年からさらにもう1万円増やして高校2年生まで積立て大学費用を準備しました。世帯収入が増えるのと比例して貯蓄を増やしたので、負担感はありませんでした。

<h3>Tさん（子ども2人の進学ルート：上のお子さん、高校まで公立・大学私立／下のお子さん、高校・大学私立）</h3>

兄弟で差をつけない大学費用を私立でも奨学金を借りずに入学できるようにと考え、学資保険とお祝い金等の積み立てで計画的に準備。高校（公立）までは生活費から学費を捻出する予定でいたところ、1人目は公立高校から私立の大学と想定通りに進みました。しかし、2人目は高校から私立となりました。私立高校は公立と比較して3倍の費用。なんとか生活費から捻出できましたが、結果的に1人目より100万円くらい多くかかりました。

このように、ご家庭ごとに状況は異なります。貯め時の目安も把握しつつ、自分たちに合ったペースで積み立てていけば、大学費用を準備することは可能になるでしょう。 &nbsp;<h2>まとめ</h2>進学ルートによって、貯めどきが異なることをお伝えしました。しかし、子どもの進学ルートは予想通りにならないときもあります。親が想定していなかったのに、子どもが「私立中学校を受験したい」「大学に進学したい」と言い出すこともあります。出来るだけ子どもの希望を叶えたいと思う方は多いのではないでしょうか。急な進学変更にも対応できるよう、余裕をもって早めに貯めておくことをおすすめします。また、児童手当を家計とは別に管理しておくと、大学初年度費用（約200万円）は確保できます（※誕生日や第1・2子か第3子以降なのかで金額は変わります）。児童手当は、教育資金として貯めておくことを基本と考えましょう。家計が厳しい時もあるかもしれません。でもそんな時でも「子どものため」と思うなら、無駄な支出を抑えたり、保険などの固定費を見直したりするなどして乗り切りましょう。 家計管理がうまくいかない時は、SOMPOひまわり生命のライフカウンセラー※に相談してみてはいかがでしょうか。 お住まいの地域によっては、オンライン面談も承っております。 ※「ライフカウンセラー」とは、生命保険を軸として、金融、経済などの幅広い知識を持つ精鋭の営業社員です。 お客さまをとりまく環境、お客さまの年齢、家族構成、将来設計等を把握し、様々な観点からアドバイスさせていただきます。

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今回は、全国平均のデータを基にお話ししました。実際は地域ごとに異なります。 後編では、地域にごとに違う教育費についてお伝えします。

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