SODA VOICE

JR逗子駅からバスで12分ほどの神奈川県葉山町にある古民家。 懐かしさが漂う、平屋の古民家には、晴れていたら気持ちよく日向ぼっこができそうな縁側があります。海と山、豊かな自然に囲まれた葉山町で「自分のどまんなかで生きる」を体現した新しい教育を行っているオルタナティブスクール※「ヒミツキチ森学園」の校舎です。

オルタナティブスクールとはオルタナティブ（alternative）は主流に代わる別のもの、という意味の単語。オルタナティブスクールは、文科省が定めた一般的な私立や公立の学校（学校教育法第1条に規定する1条校）※注1とは異なる新しい選択肢の学校で、独自の理念や教育カリキュラムによって運営されています。ですので、無認可のオルタナティブスクールだけに通っていると、原則として卒業資格は得られないので、義務教育の間は、地元の公立学校に在籍した状態で通うことが多くなります。（ただし、出席扱いにできるかどうかは地元の教育委員会の判断になります） 日本では近年、不登校児童の増加という背景から全国的にフリースクールが増えていることもあり、オルタナティブスクールはその受け入れのための学校、というイメージが強いように思います。しかし、世界的には、伝統的な教育方法とは異なる独自の思想や哲学、教育方法＝オルタナティブ教育を取り入れたニュータイプの学校がオルタナティブスクールの位置付けです。日本では以前<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyouiku-no-arekore-220404/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">教育のアレコレ</a>でご紹介した、探究教育の第一人者炭谷俊樹さんがつくられた神戸のラーンネット・グローバルスクールをはじめとした、探究型のマイクロスクールが増えています。今回訪問した「ヒミツキチ森学園」もそのひとつです。※注1　日本では、国が定めた学校教育法という法律があり、その一条に定められている幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、大学などを一条校と呼びます。 それに対して、その法律の枠外で、独自のカリキュラムや教育方法をとっている学校は無認可校になります。

探究教育をコンセプトにSoda!Soda!を立ち上げたときから、いつか見学したいと思っていた学校のひとつで、念願叶ってようやく訪れた日は残念ながら土砂降りの大雨でした…2020年に開校した「ヒミツキチ森学園」は、2018年にたくさんの人たちと共に学校を創りたいという想いからプロジェクトベースでスタートしました。 学校は生きるために必要な知識とアイテムをゲットする場所。だから、広く社会とつながるために、教育業界だけでなく、さまざまな業種の人たちに関わってもらいたい。参加のカタチはそれぞれでも「自分も学校を創っている」とジブンゴトで関わってもらえたら嬉しい。そんな思いに共感した、300名を超えるプロジェクトメンバーと共に学園の開校を目指したそうです。今回お話を伺ったのは、校長の小林千峰（ちほやん）さんと一緒にこの学園を立ち上げ、現在は学園の運営に関わる業務全般を担当している野瀬美千子さん＝通称みっちゃん（以降みっちゃん）。もと高校教師のみっちゃんが「ヒミツキチ森学園」にかける熱い思いを伺いました。 &nbsp;<h2>区別をするのではなく、最終的には共に生きる世界を目指して</h2>ヒミツキチ森学園には、葉山町の教育委員会や地元の小学校、オルタナティブスクールと積極的に連携をとり、町全体が子どもたちにとって最適な学びの環境になることを共に目指したいという思いがあります。公教育と、オルタナティブ教育。相反して、ギクシャクしそうな関係になりそうですが、みっちゃんは、学園に入学することが決まった親子と一緒に在籍校に挨拶に行き相互理解を深めるようにしています。 &nbsp;ーみっちゃん私は公教育もすごく好きですし大切な場所だと思っています。 私たちがスタートするとき、一番大切にしたかったのは、どこが良くて、どこが良くないなど区別をするんじゃなくて、ゆくゆくの未来には横並びに全部一緒になる世界がいいなと思っていました。だから、うちの学園スタッフの採用基準に、公教育を否定する人は、はまりません。否定から生まれるエネルギーではなく、ネガティブじゃない、お互いの良い部分を掛け算することで化学反応が起きることを大切にしています。

学園の授業は、日本の学習指導要領に沿いながら、学びのスタイルはオランダのイエナプランやデンマークの対話の要素を融合させたオリジナルのカリキュラムを使用しています。 開校前、プロジェクトチームでさまざまな部活動を立ち上げ、その中のカリキュラム部には現職の先生10名ほど。メンバーたちが持つ経験と知識、想いをぶつけながら私たちも入ってカリキュラムをつくりました。 その過程で、学習指導要領への不信感のような話題が出ました。けれども、最初から否定のエネルギーでスタートしたくなかったのと、そもそもの本質に立ち返るため、新学習指導要領を改めて読みとくことにしました。すると、そこには生きる力や探究についてきちんと書かれており、私たちがやりたいことと同じだということに。であれば、せっかくある素晴らしい新学習指導要領、それをベースに、使い方を変えるとか、やり方を変えるとか、もうちょっとこういうのがあるといいね、をプラスするだけでいいんじゃないって基盤ができました。 &nbsp;<h2>理由はわからないけど先生が嫌いだった。やったことがないのに何も言えないと思って教員免許を取りました。</h2>現在はヒミツキチ森学園の運営に関わるサポート業務を担当しているみっちゃんですが、スタートは高校の教師でした。教育グループに入社、6年間の高校教師生活の後、今度は学校を経営・運営する側の立場に。現場とは違う高い視座から、日本だけでなく世界の教育現場を学びました。その間、結婚出産を経て、“ちほやん”と運命の出会いがあり、今に至ります。

ーみっちゃん先生になったのは先生が嫌いだったから。でも、なぜ嫌いなのか、理由がよくわからなかった。否定から入りたくないから、やったことないのに何も言えないな、と思って。それで、まず自分が先生になってみたら、違う世界が見れるのかなと思って、教員免許を取ったのがスタートです。大学を卒業して入った会社は社会を変える教育グループで、会長は教育業界の先駆者でした。新卒採用の最終試験は、「臨機応変な対応が取れる教員の資質を見る場」みたいなテーマでしたが、いわゆる飲み会の場が設定されていました。そこでいかに人のグラスを見てお酒をついでいるか、灰皿がたまったら替えているかっていうのを見られていた、と後で知りました。 先生には、人をしっかり見て、目配り、気配りができることが重要なスキルだと。実は私、知識の試験段階で一度落とされていたらしいんですよね。でも、会長が「人として、子どもたちと共に成長したいと思えるかが大切で、その気持ちがあると思ったから」と、期待を持って私を採用してくれたと本人から聞いたときは泣きました。 今は亡くなってしまいましたが、会長の想いは今でも残っていて、私にとって人生の師匠であり、ここでの経験が今につながっています。だから、ヒミツキチ森学園を創ろうと思ったときには、一番にご挨拶に伺いました。 &nbsp;<h2>過保護で厳しかった父から受けた深い愛と否定しない教育が私の人生につながっている</h2>

ーSoda!Soda!みっちゃんの常に前向きでポジティブすぎる、とも言える思考と行動力が形成された背景には大きな影響を与える何かがあったのでしょうか。ーみっちゃん私はひとり娘で、いわゆるガチガチの箱入り娘でした。笑 両親はとにかく厳しくて、高校まで門限は5時。下校時のコンビニもバイトも禁止。朝は必ず通学バッグの中身のチェックとスカートの長さチェックがあったくらいです。その中に入れていた化粧品やルーズソックスは何度捨てられたことか。笑私は高校3年の頃、友だちとのトラブルや成績へのプレッシャーなどが重なり、学校に行きたくないな～という時期がありました。でも、幼稚園からずっと皆勤賞の私は、風邪もひかないし、何より学校を休むことに抵抗があって、なんとか学校へ行っていました。親の前では優等生タイプだった私は、両親を心配させるような話は一切していませんでした。そんなある日、厳しかった父が突然「1週間学校を休みなさい」と言ったんです。もちろん私は抵抗したのですが、父とのやり取りの末に結局休むことに。 「学校を休んで何するの？」と聞く私に、父は「とりあえず人生を知った方がいい」と言い、なんと初日にパチンコ屋さんに連れて行かれました。このことをあとで知った母は大混乱でしたが。その後も、父は私を連れて今まで見たことがない世界を見せて回ってくれて、すごく楽しかった。でも5日目くらいにそれも飽きてきて、「そろそろ学校に戻りたいんだけど」と言ったところ、「そうなの？なら行けば？」とあっさり。それからは普通に日常が戻った感じでした。大人になってから、父にあのときの行動の理由を聞いたところ、父はこう言いました。 「あの頃、何かがあったでしょ？学校に行きたくなさそうだったし。でも、そんな狭い世界で起こっていることで自分の人生終わったと思うくらいだったら、見たことない世界をたくさん見せようと思った」と。

厳しい父でしたが、怒られたのは人生で5回くらいです。人として反した言動をしたとき、何かをしたいときに手段を間違えたときに怒られたように記憶しています。 ポケットベルが欲しいと主張したときも、バイトをしたいと言ったときも、頭ごなしに否定するのではなく、なぜ？どうして？と父を納得させるだけの理由がないことを自覚させられて撃沈しました。 父の厳しさの裏側には、常に私に対する深い愛がありました。 小さい頃、意図的に泣いて祖父母におもちゃをねだったことがありました。そのときに父のとった行動は、私を叱ったあと、自らそのおもちゃを買いに行き、私に与えながら、 「自分が何かをしたいと思ったときの手段はいろいろあるが、小さいからといって泣き喚けばいいわけじゃない。思いをどうやって伝えるかを自分で考えなさい。でも、パパは愛する娘の涙を見たら買ってあげたくなったから、買ってきた」と言いました。極端に過保護で厳しかった父ですが、いつもどこかに理由があったので信頼はしていて、私は反抗期になることもなく、父のことを嫌いになることもなく、むしろ尊敬していました。私の人生のテーマは可能性。できないことなんてない、ほんの少しでも可能性があるんだったら、やり方次第でなんとかなると思ってきました。仕事においてもプライベートにおいても恋愛においても常に可能性はあると、変な自信とポジティブさをずっと持ち続けてこられたのは、父の否定しない姿勢と深い愛のおかげだと改めて思います。<h2> 自分の人生の舵を自分で握るために「自分のどまんなかで生きる」ことが大切</h2>

ーSoda!Soda!学園のビジョンは「自分のどまんなかで生きる」ですが、どまんなかって一体どこなんでしょう？ーみっちゃんよく聞かれるんですが、定義化してないんです。できない、が正しいのかな。ワクワクすることだったり、大切にしたいことだったり、譲れない部分だったり、その人によって、また状況によっても違うと思うので。ただ、「自分のどまんなかで生きる」ってどんなことだろうって、日々自分に問うことが、自分の大事な部分を知るきっかけにつながると思っています。私たちが子どもたちにどうなって欲しいか、具体的なことは全くないです。ただ生きる力は身につけた方が良い。だからこそ、自分が安心できる場所で、たくさんチャレンジして欲しいし、たくさん失敗をして欲しい。6年間たっぷり大きい失敗をしてもらって、経験を積み重ねて得た自分の人生のアイテムを持って巣立って欲しいと思っています。 そのために、学び合いや学び直しを大切にしています。わからないことがあったとき、友だちに聞いてお互いに教え合う。わからないまま置いておかず、​​何回でも学び直しができるっていうスタイルはすごく大事だなって。恥ずかしさとか自分の否定とか全くなく、わかんないんだからもう一回やればいいじゃんみたいなところに持っていくのが結構大きいかなと。 「学び合い」「学び直し」についてはこちらもチェック！↓ <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-240903/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">生徒同士が学び合うことで学習意欲も高まる『学びの共同体』とは</a> うちの学園では、生徒はみんな自分の『学びの地図』という学習計画表を持っていて、基礎学習に関しては、1週間の始めにそれぞれの課題に沿って、地図の計画すなわちその週の学習計画を立てます。そして金曜日になったら計画通り進んだのかどうか、まず自分で1週間を振り返ります。それをもとに、グループリーダー（先生）と対話しながら翌週の自分に繋げるのが毎週のルーティンです。 課題がどうして終わったのか。どうして終わらなかったのか。まずその理由を考えます。例えば面倒くさかったから、あるいは集中できなかったから、そんなとき、どうしたらいいのか。先生が答えを出すのではなく、対話を通じて子どもたちが自分で答えを探っていくのです。自分に問いを立て、向き合うことで、自分ってこういうタイプだな、とか、こういうのが苦手だな、みたいなことがだんだんわかってくるようになります。この『学びの地図』は自分を知るための大事なツールなんです。

実際、子どもたちの成長はめざましいです。 卒業生たちはみんな、自分たちで次のステージを選択して進んでいます。 『待つ』だったり、『選択肢を一緒に探す』だったり、もちろん親のチャレンジもあってこそですが。 そんな彼らを見ていると、私たちが彼らを育てているなんてことは全く1ミリもなくて、逆にいろいろ気づかせてもらっているなぁ、って。自分たちの人生を楽しんでいる彼らのそばにいさせてもらえることに、何か勝手に「こっちこそありがとう！」と言いたいくらいです。親メンバー（学園ではみんながチームメンバーなので親メンバーと呼んでいます）たちも日々進化しているなぁ、って感じていますし、日々、刺激をもらっています。 ニュータイプの学校に入れてはみたものの、最初の頃は、送ったあと、心配でそのまま残って様子を伺っていたり、先回りして子どもの代弁をしていた人も、いつの間にかいなくなります。 子どもたちが自分のどまんなかを生きて進化していく様子を目の当たりにして、親メンバーも新たなチャレンジをスタートしたとか、中には転職するお父さんとか、家族も「自分のどまんなかで生きる」ことを考えることにつながっているような気がしています。とはいえ、私たちが子どもたちの人生の舵を取りたいとか、彼らの人生の未来をつくりたいっていうのはおこがましいなと思っていて。 私たちにできるのは、ただ『自分のどまんなかで生きる』環境をつくることと、それをいかに面白くするかだと思っています。なので、新しいスタイルだけにこだわらず、今あるものと新しいこのオルタナティブが融合されることで、みんなが自分の人生の舵を取れるようになればいいなと思います。 &nbsp;<h2>人生楽しいって言える先生を増やしたい</h2>

子どもたちにとって、人生を積み重ねていく中で、親や周りにいる大人がキーになると思うんです。であるとすれば、その大人たちが人生を楽しんでいなかったら、子どもたちが楽しい未来をイメージできるはずがない。 特に1日の中で長い時間を共に過ごす先生。学園では先生ではなく、グループリーダーと呼んでいますが、彼らに「人生楽しい？」って聞いたら「めっちゃ楽しい！」って即答するんじゃないかな。うちではグループリーダーに週1回のリモートワーク日をつくっています。 学園との連絡さえつけば、他の仕事をしてもいいし、自分を研鑽する時間にあててもらいたい。 彼らが人生を楽しまないと、子どもたちにも還元されないので。リモート日には私もヘルプで入りますし、子どもたちは日々のスケジュールと自分たちで決めた学びの地図に沿って学習を進めているので、実のところ、何の問題もありません。また、グループリーダーには、わが子の学校行事や家庭の事情について、可能な限り優先するようにしてもらっていますし、子どもたちも「いってらっしゃい！」してくれています。だって、自分の家族や大切な人を大事にできない人は、そもそも人の人生を大切になんてできなくないですか？会社としてもそういうところは守りたいと思っています。

私の子どもたちは小学生なんですが、先生と保護者の個人面談のときに、「お母さまから何かありますか？」の質問にわたしはいつも「先生！人生楽しいですか？」と聞くんです。そうすると先生困ってて。笑 忙しすぎて人生を楽しみきれていないのかもしれないし、堂々と「楽しんでます！」って言えない環境を周りがつくってしまっているのかもしれない。私も教員時代、そうだったかもしれません。自分自身が親になってみて、保護者としての学校への関わり方こそ、マイナスなエネルギーでいたくないなって思いました。先生の働くシステム、学校を取り巻く環境にも、変化が必要だと思っています。先生や保護者、地域の方含めて、マイナスなエネルギーではなくって、ポジティブにお互いを信頼し合って共に生きる環境が子どもにとっても大切だと感じています。 そのためにも、先生自身も自分で考えて行動すること、一人の人間として尊重される職場環境をうねらせたいなと思っています。当たり前なことなようで、実際そうじゃない場所、多いと思うんですよね。 子どもたちには、「言われたことだけやるんじゃなくて、自分で考えて実行してみよう」って言うのに、先生含め、大人もなかなかできていない。それはなんとかしなくちゃな、って思います。

うちの学園では、親メンバー、いつでもウエルカムです。親メンバーは自分たちも学園に入学した気持ちで入ってきてくれていて、一緒に学園を創っていきたいと思ってくれています。 実際に入学面接の確認事項なんですけどね。「共に学園を創っていってもらえますか？」って。やりたい人が勝手に集まって親も部活を立ち上げたり、自分の得意を活かして授業をしてくれたりしています。 この前も、「4月から走り続けてスタッフも疲れただろうから、夏休みに親主催でおつかれさま会開いてもいい？」なんて言ってくれたり。人としてお互いを大切にし合ってくれる最幸のチームです。ヒミツキチ森学園を運営している一般社団法人PLAYFULでは、自分たちが冒険を楽しむことを大事にしているので、常にワクワクしながらアップデートしたいなって思います。 みんながポジティブなエネルギーでワクワクしていると、最高の化学反応が起こる。そのためには自分自身が人生楽しんでいないと、人のことなんて考える余裕もないですもんね。 自分たちの人生を自分たちが舵を握ってワクワク楽しく生きていれば自然に波及していく、そんなあったかい感じがいいなって思います。

編集後記みっちゃんは、とにかくポジティブなオーラを放っているヒトでした。むしろオーラが出まくっている、という表現がぴったりかもしれません。ただ、圧倒されて呑み込まれてしまうようなオーラではなくて、燦々と降り注いで、周りを元気にするような、そんな感じがしました。 「与えられた人生、おもしろがれるかどうかは自分次第。毎日わくわく楽しく過ごさないともったいない」という言葉のとおり、自分のことも家族のことも、一緒に働く仲間や学園の家族のこともとにかく、楽しそうに語ってくれたみっちゃん。学園では2年前から『やらかしたオブ・ザ・イヤー』という賞をつくって、1年間で最も『やらかした』チームリーダーに賞金が出るそうです。失敗を恐れたり、失敗から逃げるのではなく、その経験を次に繋げることで、ポジティブなエネルギーになるからと。 環境も、常識さえも変化する、先が読めない大きなうねりの中で育つ子どもたちには、生きる力がますます重要になります。AIやデータベースの進歩によって、容易に知識を得られる時代になったからこそ、人に求められるのは、学んだ知識を何のためにどう使うかという知恵だと思います。そのためには学校が、人だからこそ学べる、失敗の経験やそこからくる感情、他者や自分と向き合うことを学べる場であって欲しい。そして、先生たちもまた、自分らしさを大切に、「自分のどまんなか」を生きることを選択できる社会になって欲しいと改めて思いました。（構成／Soda!Soda!編集部・大谷ミサ）

ヒミツキチ森学園についてはヨーコ先生こと中曽根陽子さんも東洋経済education×ICTで取材されています。▼記事はこちら「東洋経済education×ICT」 <a href="https://toyokeizai.net/articles/-/715978" target="_blank" rel="noopener noreferrer">ヒミツキチ森学園と葉山町｢公教育とオルタナティブスクール｣の連携に見た光　子どもたちの育ちを支える共同体のあり方</a><h2>インタビューした人&nbsp;</h2>

野瀬 美千子（みっちゃん） 一般社団法人PLAYFUL 理事 ヒミツキチ森学園 理事人生のテーマは可能性。自然が大好き。リセットしたい時はホットヨガで汗を流す。 これまで教育に携わる現場や運営など多方面から経験。2児の母になり、専業主婦・専業ママを経験してみるも、ずっと持ち続けていた「みんなが自分らしく、誰と比べることもなく、お互いに愛をもって共に生きていく世界がみたい」という想いから現在に至る。 現在は、わが子との日々も楽しみながら、一般社団法人PLAYFULやヒミツキチ森学園を運営。 オルタナティブスクールを創りたい人のためのコンサルティングも人気。 &nbsp;<h3>ヒミツキチ森学園</h3><figure class="image image-style-align-center image_resized" style="width:50%;"><img style="aspect-ratio:1334/287;" src="https://himitsukichi-school.com/wp-content/uploads/2020/03/%E3%83%92%E3%83%9F%E3%83%84%E3%82%AD%E3%83%81%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%99%E7%B7%91.png" width="1334" height="287"></figure><a href="https://himitsukichi-school.com/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://himitsukichi-school.com/</a>ヒミツキチ森学園は、2020年4月、神奈川県葉山町に開校したオルタナティブスクールです。 オランダのイエナプラン教育とデンマークの教育の指針を土台にしつつ、日本の学習指導要領や日本の教育と融合した形をベースに、「生きる力」や「学び方を学ぶ力」をはぐくみます。

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