教えてヨーコ先生

うちの子どもは、何ごとにも消極的です。
参観日に行っても全然手を上げません。
きっと間違うことや失敗が怖いんだと思います。
もっと自信を持って挑戦する子になって欲しいんですけれど・・・。

思い込みを外してお子さんの話を最後まで聞いてみましょう。
そして、できているところに注目して伝えてみましょう。

<h2>声がけの前にまずは事実を確認しましょう！</h2>

お父さんから見ると、お子さんが消極的に見えて心配なんですね。
そしてその原因は失敗が怖いからだろうと思ってらっしゃるんですね。お父さんとしては何ごとにも積極的に挑戦して欲しい、ということですよね。

そうなんです。妻が言うには、先生の言うことには常に素直に従うらしいのですが、僕には自分を出せずに我慢しているだけではないかと・・・。
これからの社会では、自分の考えを持って、それを人に伝えられるようにならないと困ると思うのです。

確かに自分の考えを持つこと、そしてそれを人に伝えることはとても大事なことですね。

ところで、お子さんが消極的に見えるのはどう言う場面でそう思われるのでしょうか。 先生の言うことにはとにかく従うということも心配されているようですが、ほかに何か学校での様子やお友達との関係で気になる出来事があるのでしょうか。お子さんが自分を出せないように感じられているようですが、お家での様子はどうですか？ お家では元気だけれど、外に出ると大人しいというお子さんは結構いますからね。具体的に気になる場面や言動がありましたか？そこでまず、事実を確認することから始めましょう。

<h2>気になる出来事を書き出して仕分けしてみましょう。</h2>どんな場面で、どんなことがあったのか。それに対してどう感じたのか。 まず、気になっている出来事を書いていきましょう。 そしてそれが事実なのかそうでないのかを分類していきます。 例えば&nbsp;

▶先生が〇〇と言った。それに対してお子さんがこんな様子だった。 →これは事実ですね。 では次にご相談について確認していきましょう。 ▶1）先生の言うことには何も考えず素直に従う →お子さんが先生に素直に従う・・・事実 →「何も考えていない」 &nbsp; 　 　・・・解釈▶2）手を挙げないのは間違うことや失敗が怖いから →手を挙げない &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp;　　　　 ・・・事実 →間違うことや失敗が怖いから・・・解釈 &nbsp;

つまり 　 お父さんは、お子さんに「なぜ先生の言うことに従っているか、手を上げないか」を確認はしていないので、1）「子どもが何も考えずに先生に従っていると感じている」 2）「子どもが手を上げないのは失敗が怖いからだと感じている」 と言うことになりますね。このように事実と解釈を分けていくと、物事を客観的にシンプルに捉えることができます。 こうして仕分けをしていくと、どうでしょう？&nbsp;

なるほど。確かに、そう考えていくと、僕が思っていることの方が多いですね。

そうなんですよね。
意外に、こちらの思い込みで解釈をしていることって多いんですよ。

<h2>親の解釈で決めつけないであげましょう</h2>ここからは、私の解釈になりますが、お子さんは先生のおっしゃることが本当にそうだなと思って従っているのかもしれません。 または、相手の気持ちがわかる優しい性格だから、先生の気持ちに応えようとして指示に従って行動しているのかもしれません。 もしかすると、これまでに思ったことを言ったときに大人から否定されたり、怒られたり、笑われたことがトラウマになっているのかもしれません。

ひとつの行動をとってもこれだけ解釈は変わります。 ですから、「間違うのが嫌で発言しない」と決めつけず、なぜ発言をしないのか？ その事実を確認してみましょう。すると、お子さんへの捉え方が変わってくると思うのです。さらに、お子さんは消極的と言うより、慎重な性格なのかもしれません。 一方、お父さんはきっとお仕事では決断が早くて、行動力がある方なのかもしれません。そして、しっかりとご自分の考えを持っていて、人にきちんと伝えることができる方なのではないでしょうか？ 往々にして、親子でもタイプは異なります。そして、自分とはタイプが違う我が子の行動にイライラしてしまう。これもよくあることです。

確かに、私とはタイプが違うので、見ていてはがゆくなるのかもしれません。

<h2>心配しすぎないでお子さんをよく観察しましょう</h2>でも考えてみてください。 我が子とはいえ、親とは性格も違う独立した一人の人間です。しかもまだ幼い。自分の意見を人に伝えるって、結構、高レベルの作業ですから、お子さんが上手にできなくてもそんなに心配なさらなくてもいいのではないでしょうか。人前で堂々とお話しされるしゃべりのプロの方でも、『小さい頃は恥ずかしがり屋で親の影に隠れてできるだけ目立たないようにしていた』なんていうエピソードはたくさんありますよ。

どうぞ焦らず、お子さんの気持ちを理解しようと言う気持ちを持って、よく観察してみてください。
その上で、お子さんの話を否定せずに最後まで聞く。
そしてできているところに注目して、ぜひそれを伝えてください。
そんな親御さんのプラスの言葉の積み重ねが、お子さんの自信を育み、いつか挑戦をするようになっていくと思います。

イラスト：さぶぼーぼ　<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="“_brank”">@ sabubobo</a>

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