教えてヨーコ先生

うちの息子は、虫や宇宙などが好きなので探究心はあるのですが、学習に対しては興味がないようで身が入りません。
親としても学習に興味を持ってもらうにはどう接すればいいのか、悩んでいます。

興味のあることから、広げていきましょう

虫や宇宙に興味があって、探究心があるお子さんだけれど、学校の勉強には興味を示さない。まあ、それはある意味仕方ないことですよね。お子さんは、学校の授業が楽しくはないのだろうと思います。

こういっては、身もふたもないのですが、学校の勉強が楽しくて仕方ないというお子さんは、少ないかもしれませんね。なので、これは、多くの方に共通のお悩みだと思った方がいいでしょう。

むしろ、虫や宇宙に興味があって、そういうことに対しては探究心を発揮されているということですから、まずそこを認めてあげましょう。

ありがとうございます。
確かに、そうなんですけれど・・・
学校の勉強も大事だと思うのですが、このまま放っておいていいのでしょうか？

放っておいていいということではありませんが、お子さんは、幅広くそつなくこなすタイプではなく、1点集中タイプだと思うので、そこを活かしていく方法を考えた方がいいと思います。

<h2>興味のあること、好きなことを、とことん伸ばしてあげましょう</h2>お子さんは特に理科への興味が強いようなので、そこをとことん伸ばすことは、他の科目への興味を広げる妨げにはならないと私は思います。興味を持ったことを調べるうちに、教科書に載っていない言葉もたくさん覚えるでしょうし、習っていない漢字も読めるようになるかもしれません。これは国語の勉強です。宇宙のことを調べていくうちに、例えば、何光年ってどのくらいの速さなのかとか、星の大きさを比較するなど、数字に強くなるかもしれません。これは算数の勉強ですよね。

また、虫のことを調べていくうちに、地理や気候や歴史に興味が広がるかもしれません。どんな学問も、その分野だけで完結するものはなく、繋がっています。親御さんがそんなふうに捉えて、お子さんに話をしてあげてはどうでしょう？ただし、ひとつの分野から広げていく、そのエネルギーの素は、やはり自分が好きなこと、興味のあることかどうかなのです。 &nbsp;<h2>親が見守ることで世界が広がることもあります</h2>

私が取材した方の中に、幼児のときに与えた1冊の図鑑から微生物に興味を持ち、そこからその世界にめり込み、将来は研究者になりたいと思うようになったお子さんがいます。

小学2年生で孫正義財団の財団生に選ばれ、生物学の教授と堂々と意見交換をするほどになったのですが、その子もやはり1点集中型で、学校ではなかなか大変でした。

しかし、お母さんは、その子の探究心を潰さないように、見守っていました。今では、デジタルの世界にも興味を持ち、幅を広げているようです。

やはり好きなことは大事にした方がいいのですね。興味を持ったことをさらに広げたり深堀するために、どんなことをしたらいいでしょう？

<h2>没頭する楽しさを知ることで探究心が深まります</h2>

上の例のお子さんのケースでは、図書館を活用していました。 お子さんが小さい時から、児童フロアの本を、ジャンルは問わずなんでも読み聞かせていたそうです。めぼしいものを全部読んだあとは大人用のフロアに移って、この本は何歳用という縛りにとらわれず、図録や写真など魅力的なものが１ページでもあれば与え、読めないところは読んであげました。そうするうちに、お子さんが自分でも選べるようになっていったのです。そのお母さんは、「自分も、アニメなどにハマった経験があるので、好きなことに没頭する楽しさは知っているし、自分が没頭することを許されてきたので、子どもにも同じように対応をした」と話してくれました。

いろいろ心配はあるかもしれませんが、お子さんは、「まだ知らないことを知りたい！」という気持ちが強いのだと思うので、せっかくのその探究心を大切にしてあげませんか？

イラスト：さぶぼーぼ　<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="“_brank”">@ sabubobo</a>

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