教育のアレコレ

アイロボットジャパン合同会社（英語名：iRobot Japan G.K.） &nbsp; <a href="https://www.irobot-jp.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">アイロボット公式サイト | iRobot (irobot-jp.com)</a>アイロボットはグローバルに展開する家庭用ロボットカンパニーです。使う人に寄り添った思いやりのある技術と、安心して任せられるホームイノベーションによって、豊かな暮らしを共に創造することをビジョンにロボットのデザインと製造を行っています。2002年に「ロボット掃除機 ルンバ®」の発売を開始し、ロボット掃除機市場を創出して以来、全世界で数千万台に上るロボットの販売実績を誇ります。アイロボットの製品ポートフォリオは、清掃、マッピング、ナビゲーションにおける独自のテクノロジーと高度なコンセプトを特徴とし、これらを活用することでロボットとスマートホームデバイスのエコシステムを構築、家のメンテナンスを容易にし、衛生・健康的な生活の場を提供します。

<h2>そもそもプログラミングってどういうこと？</h2>子どもがいると最近はSNSで、プログラミング教室の広告がよく回ってくるようになってきませんか？幼児教室や小学生対象の教室も増えてきましたよね。 でも、プログラミングって何？と聞かれたら、言葉は知っているけど正確な意味はわからない、という人は少なくないと思います。プログラミングとはシステムコンピューターを動かすために指示・命令することを指します。実はコンピューターといってもパソコンだけではないのです。現代社会はプログラミングのおかげで成り立っているといっても過言ではありません。例えば身近なところではスマホ、ゲーム機はもちろん、リモコン、エアコンなど。外に出ると自動販売機や自動改札、信号、エレベーターなど、数え上げたらキリがありません。 コロナ禍で、IT環境の整備が急務となり、教育現場でもICTが浸透したとはいえ、デジタル化はなかなか進まず。ここはひとつこれからの若い世代に託したい！ところですが、理系離れが続いているのが現状です。そんな中、社をあげて次世代エンジニア育成に取り組む企業があります。

<h2>プログラミング教育でなにを学ぶの？</h2>2020年度から小学校で必修化されたプログラミング教育。 文科省が推進するSTEM教育の一環として、取り入れられました。親世代には馴染みのなかったプログラミングですが、子どもたちはマインクラフトなどのゲームを通してすんなり身につけているようで、それと共に少しずつ認知されてきたというところでしょうか。STEM教育とはScience（科学）Technology（技術）Engineering（工学）Mathmatics（数学）の頭文字をとった名称で、これらの教育分野を総称した教育プログラムです。STEM教育が注目される背景のひとつには、発展を続けるIT社会に適応した科学技術分野で活躍できる人材の育成があります。また、VUCAと呼ばれる予測不能な時代、グローバル社会に対応するためには、本質を見抜く力や、自分で問いを立てて答えを導き出す力が不可欠です。 STEM教育はこれらに必要な、「自主性」「創造力」「判断力」「問題解決能力」といった能力を開発できるプログラムなのです。欧米では早くから取り入れられてきましたが、大きなきっかけはアメリカでバラク・オバマ元大統領が2009年に全米科学アカデミーNAS（NationalAcademyofScience）年次総会の演説の中で、STEM教育の重要性を強調し、アメリカのSTEM教育を今後10年で世界トップレベルに引き上げる「革新への教育（Educate to Innovate）」キャンペーン開始が宣言されたことです。 以降、アメリカだけでなく、シンガポール、中国でも国をあげて推進しています。

STEM教育の中でもプログラミング学習は、自分で考えたプログラミングによって何かを動かして、遊びながら学べるので、子どもたちにとっては入りやすい学習方法です。<a href="https://www.mext.go.jp/content/20200218-mxt_jogai02-100003171_002.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">令和2年文科省発行の小学校プログラミング教育の手引（第三版）</a>によると

プログラミング教育は子供たちの可能性を広げることにもつながります。 プログラミングの能力を開花させ、創造力を発揮して、起業する若者や特許を取得する子どもも現れています。子どもが秘めている可能性を発掘し、将来の社会で活躍できるきっかけとなることも期待できるのです。 &nbsp;

とあります。特に小学校では専門的なコンピューターの知識ではなく、『プログラミング的思考』を育てることを重視しています。 &nbsp;<h2>プログラミング的思考とは</h2>では、プログラミング的思考とはどういった考え方でしょうか。文科省によると、 &nbsp;

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

とあります。さらにわかりやすい表現としてNHK Eテレのテキシコーという教育番組ではプログラミング的思考を次のように定義しています。 &nbsp;

①分解／小さく分けて考える ②組み合わせ／手順の組み合わせを考える ③一般化／パターンを見つける ④抽象化／大事なものだけ抜き出して考える ⑤シュミレーション／頭の中で手順をたどる &nbsp;

このように、プログラミング的思考とは、実際にコンピューターにプログラミングをするということだけを指すのではなく、物事を多面的かつ広い視野で捉えながら論理的に考え、問題を解決したり、改善していく、生きる力を育む教育には欠かせないスキルのひとつなのです。

<h2>未来のロボット科学者を育てるために</h2>ロボット掃除機ルンバで広く知られているロボットカンパニー、アイロボット社（本社：米国マサチューセッツ州）では、2009年から社会貢献プログラムとしてSTEM教育を導入しており、社員自らが開発したカリキュラムを幼稚園から大学院生に向けて幅広く行っています。アイロボットの創業者メンバーであるコリン・アングル氏はこのようにコメントしています。

アイロボットでのSTEM教育の目的はプログラミング技術の習得のみならず、子どもたちにロボットやモノづくりに興味を持ってもらいエンジニアとしての一歩を踏み出すことで、将来アイロボットで共にロボット開発に取り組んでもらおうという意図があります。性別や人種、年齢、レベルを問わず、子どもたちに平等に学びの機会を与え、後押しすることがアイロボットの願いです。

日本のアイロボットジャパン合同会社（以下アイロボットジャパン）でも、2019年からボランティア社員による『アイロボットSTEMプログラム』を開催しています。2021年にプログラミングロボット『 Root（ルート）』の販売が開始されると、全国の小学校を対象に、1校につき6台、合計1,000台のRootを無償提供するというプロジェクトを展開し、未来のエンジニアやロボット科学者を育てるサポートを続けてきました。

小学校1～3年生を対象に、ロボットの基礎やルンバの仕組みを学び、実際にプログラミングソフトを使いながらルンバを動かす体験ができるワークショップは、本社だけではなく、教育機関や蔦屋書書店、さらには全国の小学校へと広がってきました。2～3ヶ月に1回を目処に開催されるワークショップは、年度初めにスケジュールが公開され、ボランティア希望者が予定を入れていくというシステム。地方で開催する場合は宿泊をともなう出張になります。忙しい業務の中、多くの社員が全国津々浦々のボランティアを希望する理由について、アイロボットジャパンのシニアコミュニケーションマネージャー、村田佳代さんに伺いました。

「私どもの社員はみんな、人の役に立つロボットをつくるロボットメーカーで働いている、という自負があります。ですので、自分たちの技術を未来を担う子どもたちに直接伝えられるというのは、とてもいいチャンスだと思っています。出張STEMの場合は、泊まりになるので、部署単位で参加して、オフサイトミーティングを開催するケースもあります。また、色々な部署のメンバーが混在するこのプロジェクトは社員間の交流の機会にもなっています。」早くからSTEM教育を展開しているアメリカと違い、日本ではSTEMという言葉すら聞いたことがない人が多かった2018年から、いち早く企業として子ども向けのプログラムに取り組んできたアイロボットジャパン。その背景について村田さんは、「世界的にエンジニア不足というのが深刻な問題になっています。 まずはお子さんに身近なルンバを通してロボットに興味を持っていただき、STEMつまりサイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マスマティックス、この4つに興味を持ち、将来エンジニアを目指そうとする、そんなお子さんが1人でも多く出てくれればいいなと思っています。そして将来的にはアイロボットで一緒にルンバを開発してほしいと、冗談ではなく本気で思っているプロジェクトです。」 まさしく探究プロジェクトであるこの『アイロボットSTEMプログラム』<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/contents/minnadetankyu/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">Soda!Soda!「みんなで探究」</a>では、アイロボットジャパン社とのコラボイベント『小さなルンバでプログラミングを体験しよう！』が実現しました。後編ではイベントの様子を含めて『アイロボットSTEMプログラム』について詳しくお伝えします。 公開は、2024年6月上旬予定。 編集部　大谷ミサ ■参照 ・<a href=" https://www.mext.go.jp/content/20200218-mxt_jogai02-100003171_002.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">令和2年文科省発行の小学校プログラミング教育の手引（第三版）</a> ・<a href="https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/07/08/1373901_12.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について（議論の取りまとめ）</a> ・<a href="https://www.nhk.or.jp/school/sougou/texico/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">NHK Eテレ　テキシコー</a>

‌