教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

子どもにとっては、楽しい夏休み。でも親にとっては気が重い時期でもあります。なぜなら、親はいつもと変わらず毎日やることが満載な上に、子どもが家にいると用事が増える一方。
ただでさえ忙しいのに、そんなときに限って話しかけてくる子どもについイライラしてしまいます。でも、1日の終わりに、そんな自分に自己嫌悪する毎日。イライラしないで子どもと向き合う方法が知りたいです。

イライラを手放すには、まずそんな自分に○をつける。そして、子どもが話しかけてきたときには、ちょっと手を止めて、目を見て話を聞いてあげて。

<h2>なぜか余裕のないときほどまとわりついてくる子どもたち</h2>夏休みの“あるある”ですね。私もそうだったなあと、まだ子どもたちが小さかったときのことを思い出しました。 子どもって、こっちに余裕がないときほど、まとわりついてきますよね。 しかも、夏は暑い！それだけでもイライラしてしまうと思います。先日、町で小学生の男の子に真顔で怒っているお母さんを見かけました。 信号待ちをしていたときに、男の子がお母さんにじゃれて、背中から飛びついていたのですが、その手を振り解いて「もうやめて！」と大声を出したのです。その瞬間、男の子はちょっと悲しそうな顔をしていたので「あ、そんな言い方をしたら傷つくんじゃないか」とヒヤッとしたのですが、一方で、そのお母さんの気持ちもわかるなと思いました。 お母さんは、決してその子が憎いとかではなく、急に後ろから飛びつかれたことが嫌だったんでしょう。なぜなら、その後、お母さんは気を取り直したように、男の子に話しかけていたからです。お母さんは、もしかしたら、暑さで疲れていたのかもしれませんね。

<h2>イライラしている自分を認めて、〇をつけましょう</h2>誰だって、イライラして感情が爆発してしまうことはあります。 だから、もしそんな瞬間があっても、自分を責める必要はないです。 まず、イライラしている自分を認めて、「だって人間だもの。イライラしちゃうことはある」と〇をつけましょう。

自分に〇をつけるってどういうことですか？

誰だって、いつも完璧な親ではいられません。
だから、マイナスの感情が湧いてきても、それを否定しないで受け止めるということです。だからと言って、それを良かったことにするということではありません。
「あー私イライラしちゃったな。疲れているのかもしれないなあ。」と、その事実をただ受け止めて、良い、悪いのジャッジをしないということです。

なるほど。感情的になった自分も受け止めるということですね。

そうです。そして、そんな自分にも〇をつけることで、負の感情を手放すことができます。これはスキルなので、ちょっと訓練が必要かもしれませんが、ぜひ自分を客観視する目を持って欲しいなと思います。「売り言葉に買い言葉」と言いますが、イライラしちゃったときに、その感情に囚われて反応してしまうと、それは相手にも伝染して、言い合いになったり、泣かれたり、マイナスの連鎖になります。 夏の暑さで、ただでさえイライラしてしまうのに、そんなことにエネルギーを取られると、ますます消耗してしまいますよね。結果的に自分にとってダメージになるので、さっさと手放しましょう。

<h2>「こっち向いてのサイン」は見逃さないで</h2>また、忙しいときほど話しかけてくるのは、子どもの「お母さん、こっち向いて」というサインであることが多いです。何か用事をしていたとしても、ちょっと手を止めて、お子さんの目を見て、「何？」と聞いてあげて欲しいです。そして、お子さんが言うことを繰り返しながら耳を傾けてみてください。案外、聞いてもらえたと言うことだけで満足して、落ち着くことは多いです。例え、この時間を取ることで、やらなくてはいけない仕事や家事が後回しになったとしても、ごちゃごちゃが長引かなければ、むしろ用事がはかどるかもしれません。<h2>まずはお母さん自身の心のコップを満たすことから</h2>

ただ、自分の心のコップが満たされていないと人に優しくすることはできませんね。
だから、まずはイライラしている自分に〇をつける。そして、イライラした気持ちをクールダウンさせる方法をいくつかストックしておくと良いですよ。

特に猛暑で、自分が思っている以上に体にダメージがあるかもしれないので、あまり無理して用事を詰め込みすぎず「6割できていたら上等！」くらいの気持ちで、ご自分を労わりながら、この夏を乗り切ってください。

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