教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

この春から新一年生になるので、学習時間の定着をさせなければと思っているのですが、どんなことからスタートすれば良いのか悩んでいます。通信教育や塾通いを始めるお友だちもいて、みんなに遅れないかということも気になっています。

焦らなくて大丈夫。学習は小学校で。
生活に慣れることが一番大切ですよ。

<h2>大丈夫。焦らなくていいですよ。寄り添って楽しみましょう。</h2>

小学校入学、おめでとうございます！
新しいランドセルを背負って登校するのですね。きっとお子さんも楽しみにされていることでしょう。

その一方で、これまでとは違う環境になるので、親御さんはドキドキしますよね。
いままでとは違い学校は勉強するところなので、特に学習に関して、ちゃんとついていけるか心配になりますよね。

そうなんです。幼稚園のお友だちに聞くと、学習系の習いごともしている子も多く、何もしないと、入学してから子どもが困るんじゃないかと心配です。

そうですよね。でも結論から言うと、焦って塾や通信教育を考える必要はないと私は思います。

<h2>初めて学ぶ体験を心から楽しませてあげましょう</h2>確かに、他のお子さんの様子を知ると、最初からつまずいてしまうのではと心配になりますよね。 でも、ちょっと待って！ そもそも、ひらがなも足し算も小学校1年生で初めて学ぶようになっているんですよね。教科書もそのようになっています。 せっかく新しい学びが始まるのに、事前に知ってしまったら、感動がなくなってしまってもったいないですよ。 新しい場所で新しいお友達と初めてのことを学ぶと言う経験は一生のうちでそんなにないことです。 ぜひ、お子さんのはじめの一歩の感動を大切にしてほしいと思います。

入学前にひらがなが書けるようにしておかなければならないと言うことはありません。 ただ、実際問題としては、幼稚園や保育園と違って、自分のロッカーにシールや絵のマークはなくて、ひらがなで名前が書かれています。 時間割も教室のお知らせもひらがななので、ひらがなに慣れておくことはいいですね。 そして、自分の名前のひらがなが読めるようになっていた方が、安心かもしれません。ただし、無理は禁物です。 好きな絵本に自分の名前の字を見つけてみたり、お買い物に行ったときにお菓子のパッケージを一緒に読んでみたり、生活の中で興味を持つように働きかけてみてください。<h2> 入学前にやってみてほしい3つの提案</h2>さて、小学校が幼稚園や保育園と大きく違うところは、時間割があって、自分の机に座って過ごすことがほとんどだと言うこと。そして鉛筆を持って勉強するということです。 これは5～6歳のお子さんにとっては大きな環境の変化ですよね。 そこで、私から次の3つのことを提案したいと思います。

①　鉛筆と仲良くなりましょう
②　座ることに慣れましょう
③　学校生活のイメトレをしましょう

<h2>①　鉛筆と仲良くなりましょう</h2>小学校に上がると毎日鉛筆を使うようになりますから、鉛筆に慣れておくといいのではと思います。 鉛筆で画用紙に自由に線や丸を書いてみたりするだけでも良いと思います。ただし、なんでもそうですが無理やりやらせては勉強嫌いにしてしまいかねません。 焦らず無理せず楽しみながらできるように工夫しましょう。<h2> ②　座ることに慣れましょう</h2>先ほども書きましたが、小学校では基本机と椅子で過ごします。 1年生は午前中だけとはいえ、慣れないと苦痛に感じるお子さんもいると思います。 一緒にテーブルに座って絵本を読んだり、いつもはソファで見るテレビを映画館ごっこのように椅子に座って見てみるなど、遊び感覚で椅子に座る時間を増やしてみるのもいいかもしれません。

<h2>③　楽しく通うためのイメージトレーニングをしてみましょう</h2>お子さん自身が新しい環境で馴染みやすいように、小学校生活の予告編のように、通学路を歩いたり、チャイムを鳴らして学校ごっこをしたり、目覚まし時計を用意して一人で起きる練習をするなど、イメージトレーニングをしてみてはどうでしょうか。特に自由保育の園で過ごしてきたお子さんは、時間割で動くとか、皆で一緒に同じことをすると言うことにびっくりしてしまうかもしれないので、学校という場所をイメージできるように話してあげるといいと思います。お友だちに遅れないか、気になるということですが、よくあるのが、入学前に親が焦って「まだそんなこともできないの？それじゃ小学生になれないよ」と脅してしまうことです。 これは、小学生なるって大変なことだというイメトレをすることになってしまいます。

学習については、先取りをしすぎても学校の授業がおもしろくなくなってしまうでしょうから、あまり焦らないこと。入学したら学校の勉強がわかっているかよく観察して、必要に応じて考えていけばいいではないでしょうか？

そして、「守らないといけないこともあるけれど、楽しいこともいっぱいあるよ」と教えてあげましょう。 初めての場所に行く訳ですから、お子さんにとってもチャレンジです。 そのチャレンジに寄り添って応援してあげてください。

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