SODA VOICE

カンジヤマ・マイムA (藤倉健雄) <a href="http://www.kanjiyama.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">http://www.kanjiyama.com/</a> Ph.D（教育演劇学博士）。早稲田大学国際教養学部（SILS）講師。 ニューヨーク州立大学演劇学部修士課程を経て、ウィスコンシン大学演劇学部博士課程修了。 アメリカマイムの巨匠、トニー・モンタナロ氏に長年師事し、米国内の様々な大学にてマイムや教育演劇のクラスを指導する。_マイム歴47年。マイム、教育演劇に関する著書、訳書、および論文多数。 なかでも2008年日本の教育演劇に関する博士論文が、アメリカ教育演劇協会より最優秀論文賞を受賞した。NHK国際放送「日本語クイックレッスン」のマイムコーナーを担当し、「おかあさんといっしょ」の身体表現コーナー「パント！」の振り付け、指導も手掛ける。

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パントマイム歴40年以上、日本のパントマイム第一人者カンジヤマ・マイム代表、藤倉健雄氏をご存知でしょうか。NHKテレビ「おかあさんといっしょ」の身体表現コーナー「パント！」の振り付けを担当された、といえばお分かりの方もいるはず。「カンジヤマ・マイムA君」という名前で、自称「おしゃべりなマイム芸人たち」​​カンジヤマ・マイムという劇団を率いて、全国で講演やワークショップを実施したり、教育演劇学博士とし早稲田大学で講義を行うなど、教育活動に力を入れていらっしゃいます。

今回、Soda!Soda!「みんなで探究」で、子どもたちに道具を使わず、身体で場面や気持ちを表現するパントマイムの楽しさを教えていただきました。 初めてパントマイムを見た子どもたちも、テレビで見たことがある子どもも、目の前で繰り広げられるカンジヤママイムさんのパフォーマンスに、本当に素敵な表情を見せてくれました。文化庁の公演派遣事業の委託劇団として12年間連続採択され、現在も全国を巡演し続けているカンジヤマ・マイムAさんに、ゲームやYouTube、SNS全盛の今の時代の子どもたちや親御さんへの思いを伺いました。 ーー今日はありがとうございました。「みんなで探究」の収録を終えていかがでしたか？カメラやマイクに囲まれた状況の中ではじめて会ったばかりのお友だち同士でよくやりきったなぁ、すごいなぁと思っています。発表ができなかった子もいたけれど「今度はこうしてやろうと思った」ってワークショップの終わりに言ってきてくれたりしたんです。子どもは表現の欲求があるんだなってことを改めて感じました。 &nbsp;

ーー子どもたちのびっくりしたり驚いたりする表情が印象的でしたね。子どもたちにメッセージはありますか？PCゲームも楽しいけど、ゲーム以上に楽しいのが君たちのアイデアなんだよってことは伝えたいですね。想像（=創造）は無からは生まれてこないんです。 想像（=創造）って、家庭環境やいろんな経験、知識の構築がベースとしてまずあって、そこから普段結びつかないもの同士がバーン！と出会って、新しいものが生まれるものなんです。なので、普段何も考えず、何も刺激がない、何も文化のない家庭はダメなんです。子どもたちにとっては、普段家庭でどういう蓄積をしているか、どんな経験をしているかが大切。そういった日々の生活での経験こそが、子どもたちが成長とともに伸びていく下地を作っているんです。&nbsp;ーー保護者の方たちも刺激を受けていらっしゃいました。

最近ではコスパやタイパ（?）という言葉をよく聞きますが、教育はコスパで語れない。 教育って、土壌をつくって、そこにタネを蒔いて、いろんな経験を経て時間をかけて花を咲かせていくようなもの。今日のワークショップも、参加したからといって受験に有利になるわけじゃない。数年後に「これやったよな」「見たよな」「これできる！」と何かに繋がるかもしれないし、そうでないかもしれない。

いつ、何に成果が出るとか、評価、数値、IQベースでは語れないと思う。 保護者のみなさんがそういうことに気づいてくれると嬉しいですね。&nbsp;ーー家庭で子どもたちにTVやYouTubeを見せてしまうとよく聞きますが、どう思われますか？今の親御さんは忙しいから仕方ないけど、見せっぱなしにするのはもったいないと思いますね。

私の子どもが小さいときによくやった「ロールテイキング」という遊びがありまして。どんな遊びかというと、例えば、浦島太郎だと、私（亀） 「いて、いてて！　やめてください！やめてください」子ども（浦島） 「みんな亀をいじめるの、やめてあげなさい」私（町の子ども） 「俺たちが亀を見つけたんだ、いいじゃねーか」私（亀） 「助かりました。浦島さん、私の背中に乗ってください」&nbsp;などといった、簡単な劇的なセリフのやりとりを通じて、子どもと一緒に竜宮城に出かける想像をしてみたり、毎回即興を交えて異なったやりとりになることを楽しんだりしていました。寝る前の数十分でいいので、これをやっていくと子どもの心がすごく豊かになりますよ。他には、TVや映画で気になる登場人物をモノマネしあうのも、道具も何もいらないのでおすすめです。 ーーカンジヤマAさんはよく講演会で「言語化」がとても重要だと話されていますが…

はい。教育講演でも語るトピックなのですが、「言語化」はとても重要です。例えば忙しい仕事中に子どもから「パパ～」「ママ～」と呼ばれた時、ついつい 「後でね」で対応が終わってしまいがちなのですが、 「後でね」だと子どもはなんだか虐げられている気持ちになってしまうんですね。「◯◯ちゃんが来てくれて嬉しいな。可愛くて仕方ないな～でもパパ、今すごい大事な仕事してるんだよね。でも◯◯ちゃん抱っこしたいな～一緒にいたいな～これ早く終わらせるからね、待ってて」と、脳内の思考回路を、子どもに素直に暴露することがとても大切なのです。小さいうちから、ちゃんとした大人の言葉で感情を込めて子どもと向き合って話すことは重要です。4歳までに語彙力のベースができるとも言います。 思考回路の暴露、まず家庭でやってみてください。 ーー最後に、この記事を読んでいる保護者の方へ伝えたいことはありますか？「子どもが何をやりたいのか？」「どうしてそうしたいのか？」をしっかり理解してあげることが大切だと思っています。

永六輔さんに「子どもに船の航海術を教えたかったら、細かい距離計算や距離の計算を教える必要はない。まずは海の魅力を教えろ」というイギリスのことわざを教えてもらいました。子どもは、海の魅力に気づけば自ら海にこぎ出そうとし、それに必要なものを備えようとし、いくつもの挑戦を楽しみながら乗り越えていくんですね。なので親として、さまざまな体験や経験を通して子どもの好きなもの、やりたいことへの方向づけをしてあげられるといいなと思います。

<h2>カンジヤマ・マイム A君からのお知らせ</h2>今年は「パントマイムの神様」と言われたマルセル・マルソーの生誕100年記念の年。彼のドキュメンタリー映画「マルセル・マルソー 沈黙のアート」が2023年9月16日（土）から渋谷のシアターイメージフォーラムで公開されています。東京以外の地域でも、2023年10月以降随時公開予定です。

実は、この映画のパンフレットの解説を私が担当しています。私はこの男に惚れて大学を中退し、パントマイムの道に入りました。憧れを追ってパントマイムを初めて47年後、彼の解説を書けることになったことが嬉しいです。 お時間がございましたら、ぜひご来場ください！ 東京以外の上映館は下記のサイトをご覧ください！ <a href="http://www.pan-dora.co.jp/marceau/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">http://www.pan-dora.co.jp/marceau/</a>&nbsp;

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