教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

最近小6の息子が毎朝「あーだるい、学校行きたくないなぁー、つまんないなぁ」と言います。学校へはちゃんと行くんです。でも、さすがに毎日聞かされると、こちらとしてもだんだんイライラが募ってきます。何か対処方法とかあったら教えてください。

「あーだるい、学校行きたくないなぁー、つまんないなぁ」と言いながらも学校にはちゃんと行くんですね。
息子さんも頑張っているのでしょうね。

<h2>6年生は身体も環境も変化する第二次性徴期。</h2>毎日の発言ということですが、どのくらい続いているのでしょう。 そして、学校から帰ってきたときのお子さんの様子はどうですか？帰ってきたら元気にしている、食欲はあって普段と変わりない様子であるなら、そんなに心配はしなくてもいいレベルではないかと思います。 6年生というと、思春期に差しかかって、身体も急に変わっていく時期ですよね。 声変わりなどが始まる第二次性徴期なので、ホルモンバランスや自律神経が乱れて、多かれ少なかれ、不調を訴えるようになっていきます。また、児童会の委員など学校で責任のある立場になって心理的ストレスを感じることも多いかもしれません。 クラスが荒れていたり、先生や友だちとの関係でうまくいかないことがあったり、子どもの世界にもいろいろなことが起こります。 もしかしたら、お子さんにも何か起きていて、自分の気持ちを整理したくて言っているだけかもしれません。 なので「そうなんだ、ダルいんだね」と子どもの言葉を繰り返すなどして、共感してあげてください。家事をしながら、話半分で聞くのでもいいと思います。愚痴りながらアピールして、話を聞いてほしいのかもしれません。

<h2>頭ごなしに否定せず、まずは向き合って共感してあげましょう</h2>それでも毎日言ってくるのであれば、お母さんにちゃんと聞いてほしいと思っているのかもしれません。 そのときには、お子さんが訴えてきたら家事の手を休めて、お子さんと向き合う時間をとってあげませんか。 そして「そうなんだ、だるいんだね。学校に行きたくないんだ。つまらないんだ」と子どもの言葉を繰り返してから、「何かあった？話聞くよ」と水をむけてみてはどうでしょう。なかなか本当の気持ちを言わない場合もあると思いますが、一旦気持ちを受け止めてもらえたら、顔には出さなくても安心するのではないでしょうか。このときに、気をつけたいのは「だるいなんて、学校に行きたくない言い訳でしょう」と頭ごなしに否定したり、「私があなたくらいのときには、頑張って行ってたよ」など、保護者自身の成功談を引き合いに出してハッパをかけたりしないことです。あまり深刻にならず、成長期に起きることを話してあげて、だるいのはホルモンのせいだと教えてあげましょう。 大人が「私も行きたくないとき、あったよ」と言うと、「自分だけじゃないんだ」と気持ちが楽になるかもしれません。

<h2>子どもが愚痴を言えるのは信頼されているからこそ</h2>愚痴を聞くのはしんどいと思いますが、子どもが愚痴を言えるのは、信頼関係があるからです。 子どもが愚痴を言い始めたら、信頼関係が成り立っていると思って、聞いてあげませんか。

確かに、愚痴を言う相手は誰でもいいわけではないですよね。

そうです。しかも、これがお子さんのSOSである場合もあります。

子どもに見られる代表的なSOSは「体調不良」「食欲不振」「情緒不安定」「宿題が手に付かない」「不眠」の5つだそうです。 お子さんの様子を見て、もしこれはちょっとおかしいかなと思ったら、スルーせずに対応をしてあげましょう。「『学校を休みたい』と深刻に言ってきたときは、うまくガス抜きをさせてあげることが一番」と言うのは、かつて自分自身も不登校の経験を持つ不登校新聞編集長の石井志昂さん。 こまめに休んでいれば、ある日突然身体が動かなくなって1年学校に行けない、長く引きこもる、という深刻な事態は起こりづらくなるといいます。深刻になりすぎず、でもお子さんの様子はよく観察して、思春期を乗り切っていきましょう。 &nbsp;参考：<a href="https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8201212.html" target="_blank" rel="noopener noreferrer">「『学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること」</a>（石井 志昂）

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