教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

共働きなので、僕の帰宅時間もあり、ついつい夜遅くまで親子で過ごすことが多いです。
小学校に入る前に生活リズムを見直したほうがいいでしょうか。
家族の時間も大切にしたいのですが…

共働きでいらっしゃると、帰宅されてからが忙しいですよね。
ついつい夜更かしになってしまう事情もわかります。
でも、結論から言うと、小学校に入る前に生活リズムは見直した方がいいと私は思います。

<h2>生活リズムの乱れは脳の発達にも影響があるといいます</h2>家族の時間も大切ですが、それよりももっと大切なのは、お子さんの健全な発達です。 そのために、生活リズムを整えることを考えてみませんか？これは、発達脳科学者で小児科医の成田奈緒子先生がおっしゃっていることですが、ここでその要点をお伝えしますね。まず、私たち人間は朝起きて、太陽が出ている間に活動し夜は眠る昼行性動物です。 ですから、体の機能もそのようにできています。 でも、現代人は人工的な光に照らされて、夜遅くまで起きているようになりました。生活が便利になった一方で、さまざまな不調を訴える人が増えています。 特に子どもは脳が発達していく大切な時期に、夜更かしで生活リズムが乱れていると、脳の発達にも影響が出るそうですよ。&nbsp;

えっ、そうなんですか…。知りませんでした。

<h2>生まれてから5年間が脳の中心部の発達する期間です</h2>脳の発達には順番があり、生まれてから18年かけてさまざまな機能を獲得しながら発達していきます。特に生まれてから5年間は、脳幹や小脳など脳の一番中心部分が発達します。ここをからだの脳といい、呼吸や体温調節、体を動かすなど、生きるために欠かせない機能を担っています。 また起きる・寝るという体内時計の働きや、食欲もつかさどっています。つまり、生きる上で一番大切な部分で、家に例えれば土台になるのですが、夜更かしや生活リズムの乱れが原因で、この部分がしっかりと育っていないことによる弊害が、今たくさん見られているのです。成田先生は、専門医として発達障害が疑われる子どもたちをたくさん診てこられたなかで、生活リズムと症状が深く関わっているケースがよく見られるとおっしゃっています。&nbsp;

お子さんも夜更かしになっているということですが、朝はどんな様子ですか？
朝自分から元気に目を覚まし、しっかり朝ごはんを食べられていますか？
朝、なかなか起きられないということはありませんか？

もしそうだったら、生活リズムの乱れによる影響があるかもしれませんね。お子さんの脳もこれから、大脳や小脳、前頭葉といった高度な知能をつかさどる部分が発達していきます。その部分がちゃんと育つためにも、今のうちに土台をしっかりとつくっておくことが大切だと思いますよ。

<h2>小学校入学が早寝早起きの習慣をつけるチャンスです</h2>これから小学校に入学されると言うことなので、ちょうど良いチャンスです。 朝元気に起きて学校に通えるように、早寝早起きの生活に切り替えませんか。

なるほど…夜ふかしが脳の発達に影響を与えていると知ってちょっとびっくりしました。
でも家族で過ごす時間も大切にしたくて、早く寝ちゃうとその時間が取れないんですよね。

家族の時間も大切ですよね。でもその時間を夜ではなく朝にしてはどうでしょう。

子どもは親の生活リズムにつられるので、親が夜遅くまで起きていると、なかなか寝られません。なので、これを機会に家族で一緒に早寝早起きに変えてみることをお勧めします。

実は、大人にとっても睡眠はとても大切です。 睡眠不足が続くと機嫌が悪くなったり、疲れやすくなったり、昼間の能率もあがらず集中できないといった状態になりやすいということです。反対に朝早起きをすると、脳が覚醒してパフォーマンスも上がるので、仕事も家事もはかどります。 私も成田先生と出会ってから、朝型に変えたおかげで、仕事の効率も上がり、生活に余裕が生まれました。またそれだけでなく、心も整うので、イライラしたり、不要なことで悩んだりしなくなりましたよ。<h2>朝のクオリティタイムで親子関係も良好に</h2>早く寝ることから始めるのはかんたんじゃないかもしれないので、まずは朝早く起きることから始めましょう。すると、自然に夜は眠くなります。ただ、そのときに気をつけて欲しいのが、夜寝る前にスマホやテレビなど電子機器を触らないこと。強い光を浴びてしまうと、昼と勘違いして脳は覚醒してしまいます。 &nbsp; 寝る前にスマホを見るのをやめて、代わりに家族でお布団に入ってお話をしたり、絵本を読んだりする時間にしてはどうでしょうか。 こういう時間を「クオリティタイム」といい、大切なひとと過ごす良質な時間、もしくは、良質な時間を持つことをいいます。

そして次はほんの少し早起きをして、夜に会えなかったお父さんも一緒に朝のクオリティタイムで家族の時間を手に入れてみてはいかがでしょうか。

お子さんの健全な成長のためと思って、ぜひ早寝早起きに切り替えてみませんか？

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