教えてヨーコ先生

うちの子どもは、勉強が好きじゃないみたいです。
学校の宿題も私が言わないとやらないので、「宿題やった？」と毎日確認してなんとかやらせている状況で、親としてはイライラしてしまいます。勉強しなさいと言わずに済むにはどうすれば良いのか、アドバイスいただけますか？

言わないと何もしないと思っていると、そういう状況がずっと続きます。本当に実現したいことは何ですか？

<h2>ちょっと待って、それって思い込みじゃないですか？</h2>

声をかけないと、お子さんは何もしない。そんな様子を見ているとついイライラしてしまうんですよね。言わなくても勉強するようになってほしいと思うのが親心ですよね。
でもね、「言わないと何もしない」と思っていると、そういう状況が起き続けますよ。

なぜなら、脳はメッセージをそのまま受け取って、それが実現してしまうからです。 心理学では、これを自己成就的予言※と言います。 これは、根拠のない思い込みを持っていると、無意識にその思い込みに沿った行動を取り、その思い込みが真実となることです。 ※自己成就的予言（self-fulfilling prophecy） アメリカの社会学者W・I・トマス氏,ロバート・K・マートン氏,マーク・スナイダ氏らが最初に提唱した。つまり、お母さんがお子さんは、言わないと何もしないと決めつけていると、お母さんはそういう言動をするようになり、その結果、お子さんも言われないと何もしないと言う行動をずっとし続けると言うことです。

ええ～ということは、私が子どもは言わないとやらないと思っているから、やらないっていうことでしょうか？

そう言う面もあると思います。
なので、「うちの子はやればできるはず！」 と脳内のデータを書き換えませんか？

そのためには、どんな小さなことでもいいので、お子さんが言われなくてもしていることを見つけてみてください。そして、それをお子さんに伝えてみませんか？　 信頼を伝えると、行動が変わります。<h2>黙ってられないのはどうしてなんでしょう。</h2>

次に、お母さんが黙っていられないのは、お子さんが困らないためでしょうか？&nbsp; あるいは、お母さんが安心するためでしょうか？&nbsp; そこもちょっと胸に手を当てて考えてみましょう。お母さんがお子さんの救済者になっている限り、お子さんは救済される立場から抜け出すことはできません。&nbsp; 以前、<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/107/" target="“_brank”">「何度言っても学校のプリントを出しません」</a>というお悩みでもお答えしたように、当の本人が困らないことには、できるようにはなりません。ですから、本人が宿題をやらなくて困ったと言う体験をする必要があるんです。&nbsp; つまり、自分ごとにするということですね。&nbsp; まず知ってほしいのはそのことです。

宿題をしないと困るのは子どもですが、ちゃんとやらせるのが親の役目だから、私がなんとかしなくちゃいけないと思っていました。でも、考えてみたら、それは私が安心したいからかもしれません。

そうなんですね。
ちゃんとやらせるのが親の役目だと思っていらっしゃる人は結構多いですね。だから、放っておけなくて、「早くしなさい！」「勉強しなさい」と声をかけてしまう。

<h2>やる気がなくなる言葉、言っちゃってませんか？</h2>でも、「早くしなさい！」「勉強しなさい」という言葉は、どちらも子どもが言われて一番嫌な気持ちになって、やる気がなくなる言葉ですから、ますます自分から「やろう」と言う気持ちにはなりません。 むしろ、言えば言うほど、自分からやらないように仕向けていると言ってもいいくらいです。 今はまだ素直で、お母さんに言われたらいうことを聞くかもしれないけれど、そのうち反発するようになるかもしれませんよ。

言えば言うほどやらないように仕向けているなんて考えたことなかったです・・・。

そうなんですよ。反対の働きかけをしている人も多いです。
最終的に実現したいのは、言ったらやるのではなく、自分からやろうと思って勉強するようになってほしいと言うことですよね。
では、自分から勉強するにはどうしたらいいか？を考えてみましょう。

今回のご相談で、お子さんが自分からやらないのはすべて、学校から出される宿題とかプリントとか、与えられるものですね。
つまり、お子さんにとっては、どちらかと言えば、おもしろくはないし、やりたくないけれど、やらないといけないことなのでしょう。

<h2>この際、一緒に探究してみる</h2>そこで、お子さんが興味を持ったことをテーマに、一緒に探究してはどうでしょう？ あるお母さんは、はてな？ノートというのをつくって、お子さんが発した「なぜ？」 を記録していたそうです。そして、調べてわかったらまた記録するということを続けていったら、「子どもがどんなことに興味を持っているのかわかっておもしろかった」とおっしゃっていました。これ、そのまま夏休みの自由研究にもなりますね。

そんなことを通じて、お子さんは学ぶことのおもしろさに気づくかもしれません。 さらに、学校の勉強を意味のあるものするには、そもそも勉強ってなんのためにするんだっけ？その辺りから話ができるといいですよね。

そのためにも、まずはお子さんとのいい関係をつくることにフォーカスしてみませんか？

最終的に望んでいるのは、お母さんが言わなくてもお子さんが自分から勉強するようになること。そして、お母さんがストレスを溜めずにニコニコしていられることだとしたら、そのためには、どうしたらいいかを考えましょう。

イラスト：さぶぼーぼ　<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="“_brank”">@ sabubobo</a>

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