教えてヨーコ先生

<h4>【Soda!Soda!からのお知らせ】</h4>8月20日（火）に、ヨーコ先生こと中曽根陽子さんの新刊『中学受験　親子で勝ち取る最高の合格』（青春出版社）が発売されることになりました。 この本では、中学受験を検討するときに必要な「受験軸」の作り方や、軸を決めるための最新の受験情報や塾の選び方、学校選びの視点、さらに「やって良かった」と思える受験にするための親の関わり方など、具体的な方法を紹介しています。Soda!Soda!では、新刊発売を記念して書籍プレゼントキャンペーンを開催します！ <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/events/detail/event-240808_nakasone-book-campaign/?utm_source=mg_kanren&amp;utm_medium=email_smile&amp;utm_campaign=2024.08.09_yokosensei_230409" target="_blank" rel="noopener noreferrer">&gt;&gt;詳細はこちらをチェック！</a>

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

教育ジャーナリストであるヨーコ先生こと中曽根陽子さんに、中学受験について解説していただく「教えてヨーコ先生受験編」今回は気になる教育費について。子どもが大きくなるにしたがって、かかるお金も大きくなりますよね。教育費や習い事にどれくらいお金がかかるのか、お金をかけての受験するべきなのか…。関連記事 ：子どもひとりに2,000万？幼稚園から大学まで、子どもにかかる教育資金事情とは <a href="https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-231004/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.seiban-sodasoda.com/episodes/detail/kyoiku-no-arekore-231004/</a>

<h2>日本は教育にお金がかかる国</h2>お子さんが小学校に上がると、その先の教育が気になってきますよね。 そしてどのくらいお金がかかるのかも…。 政府も教育費の軽減を模索していますが、北欧などと比べると、日本はまだまだ教育にお金がかかる国です。そこで、まず現状で幼稚園から高校卒業までにどのくらいの費用がかかるのかを見てみましょう。文部科学省の令和3年度子どもの学習費調査によると、以下のようになっています。（学習費とは学校教育費，学校給食費及び学校外活動費の合計​​） ▼幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間の学習費総額

もっとも可能性が高そうなのが「ケース4」の幼稚園・高等学校が私立というパターンかなと思うのですが、それだと7,877,929円、私立の中高一貫校に進学した場合10,632,988円と1,000万円を超えます。ただ、幼児教育は2019年に無償化され、高等学校も自治体によって違いはありますが、実質無償化の動きが進み、返還不要な給付型奨学金の制度もあります。 日本も遅ればせながら、教育費負担軽減の施策が行われつつあるので、期待したいところですね。

学校外の学習費は小学校高学年から増加。ピークは中学3年生です。 ただ、中学受験にしろ、高校受験にしろ、どこかで受験をするわけで、そこでは受験料や学習塾の費用がかかります。では、小・中学生がどのくらいの割合で学習塾を利用しているかを見てみましょう。 これは、16,000名規模の全国サンプリングの調査（「<a href="https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5210" target="_blank" rel="noopener noreferrer">学校外の教育活動に関する調査2017</a>」）から算出された学年別の通塾率です。

こちらの調査では、子どもが過去1年間に学習塾に通ったかどうかをたずねており「学校の補習をするための塾（補習塾）」「受験勉強をするための塾（進学塾）」「計算や漢字などのプリント教材教室」「理科の実験教室」「算数・数学教室」「国語・作文教室」「英会話・英語教室」のいずれか1つでも通っているケースを「通塾者」としています。さらに、どのような塾に通っているかを分析したデータによると、小学校低学年（小学校1～3年生）のうちは、読み・書き・計算などの基礎的な力や英語能力を高めることを優先し「プリント教室」や「英会話・英語教室」に通う子どもが多いのですが、小学校高学年（小学校4～6年生）になると、「進学塾」の割合が高まっています。実際、首都圏では、中学受験の受験率が過去最高を更新していますし、中学受験をしなくても、高校受験を意識して塾に通わせる家庭が増えているのでしょう。 では、学校外の学習費はどのくらいなのでしょう。 以下のグラフは公立学校に通っている子どもの学年別学校外活動費です。

補助学習費というのが、いわゆる塾代です。 高校受験の場合は6割近くが塾に通っているので、この表でも中学生になるとその数字は上がり、ピークは中学3年生です。ただ、中学受験の場合、小学4年生から3年間進学塾にフルスペックで通塾するとしたら、300万円くらいかかるとも言われていますから、都心で中学受験をした人の学校外学習費はさらにかかっていると思った方がいいでしょう。

<h2>教育費はかけようと思えばいくらでもかけられる。それだけに方針を決める必要あり</h2>こうしてみていくと、「やはりお金がないと教育ができない」と思われるかもしれませんね。でも、数字を反転してみれば、塾に行かずに受験をする人もいるわけですから、お金をかけないとまともな教育は与えられないということでもないでしょう。 しかも、いま、世の中は大きく変わろうとしています。受験のシステムはそう簡単には変わらないかもしれませんが、大学受験はすでに6割が総合型選抜になっていますし、少子化で私立高校も淘汰の時代が始まっています。 皆さんが経験してきた受験とは様変わりしてきているのです。ある程度教育費を準備しておく必要はあるでしょうが、塾に行かなければ私立高校や大学に進学できないということはないでしょう。 さらに言えば、その使いどきは受験のための塾費用だけではないかもしれません。 たとえば海外に出るための語学を学ぶ費用や、子どもが何かやりたいことができたときにそれを経験させてあげられる費用にまわすことも考えられます。 先がどうなるか分からない時代に必要なのは、親が敷いたレールを踏みはずさないように歩く力ではなく、自ら道を切り開く意志やうまく行かないことがあってもへこたれない失敗力（レジリエンスの力）です。 現実的に、どのくらい教育費を準備できそうかシミュレーションしてみるのは大切ですが、問題を先取りして心配するのではなく、むしろ、お子さんの生きる力を育む子育てを探究してほしいと思います。 &nbsp;

参考 文部科学省　令和3年度子どもの学習費調査 <a href="https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00001.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00001.html</a>ベネッセ教育総合研究所 学校外の教育活動に関する調査2017 <a href="https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5210" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5210</a> 【データで語る日本の教育と子ども】 第2回 放課後のもう一つの学校、「学習塾JUKU」を考える <a href="https://www.blog.crn.or.jp/lab/11/02.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.blog.crn.or.jp/lab/11/02.html</a>ベネッセ教育総合研究所　「第5回学習基本調査」報告書 [2015] <a href="https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4862" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=4862</a>

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