教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

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SNSを見ると、頑張っているキラキラした人たちの情報が目に入ります。そして自分の家族と比較して、疲れたり自分を卑下したりしてしまいます。 見なければ良いのですが、ついつい見ずにはいられません…
自分の軸、我が家の軸を保つべきだとは分かっているけれど、どうしたら良いのか…ヒントを教えてほしいです。

<h2>他者との比較は人間の習性なのです</h2> 通信機器の普及と共に、私たちは多くの時間をスマホやタブレットなどのデバイスを手にして過ごすようになりました。 暇があると、無意識にSNSのアプリを開いていることも多いのではないしょうか。そして開けばおっしゃる通り、頑張っている人やキラキラしている人の投稿がいやでも目に入ってきますよね。その結果、ついつい自分と比較して気分が落ち込んでしまうというのはよく分かります。 これは、あなただけではなく、ほぼすべての人がそんな経験はあるのではないでしょうか。実際、SNS利用がメンタルヘルスに及ぼす影響に関する調査はいろいろあります。SNS利用頻度が高ければ高いほど、依存症を発生しやすく、うつ病になりやすいと言われています。 しかし、良くないと分かっていても見てしまうのはなぜなのでしょう…。それは、人は自分と周囲の人を比較することで、社会における自分の位置や能力・容姿や態度などをできるだけ正確に把握しようという傾向があるからです。つまり誰もが、無意識に他者との比較をしてしまうのです。

そうなのですね。それが習性だと知ってちょっとホッとしましたが、その結果キラキラしている人を見てうらやましくなったり、自分はダメだと思って落ち込んでしまいます。どうしたら良いでしょう…。

でも、SNSの影響について自覚できていることが、まずは素晴らしいと思いますよ。
自覚していない人だっているわけですから。

<h2>物理的に距離を置いてみる</h2> その上で、一番の対処法は、SNSのアカウントを完全に削除して一切見ないようにすることですよね。 でも、今やSNSは必要な情報を得る手段にもなっていますから、それも簡単ではないでしょう。なので、次の対処法としては、まずSNSの種類を絞ってはどうでしょうか。 いくつものSNSを使っていると、それをチェックするだけでも相当な時間を使ってしまいますし、目に入ってくる情報も多いので疲れてしまいます。さらに、繋がる人も絞ることです。 特にその人の投稿を見ると比較してしまうなあ、落ち込んでしまうなと思う方の投稿は、申し訳ないけれど、ブロックしましょう。見なければ、影響を受けることもありませんから、おすすめです。 また、自然の中に出かけるのもおすすめです。ネットの繋がらない場所で自然に身を委ねると、心が落ち着きます。

<h2>比較している現実の違いを意識しましょう</h2> また、SNSで人と比べてしまうとき、そもそも比べる基準が違うということを意識すべきです。 どういうことかというと、「自分のありのままの現実」と、「他人が自分を良く見せようとして演出した現実」を比べているということです。たとえその人が日常生活の様子をアップしていたとしても、寝起きのボサボサ髪の姿をあえて投稿する人はあまりいないでしょう。投稿するのは、自分が楽しかったり、ちょっと良いことがあったときだったり、褒めてもらいたいときだったりの瞬間を切り取っている。 つまりSNSに載っているのは、日常を0とすれば、プラスの情報ですから、その分を差し引いて考えないといけません。

<h2>「プラスのメガネ」で幸福度アップ</h2> そして、最終的には、自分自身を満たすことです。 そのためには、ないものより「あるもの」、できていないことより「できていること」、弱みより「強み」を意識することです。 私たちの脳は、ネガティビティバイアスといって、ネガティブなことに目がいってしまう特性を持っています。なので、意識して視点を変える必要があります。これは、子育てにおいても大切なことです。お子さんのことも「良いところを探すメガネ」をかけて見てあげれば、可愛さも増してくるでしょう。 寝る前に、「今日あった良かったこと」を3つ思い浮かべると幸福度が増すと言われていますから、そんなこともやってみてはどうでしょうか。

最後に…

自分軸を持つって、そう簡単にできることではありません。
でも日々の積み重ねが効いてきます。
ぶれてしまう自分にも○をつけながら、竹のようにしなやかな「自分軸」を目指しませんか？

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