教えてヨーコ先生

先日のことです。子どもに親も答えがわからないような質問をされて、困ってしまいました。こんなときはどう対応したら良いでしょうか？ 
また、わからないことがあったときに、できるだけ子どもには辞書や辞典・図鑑を使って自分で調べさせるようにしていますが、スマホやパソコンで調べても良いのでしょうか？なんとなく抵抗感が拭えません・・・

それは探究のチャンス！ 一緒に調べてみたらどうでしょう？

<h2>子どもにとって納得がいく答えを示してあげましょう</h2>

子どもは2、3歳になると、「なんで？」「どうして？」を連発するようになります。質問責めにあって困ったという方も多いのではないでしょうか？

これは、この時期に人間の脳が著しく発達することと関わりがあると言われています。脳内の神経回路が急速に形成され、さまざまなことを認識できるようになり、「知りたい」という気持ちが強くなるんですね。

6歳くらいまで続くこの時期を、心理学では「質問期」と呼び、「子どもの知的好奇心が最も伸びるタイミング」だと言われています。あらゆることを問いかけてくるので、答えに困ってしまうこともありますよね。でも、子どもが質問をしたときには、無理に正確な答えを教える必要はなく、子どもにとって納得がいく答えを示してあげることのほうが大切です。教育学者の汐見稔幸先生は、「大人はちゃんとした理由を答えなくては、と思いがちですが、子どもの方はちゃんとした答えが知りたいわけではない。むしろ『ファンタジックな世界』を連想できるような答えをしてあげるといい」と言います。例えば、「どうして雨はふるの？」と質問された場合、「さっき草を見たら、あまり雨がふらないから、水がもらえなくて元気がなかったんだよ。それを神様が知って、なんとか水を飲ませたいと思って雨をふらせてくれているんじゃないかな？」など、「想像力がかき立てられるような答え方」をするとそれなりに納得することがあるのだそうです。<h2> 子どもの疑問は、探究の始まりなので大切にして</h2>

確かに、小さい子にはそんな答え方もいいですよね。
でも小学生になるとそんな答えでは納得しないですよね・・・。

もちろんそうです。
子どもが成長して、そのような答え方では納得しなくなってきたら、きちんと説明する必要がありますね。

「分からないことがあったときに、できるだけ子どもには辞書や辞典・図鑑を使って自分で調べさせるようにしている」ということですが、それはとてもいいことだと思います。子どもの疑問は、探究の始まりです。ぜひ大事にしてあげてください。 &nbsp;

ただ、そのときにすぐに正解を答えたり、先回りの説明をしたりすると子どもから自分で考える機会を奪ってしまうことになりかねません。 また、子どもがいろいろ質問してくる裏には、「ママやパパに聞いてほしい」「共有したい」という気持ちからくることもあります。 なので、知らないことを質問されても、「知らない」とか「自分で調べなさい」の一言で終わらせるのではなく、「なんでかなぁ？」「どうしてだと思う？」と反応して、まずは子どもの気持ちに寄り添ってあげることが大切です。

ついつい、ちゃんと教えてあげなくちゃいけないと思っていました。

<h2>デジタルをうまく活用して、親子で一緒に世界を広げましょう</h2>教育学を学び３人の子育てをしてきたアグネス・チャンさんにインタビューをしたことがありますが、子どもが何か聞いてきたら、「良く聞いてくれました！」とまずほめて、一緒に答えを探していたそうです。そんなことから、親子の信頼関係も育まれていくのでしょう。もし、上手に答えられないようなことや知らない分野のことを聞いてきたら、そんなときこそ親にとっても探究のチャンス！一緒に調べてみると、親も世界が広がります。さらに、調べたことを実体験できたらなお良いですね。 「調べたら、疑問に思っていたことがわかるようになった！」経験や「調べたことを褒められた」経験は子どもに自信を与え、さらには思考力を育てることにも結びついていくことでしょう。&nbsp;

また、スマホやパソコンで調べることに抵抗感があるとのことですが、ネットは手軽に調べられるメリットもありますし、最新の情報に触れることもできます。最近はすごく良くできたアニメやデジタル教材もあるので、活用していけばいいのではないでしょうか？ 敷居が低い分、そこを入り口に関連のあることを知ったりする機会も得られます。 ただ、ネットの情報は間違っていることも多いので、そこに書かれていることを鵜呑みするのではなく、出典やいつの情報かを把握し、できるだけ一次情報にあたることを心がけましょう。

子どもの質問を入り口にして、横に広げたり、深めたりするのが親の役割です。

面倒くさがらずに、一緒に楽しんじゃってください。

‌