教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

中学受験のニュースがよく目に入るようになりました。 中学受験はしたほうが子どもの将来のためにはいいのでしょうか？高校からでもいいような気もするのですが・・・何を基準に考えればいいのか教えてください。

中学受験がベストな選択かどうかは、人によって違います。
なぜ受験をするのか目的を考えてみて。

中学受験のニュースを見て、自分の子どももした方がいいのかなと心が揺れているのかな？

まず、した方がいいかどうかは私には答えられません。
なぜなら、中学受験をするかしないか決めるのはあなたやご家族なのですから。

なので、それを決めるための材料をお渡ししますね。

<h2>中学受験をするメリットを考えてみましょう</h2>まず、中学受験をするということは、中高一貫教育を選ぶということになります。 （もちろん一貫校に入っても、高校受験はできますが） 中高一貫教育の特徴は、高校入試が無い分、高校受験のための勉強に時間を割く必要がないので、部活や学校生活、習いごとなどにじっくり取り組める余裕があります。 また、一貫校ならではの充実したプログラムを評価する声もあります。 &nbsp;

そうなんですね。中高一貫教育ならではの充実したプログラムってどのようなものなのでしょうか？

<h2>中高一貫教育ならではの魅力的なプログラムもあります</h2>今、教育が大きく変わろうとしていることを知っていますか？ これまでは、大学受験をゴールに、正解を教え込む教育が行われきました。しかし、時代の変化とともに、社会で求められる力も変化していることに対応するために、自主体的学びへのシフトが行われているのです。 そこで注目されているのが探究型学習です。探究型学習は、自ら学び、自ら考える力をつける学習です。 教科書に書いてあることをただ覚えるのではなく、教科の垣根を越えてさらに深掘り発展させて学んだり、自分の興味のあるテーマを追いかけて論文にまとめたり、学校の外に出て体験学習をしたり、プロジェクトを動かしながら学んだりします。 そういう学習には時間をかける必要があるので、時間的余裕がある中高一貫教育では、そういう学習が行いやすいと言えるでしょう。

<h2>中学高校の6年間は子どもから大人になる大切な時期</h2>また、中1から高3というと子どもが大人になる大事な時期ですから、自分についてもじっくり考え、自分は何が好きで得意なのか、何をして社会で生きていくのかを考え進路を決めていく必要があります。 ですから、中高一貫教育では、キャリア教育と進路指導を組み合わせたプログラムを行ったりしています。もちろん探究型教育は、公立中学でも行われていくので、中高一貫教育でないとダメということではありません。ただ、現状は、どうしても高校受験のための勉強のウエイトが大きくなるのは事実です。また高校受験のシステムが当日のテストだけでなく、授業中の態度などが評価点になる内申点も重視されるので、先生との相性が悪かったり苦手科目があると、不利になるのではと心配をする人もいます。&nbsp;

そんな話を聞くと、中学受験をした方がいいのかなと思い始めました。

もちろん高校受験のメリットもあります。

<h2>中学受験と高校受験のメリットを比較してみましょう</h2>小学校の間に塾通いをする必要がなく、習いごとを続けたり、好きなことをしてのびのび過ごせること。 中学と高校で環境をリセットできること。高校受験はほぼ全員がやるので、みんなと一緒に頑張りやすいという面もあるでしょう。 また親の役割や関わり方も変わります。 それぞれの特徴を表にまとめたので、参考にしてください。 &nbsp;

<h2>中学受験も高校受験もどちらも通過点。まずは「何のために」を考えて</h2>ただ、中学受験も高校受験も、どちらも通過点に過ぎません。 中学受験がいいのか高校受験がいいのかを考える前に、まず、学校は何のために行くのかを考えてみてください。

もし、知識をインプットするためだけなら、今はインターネット上にもさまざまな方法が提供されていますから、家庭でもかなりのことができます。そんな時代になっても、わざわざ学校という場所に出かけて学ぶ意味は、集団の中でいろいろな立場の人と関わりながら、刺激を受け合い学び合って、人として成長していくことにあるのではないでしょうか。&nbsp; &nbsp;

そういう意味で、
どんな環境を選ぶことがお子さんにとってのベストな選択なのか、
じっくり考えて選んでください。

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