教えてヨーコ先生

ヨーコ先生こと中曽根 陽子（なかそね・ようこ） 数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストであり、幸せな子育てを探究するマザークエスト代表。東洋経済education ✕ ICT、プレジデントオンライン、中学受験ナビなど多くのウェブメディアで執筆。『成功する子は「やりたいこと」を見つけている　子どもの探究力の育て方』（青春出版社）他著書多数。

イラスト：さぶぼーぼ（Instagram／<a href="https://www.instagram.com/sabubobo.i/" target="_blank" rel="noopener noreferrer">@sabubobo.i</a>）

小学3年の長男と、年長、年少の女の子がいます。いつも長男が下2人に意地悪をして、軽いケンカが始まります！
もちろん、やってはいけないことは厳しく叱りますが、悪いことをしているわけでもなく、ちょっかい程度です。年齢が上がるにつれてそういうことは減ってくるのでしょうか？
程度の軽いものは、口を出さず見守る方がいいのでしょうか？

やみくもに口を出すのはNG。
意地悪な行動の裏にはどんな感情があるか、観察してみてください。

<h2>年齢差や性別など、きょうだいケンカの事情はさまざま</h2>きょうだいの年齢差や性別によって、ケンカの事情はさまざまです。 歳が近い同性の兄弟・姉妹の場合、ライバル関係になっていることが多いですね。 男兄弟は遊びで戦っているうちに本気になって、ケンカになってしまうことが多いのではないでしょうか。 ある親御さんは、2歳違いの男兄弟について「家にいるとしょっちゅうケンカになってこちらまで疲れるから、できるだけ外に遊びに行くようにしている」と言っていました。 ケンカの仲裁も疲れますからね。

そうなんですよ。子どものケンカに口を出さない方がいいと思ってはいるのですが、放っておくとエスカレートしてしまうので、つい口を出してしまいます。
うちの場合は、上と下の2人の歳が離れているので、ついつい下の子をかばうことが多くなってしまいます。

年齢差が3、4歳あると体格も違うので、ついつい「小学生なんだからもう少しわきまえて、下のきょうだいには優しくしてあげて」と思ってしまいますよね。でも、お話を伺うと、意地悪といってもちょっかいレベルということなので、本人にとっては下の子と遊ぼうと思ってやっていることかもしれませんね。「遊びたい。じゃれたい」という気持ちから出た行動が、妹たちにとっては迷惑な行動になってしまっているのでしょう。

<h2>お子さんの気持ちはどこにあるか、考えてみましょう</h2>

遊びたいけれど、どうやって関わればいいのか分からないのかもしれません。
また、下の子たちの手がかかる時期なので、もしかすると、ちょっと寂しいのかもしれないと思いました。

そうなんですね。それが分かっていらっしゃるなら大丈夫！

手が出たり、大声で乱暴なことを言いあっていたりすると、心配になることもあるでしょうが「やってはいけないことは厳しく叱ります」とのこと。 線引きをしてお子さんに伝えていらっしゃるようなので、そのままでいいのではと思います。きょうだいゲンカが起きるのは、近しい関係だからです。家の外では、子どもは子どもなりに我慢したり、遠慮したりしています。 でも、家の中では、その我慢をしなくなります。これは大人も同じですね。しかも、きょうだいとはいえ性格も違いますし、組み合わせによって関係性も違うので、今回のケースとは逆に、上の子が我慢をしていることだってあります。 頭ごなしに叱ったり、下の子ばかりかばうのもよくありません。

<h2>「ケンカはダメ」と禁止せず「ケンカのルール」をつくってみては？</h2>「自分より小さい子に優しくする」ことは、「自分自身が大切にされている」という感覚があって、はじめてできるようになります。 下の子をいじめるようなことがあれば、親はどちらの子も同じくらい大切にしている、ということを伝えるようにしてあげてください。そして、仲良くできているときに、「それがお母さんは嬉しい」という気持ちを伝えましょう。子どもは、ケンカしながら手加減のしかたや終わらせ方を学んでいきます。 「ケンカはダメ」と禁止するのではなく、「ケンカのルール」をつくってもよいと思います。 たとえば、「物を投げない、物で殴らない」 「首を絞めない」 「噛みつかない」 「『本当にやめて』と言われたらやめる」など。そして、ルールを破ったときだけ止めに入る、というようにしてもいいかもしれません。子どものケンカは親にとってストレスになるかもしれませんが、ケンカするほど仲がいいともいいます。 お子さんの姿を「絶賛成長中」と思って、笑いに変える工夫もしてみてください。

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