教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

この春小学校に入学します。
学用品を揃えたりと楽しく準備していますが、入学が近づくにつれて少し不安になってきました。安心するための入学前の心構えってありますか？

小学校生活をイメージできるように準備しましょう。

春に1年生になるのですね！　おめでとうございます！！ランドセルに学用品、そしてお名前シールなどなど、きっと親子でワクワクしながら準備されているのでしょうね。学校によっては、今頃入学前の説明会が行われているところもあるでしょう。もしかしたら、先生のお話を聞いて、学校でちゃんとやっていけるのかなと不安になっていらっしゃるのでしょうか。

そうなんです。学校で先生のお話を聞いて、うちの子ちゃんと座っていられるのかなとか、お勉強についていけるのかなと、いろいろ心配になってきてしまいました。

<h2>安心して。不安になっているのは、あなただけではありません</h2>小学校は、幼稚園や保育園と違って、勉強が中心。 45分の授業時間中、座って先生のお話を聞かなくてはならいなど、集団生活のルールもこれまでとは違ってきますね。 中には、その環境の変化にスムーズになじめないお子さんもいます。それが「小1プロブレム」です。小1プロブレムとは、小学校に入学したばかりの1年生が、なかなか小学校になじめず問題行動が続くこと。たとえば、<ul><li>授業中、席に着いていることができない。</li><li>集団行動が取れない。</li><li>先生の話を聞けない。</li><li>指示に従うことができない。</li></ul>などなど、小学校のクラス運営が困難な状況になってしまう状況を表しています。でも、子どもにしてみたら、昨日までの生活とガラリと変わる環境に一気になじめと言われても、それはなかなか簡単ではないですよね。それに、1年生は生まれ月によってまだまだ差が大きいので、学校が想定するスピードについていけないお子さんもいるでしょう。

もちろん学校もそのことはわかっていて、1年生が少しずつ学校生活になじめるような工夫はしています。ただ、学校はひとりの先生が最大35人の子どもたちを相手にしているし、決められた時間数で教科学習を進めなくてはいけないので、なかな一人ひとりにきめ細かく対応することはできないのも現実です。ですから、やはり最初は家庭でも、お子さんが学校生活になじめるようにサポートすることが必要になります。ですが、親が不安な気持ちになっていると、それがお子さんにも伝わってしまいます。 「小学校ではちゃんとしなくちゃだめなのよ！」と不安を煽るような言葉掛けをしたら、子どものワクワクした気持ちを潰すことにもなりかねません。 &nbsp;<h2>前向きな声かけで成長を見守りましょう</h2>

お子さんの小学校入学を目前にした親御さんは、多かれ少なかれ皆さん不安な気持ちになるものです。「小学校ではちゃんとしなくてはいけないのよ」という言い方ではなく、前向きな声かけを意識してください。<ul><li>学校に行くと、これまでとは違って、教科書を使っていろんなことを教えてもらえるんだよ</li><li>学校には給食があって、みんなで一緒に食べられるんだよ</li><li>体育の時間には、体操服に着替えて校庭や体育館でいろんな運動ができるんだよ</li><li>大きいお姉さんお兄さんもいるよ</li></ul>など、小学生になるとどんな生活になるのかをイメージできるように、前向きな表現でお話をしてあげたり、通学路を一緒に歩いてみたりしてはどうでしょう。 小1プロブレムの問題というのは、日本だけでなくほかの国にもあるようです。私が視察したデンマークでは、幼稚園と小学校が連携していました。年長さんが小学校入学前に何度か学校に行って、上履きに履き替えて教室で過ごす経験をすることからスモールステップの経験を繰り返し、少しずつ学校という環境に慣らすということをしていました。そのくらい、学校というシステムに入ることは、子どもたちにとっては大きな変化だということを、私たち大人が理解しておくということが必要なのだと、そのときに思いました。

<h2>学校と良い関係をつくって一緒に子どもの成長を見守りましょう</h2>日本でも、文部科学省が幼保小（幼稚園・保育園・小学校）の連携を図る架け橋プログラムを推進しています。 ただあまり機能していないのも事実です。もし集団生活になじめるか不安なお子さんには、「学校では学校のやり方があるから、もしかしたら○○ちゃんがやりたくないと思うこともあるかもしれないけれど、だんだん慣れていけばいいからね」と、事前に想定できる困りごとは伝えておく方がいいかもしれません。 そして、入学後は学校の先生とも良い関係をつくっていくことです。お子さんはいま、保育園や幼稚園で年長さんとして、頑張っていることでしょう。 入園前のことを思い出せば、きっとすごく成長していますよね。子どもたちは成長しようという力を持っています。 学校に入ったら、最初は戸惑うこともあるかもしれないけれど、確実にできることが増えていくので、焦らずに子どもの成長を見守っていきませんか？

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