教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

学校の準備、親はどれくらい手伝うべきでしょうか。 
連絡帳も自分で出すより私が声かけしてやっと出てきます。
明日の持ち物の用意などなど…
そして朝はやっぱり親が起こした方がいいのでしょうか…

最初から全部自分で、というのは無理。
まずは一緒に準備して足場かけを。
段階を経て徐々に手を離していきましょう。

<h2>最初から全部は無理。まずは一緒に「足場かけ」から始めましょう</h2>学校の準備や日常生活のあれこれについて、自分でできるようになってほしいけれど、子どもに任せるにはまだ心配があるということですね。連絡帳も、確認するために声かけをしていらっしゃるのでしょう。それも、お子さんが困らないようにしてあげたいというお気持ちからですよね。その気持ちはわかります。お子さんの年齢がわかりませんが、学校の準備については、最初は一緒に用意をしてあげる。次に、お子さんに任せて、最後の確認だけをする。という段階を経ていくと良いのではないでしょうか？もちろん最終的には、自分のことは自分でできるようになるのがゴールですが、だからと言って、最初から「全部自分でやりなさい」と言われたら、子どもも戸惑ってしまうでしょう。 発達心理学ではこれを「足場かけ」「足場づくり」（scaffolding）といいます。 子どもの活動を補い、子どもが今もっている能力よりも少し上のところにいく足かけを作ってあげることを意味します。

新1年生のお子さんの場合は特に、新しい生活に入っていくのですから、こうした段階を経ていくことが大切です。 すでに、幼稚園や保育園に行く準備は、子どもが自分でしていたというお家もあるでしょう。しかし、小学校に上がったら、生活はガラッと変わります。 学校には時間割があり、その日の予定に合わせて用意するものが毎日変わるので、準備の仕方も変わります。それなのに、最初から全部自分でやりなさいと言うのは少し乱暴ですよね。だから、徐々に段階を経て、手を離していくのです。

なるほど。足場かけってわかりやすいですね。
でも、うちの場合は、すでに2年生になっているのに、子どもに任せていると忘れ物が多くて、なかなか一人でちゃんとできないんです。

そうなんですね。もちろん、できる・できないは、個人差があります。だけど、できないからといって、全部親がやっていたら、子どもは永遠に自分でできるようにはなりませんよね。

<h2>「困る」という体験は自分できるようになるチャンス</h2>例えば、忘れ物をして困ったという体験をすることで、どうしたら次は忘れないかを考えることができます。 それなのに、困る前に手を出していたら、自分でできるようになるチャンスを奪ってしまうことになりますね。 なので、自分で考えるように促しながら、足場かけをしてフォローをしつつ、徐々に自分のことは自分でできるようにするプロセスを踏むといいのではないでしょうか。やり方を教えて、あとは任せていく。そんな感じです。

<h2>手伝ってほしいかどうかお子さんに聞いてみる</h2>どのくらい手伝うべきか…ということですが、これはお子さんに聞いたらいいと思います。 手伝った方がいいのか。自分でやってみるのか。手伝ってほしいなら、何を手伝ってほしいのかを本人に選択させるのです。自分でやりたいと言ったら、任せてみる。そしてできていたら褒めてあげる。 もしできなかったら、どうしたらできるようになるのかを考えてもらいましょう。 それでも心配なら、「できたかどうかを最後確認させてくれる？」と断ってから、確認をする。そして、足りないものがあったら、 「ちゃんとしなさい！」ではなく、 「○○は必要じゃないのかな」と聞いてみる。 そして、自分で用意をさせる。ある程度できるようになったら、全部任せていく。 そんな手順を踏みながら、徐々に手を放していきませんか？&nbsp;

何を手伝うかを子どもに聞くって、考えたことがなかったので、子どもに聞いてみようと思います。

いいですね！
朝自分で起きると言うのも、同じことです。
いつも起こしていたら、自分で起きるようにはなりません。
もし、いつも起こしているなら、自分で起きられるように促していきましょう。

<h2>親子で一緒に考えて、できる方法を自分で決めることが大事</h2>そのためには、自分で起きられるようになってほしいということをきちんと話すこと。そして、何時に起きるかをお子さんと決めたら、どうしたらできるかをお子さんと一緒に考えて、そのための環境を整えていくことです。 自分で考えたことはやる可能性が高いので、ぜひお子さんに考えてもらいましょう。 例えば、お気に入りの目覚まし時計を準備すると言うのもいいですね。そして、自分で起きてこられたら、褒めてあげましょう。大人でも習慣化するには21日間、定着するには3ヶ月かかると言われています。なので、焦らずに、少しずつ自分でできるようにサポートをしてください。 もし夜更かしが原因で朝が起きられないなら、<a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/yokosensei-230324/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">前回の記事（家族でついつい夜更かし。小学校に入る前に生活リズムを見直すべき？）</a>を参考にして生活リズムを見直してみましょう。 朝、自分で起きられると、お母さんも喜んでくれて気分良くスタートできると言うことをお子さん自身が感じることができるといいですね。

私は、子育ての最終的なゴールは、【自律】だと考えています。

それは、自分で考え選んで行動すること。さらに言えば、自分の人生の舵取りは自分でできるようになるということです。もちろんそんなことは、いきなりできるようにはなりません。

だからこそ、日々の小さなことから、自分でできるようにしていく。その積み重ねが、最終的に子どもの自律につながるのです。

今の困りごとは、お子さんが自分で考えて行動する力を育てるチャンスと捉えて、根気強く自分のことは自分できるように促していきませんか？

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